| 両機ともに情報量が多く細かな質感も詳細に描き出す
パイオニアはAVアンプのエントリークラスに新たにVSA-LX51(以下LX51)、VSA-1018AH(以下1018AH)の2機種を投入する。両機ともフロントパネルはSC-LX90(以下LX90)譲りのデザインで、上下を分けるスリットがアクセントとなっている。特にブラック仕上げのLX51
はまさにLX90を彷彿とさせる。リモコンは本体カラーに合わせたデザインで、内容は両機ほぼ共通である。スリムでボタン数も適度に整理されており、使いやすい。なお、LX51の主要ボタンは自照式で、1018AHは蓄光式となっている。暗いシアター環境での使い勝手もしっかりと配慮した設計というわけだ。
両機とも、HDMIはバージョン1.3a対応で、HDオーディオのデコードにももちろん対応する。LX51と1018AHで異なるのは、まずLX51の方が、HDMI入力端子が1つ多い点。そして、LX51のみがHDMIジッターリダクション回路を搭載する点だ。HDMI伝送時の音質低下の大きな要因とされるジッターを低減させる。
自動音場補正アドバンスドMCACCは両機とも当然搭載。また、フルバンドではないがフェイズコントロール機能も搭載し、低域の遅れを解消する。
音質の基盤となるアンプ回路は、エネルギーロスと相互干渉を極小化させることを目指すアドバンスド
ダイレクト エナジーデザインを受け継ぐ。従来機より信号・電源経路をさらに最短化し、基盤数も削減。信号の鮮度をさらに高めている。
他にも、クリーングランド思想に基づくグランドレイアウトで高周波ノイズの影響を極力排除、高いジッター耐性とローノイズを実現するウォルフソン社の高性能DACの採用といった点は注目ポイントである。
また、iPodからのデジタル出力を本機のDACで受けて高精度にD/A変換できるので、高音質化が望める。
まずはLX51からBD『イノセンス』を試聴。音が各所に適切に配置され、騒然とする事件現場周辺の空間が広く感じられる。台詞はやや硬調でくっきり。場面の空気感を作り出す通奏低音の輪郭はゴリッとした感触で怖さを増す。検死官との対話など静かなシーンも、細かな物音の質感、室内での台詞の響きなど詳細に描き出し、情報量が多い。
1018AHでも同様の傾向。強いて言えば音楽ソースを集中して聴いたときに、シンバルの輝きに混じる雑味は1018AHの方がわずかに多く、ベースの引き締め方もわずかに緩まる。しかし作為的ではないシャープさ、硬質な低域などパイオニアAVアンプが共通して持つ美点は、やはり強く感じられる。
<この製品の情報は「AVレビュー」2008年7月号にも掲載されています>

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