多数対多数の通信が可能な新しいBluetooth

「Bluetooth mesh」でIoT社会はどう変わる? Bluetooth SIGが説明会開催

編集部:成藤正宣
2017年09月08日
Bluetooth規格の策定や技術利用を行う団体・Bluetooth SIGは、IoTを見据えたBluetoothの次世代規格「Bluetooth mesh」の取り組みについて、9月8日に会見を行った。

Bluetooth SIGはBluetooth技術の策定・管理などを行う団体

登壇したのは、Bluetooth SIGのマーケティングバイスプレジデントケン=コルドラップ氏、Bluetooth meshを採用した機器を開発する(株)WHERE代表取締役の丸太一氏、東芝デバイス&ストレージ(株)の足立克己氏の3名。

ケン=コルドラップ氏

丸太一氏


足立克己氏
最初に登壇したコルドラップ氏は、「(Bluetooth meshは)ローパワーで大規模ネットワーク網を構築でき、産業グレードの信頼性・拡張性・セキュリティーを初めから備えている初めての規格かと思う」とIoT分野におけるBluetooth meshの優位性をアピールしていた。

Bluetooth meshの技術的な詳細は、コルドラップ氏と足立氏によって解説された。Bluetooth meshは今年7月に正式発表されたばかりの、Bluetoothの最新バージョン「Bluetooth 5」(関連記事)に則った規格で、低消費電力で動作するBluetooth Low Energy(LE)の一種。機器同士を1対1で接続する従来のBluetoothとは異なり、「多数対多数」の接続を可能にしているのが大きな特徴。従来は無線で制御することが難しかった、「数百の照明をボタンひとつで全て消す」というような動作も可能となる。

Bluetooth mesh は今年7月発表されたばかり。IoTなど大規模ネットワークで使われることを想定している

音楽や画像など大容量データを転送する連続通信用ではなく、断続的な通信を繰り返すショートバースト接続向けに設計されており、機器によってはボタン電池1つで長時間動作させることができる。

断続的な通信を行うため、消費電力が抑えられる

コルドラップ氏はIoT用途にBluetooth meshを採用する利点として、例えばルーターひとつが停止ししたくらいではネットワークが途切れない信頼性の高さ、ネットワーク拡張の容易さ、セキュリティーの強固さをあげる。また動作に関わるテストは発表前に済んでいるため相互運用性が保証されており、Bluetoothという国際的に信用あるブランド力も強みだとしていた。

産業用として多くの強みがあるとしている

Bluetooth meshを搭載したビーコン「EXBeacon」を製造、ネットワーク構築事業を展開しているWHEREの丸太氏は、実際の導入例を紹介。「Bluetoothタグをオフィスの備品に取り付けることで場所を可視化する」「視界の悪い工事現場で作業員にBluetoothタグを持たせることで、位置の可視化や出退勤ゲートの管理に活用する」「介護施設で利用者のバイタル情報を収集して管理する」といった事例を示し、「Bluetooth meshはIoTにおける通信規格のベースユニットになると確信している」と述べていた。

従業員や備品管理に活用する一例

Bluetooth meshと他のネットワークを組み合わせることも考えられる

会場にはBluetooth SIGに参画する企業からBluetooth meshを採用した製品が多数展示。センサー類の無線による一括操作や、無線ビーコンを使用した位置情報の送信、既存のネットワークシステムとの組み合わせなど、実用化されている製品を目にすることができた。

Bluetooth meshを採用した「EXBeacon」

Bluetooth meshによる制御のデモ

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