サエクが追求するケーブルの指標は、コンポーネントとの一体感だ。現在のようなワイドレンジ&ハイスピードなアンプ、スピーカーが主流となってくれば、伝送路であるケーブルもまたそれに見合う現代的なパフォーマンスを目ざすのは当然のことだと思う。SPC-2000はそこにピタリとはまる秀作スピーカーケーブルだ。
一見シンプルに見える構造だが、高域でのロスをなくして広帯域化をはかるべく、表皮効果対策に注力した。中心に6N-OFCを、表面部にはPCOCC-Aを配置した二重構造となっているのだ。表皮効果とは、周波数が高いほど導体表面に集中して流れる現象。偏って流れる分、電気抵抗が増すという理論だが、PCOCC-Aのもつ高解像度系でクリアな特性はそこにピッタリであろう。6N-OFCは厚みのある中低域ねらいだ。中心部にはポリプロピレンの介在紐を入れバランスを整える。
そうした設計の意図が、素直に感じられるハイスピードで明晰な音調だ。解像度の高いペンで音の隅々までクッキリと描くのだが、少しも硬質なところのないスムーズでしなやかな高域描写が印象的。ヌケのよい、なおかつ体温感をもったボーカル音域からボトムにかけても、すこぶる居心地がよい。ダンピングの効いたベースの引きしまった躍動や、厚みのあるドラミングがジャズの高揚感を高める。シンバルは芯があって、なおかつ繊細な波面が波打つようにリアルに伝わった。ハイハットの高さやバスタムの床を這う感触も上々。高さ方向の情報が格段にアップし、録音現場の熱気やエアーを肌で感じられるのがサエクケーブルの真骨頂である。管弦楽やオペラ、ピアノなどクラシック系のみずみずしさやハモリの厚み。ダイナミック感もすばらしく、ディスクの鮮度まであがったような錯覚だ。ハイCPな点も折り紙付き。これは聴くべきだろう。バイワイーヤやマルチチャンネル再生にも威力を発揮しそうだ。
(林正儀) |