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フラグシップシリーズ第2弾

シャープ、小型狭額縁スマホ「AQUOS R compact」。IGZO Free FormやバーチャルHDR採用

2017/10/13 編集部:成藤正宣
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シャープは、フラグシップスマホ「AQUOS Rシリーズ」の新モデル「AQUOS R compact」と、スタンダードラインの「AQUOS sense」を発表した。価格や取扱キャリアについては現時点では未定。

AQUOS R compact

AQUOS sense

本日行われた発表会には、取締役専務兼IoT通信事業本部長の長谷川祥典氏と、パーソナル通信事業部商品企画部長の小林繁氏が登壇。長谷川氏は、今年夏に発売したフラグシップモデル「AQUOS R」が前年度フラグシップに比べ146%の出荷台数を記録したと発言。17年度上期の出荷台数も173%と前年を大幅に上回ったとし、「AQUOS RとAQUOS Rcompact2機種で150万台を目標とする」と語った。また、2018年には欧州市場への参入も予定し、販路など検討に入っているとした。

長谷川氏

小林氏

■ディスプレイに新技術を導入した「AQUOS R compact」

「AQUOS R compact」は、同社フラグシップ「AQUOS R」シリーズの第2弾となる製品。ディスプレイの形状自由度を高める「IGZO Free Form Display」技術をはじめて採用しており、この技術によって実現した狭額縁デザインを「EDGEST fit design」と称している。

フラグシップシリーズ第2弾となる「AQUOS R compact」

もともと同社は2013年から2015年にかけて狭額縁「EDGEST design」という小型スマホシリーズを展開していたが、同シリーズには「角張って持ちにくい」「前面カメラが画面下部にあるためセルフィーが取りづらい」といった声が寄せられていたという。

シャープは過去、狭額縁コンパクトスマホを開発していた

それらの欠点が、今回「IGZO Free Form Display」技術が導入されたことにより解消。持ちやすい丸みを帯びたラウンド形状や、画面に食い込むように配置されたインカメラといったデザインに合わせてディスプレイを開発したという。小林氏は「従来は四角いディスプレイの周囲に合わせてデザインを行っていたが、IGZO Free Form Displayを用いればデザインに合わせてディスプレイが開発できる」とディスプレイメーカーとしての同社の強みをアピール。「画面上部にアイコンが並ぶAndroidのUIは、狭額縁デザインにマッチすると感じている」とも述べた。

会場には、「Free Form Display」を応用した車載ディスプレイが参考展示されていた

「AQUOS R compact」は、夏に発表された姉妹機である「AQUOS R」から多くの特徴を引き継いで搭載する。ボディーは質感高く持ちやすい、金属フレーム加工の「Emotional Edge」を採用。ディスプレイは4.9型のフルHD+(2,030×1,080)解像度で、にじみの少ないクッキリとした表示と、タッチへのレスポンスを両立した120Hz駆動「倍速IGZO」となる。

「倍速IGZO」デモ。画面右半分に適用されている

バーチャルHDRの比較。ON側は明暗がややクッキリする

「AQUOS」テレビ由来の「リッチカラーテクノロジーモバイル」技術を導入して画面表示の高画質化を図っている。また、同社が独自に開発した「バーチャルHDR」機能により、SDRコンテンツ再生時にHDRのような階調を再現することができる。なお、HDRコンテンツそのものの再生には対応していない。

テレビで培った映像技術を導入している

ディスプレイパネルは製造時、個々に画質補正を行う

背面カメラは広角16.4Mで、画質エンジンの性能向上により肉眼に近い映りを再現。前面カメラはディスプレイ内部に設置したことに加え、視線がカメラに向くようUIを調整。セルフィーの大敵である視線ズレを対策した「アイキャッチセルフィー」となっており、小林氏は「AQUOS史上もっともセルフィーが撮りやすいモデル」とした。

カメラの配置、UIによって視線ズレを解消する

製造工程にもこだわっており、生産時に発生するディスプレイパネル毎の色相差/明度差を1枚1枚すべて補正しているという。その他、画面下部に指紋認証機能、高速充電機能に対応しながら発熱を抑制し、電池劣化を抑える「インテリジェントチャージ」機能も搭載する。

発売時からAndroid 8.0 "Oreo"を搭載し、発売後2年間に2回までのAndroid最新バージョンへのアップデートを保証。CPUはオクタコア、RAMには高速メモリ「LPDDR4X」を3GB、ROMは32GBを搭載。「倍速IGZO」やアプリのパフォーマンスを最大限に引き出すとしている。

■使い勝手に特化「AQUOS sense」

「AQUOS sense」は年間80万台以上販売されているという普及価格帯「スタンダードライン」に投入されるモデル。小林氏は「使い勝手に特化したことで、直感的に扱える機種」としており、ネーミングも直感的に使えるという事に由来しているという。

「AQUOS sense」は普及価格帯に投入される

普及価格帯の製品ながら、フルHD解像度の「IGZO」ディスプレイを搭載し、「リッチカラーテクノロジーモバイル」「バーチャルHDR」など、「AQUOS R compact」と同等の機能も備える。さらに生産時のディスプレイパネル補正も行うことで、同価格帯のスマートフォンでは最高のディスプレイ性能を誇るとしている。

本体にIPX5/8相当の防水性を備え、IGZOディスプレイの特性と画面チューニングにより水滴の付着によるタッチ誤認が起こりにくい。指紋認証も搭載している。オクタコアのCPU、3GBのRAM、32GBのROMを内蔵。Android 7.1がインストールされ、2年間のアップデートを保証している。

AQUOS sense(右)水滴が付着してもタッチ入力が妨害されにくい

同社では、フラグシップモデルを「AQUOS R」シリーズと呼称するのと同様、「AQUOS sense」もスタンダードラインの新シリーズとして展開していく予定だという。


会場では新モデルの他、同社がIoT施策の一環として提供するサービス「COCORO +」や、AQUOS用アクセサリーが発表。純正アクセサリーとして、AQUOSの画面に曇りガラスのようなエフェクトを表示してプライバシーを守るフリップ式ケース「Frosted cover」、サードパーティー6社とコラボレーションして開発し、統一されたロゴで販売する「DESIGN FOR AQUOS」アクセサリーを出展していた。

「Frosted cover」のフリップカバー上からディスプレイをタッチすると、タッチした部分だけ曇りが取れて操作できる


「DESIGN FOR AQUOS」アクセサリーはメーカーの枠を越えて、パッケージに共通のロゴが表示される

6社のアクセサリメーカーとコラボレーションする

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