スマホやPCとの連動がより密接に

USB Type-Cでの8K伝送にも対応。VESAが「DisplayPort」の最新動向を報告

編集部:成藤正宣
2017年06月19日
VESA(ビデオエレクトロニクス規格協会)は本日、「DisplayPort」規格の現状に関する説明会をメディア向けに開催した。

VESAのジム・チョート氏

グラナイトリバーラボ・ジャパンの永田学氏

発表会にはVESAのコンプライアンス・プログラム・マネージャー、ジム・チョート氏と、DisplayPort製品の認証試験に関わるグラナイトリバーラボ・ジャパンのエンジニアリング・マネージャー、永田学氏が登壇。チョート氏による技術解説、永田氏による「DisplayPort1.4」認証試験の説明が行われた。

2005年ごろから策定が始まったDisplayPort規格は、競合するHDMIなどと比べ、データ帯域幅が大きく、VESA会員であれば実装した際のライセンス料が不要な規格として作られた点が異なる。2016年3月に最新のアップデートが発表され、現行の「DisplayPort1.4」となった。高帯域幅データリンクレートのHBR3を採用し、8.1Gbpsのデータリンクが4本、総帯域幅は32.4Gbps。これは4:4:4の8K/30Hz映像や4K/120Hz映像、あるいは4:2:0の5K/60Hz映像をケーブル1本で伝送できる速度となっており、HDRにも対応する。

その他「DisplayPort1.4」では、映像に視覚的な劣化の少ない圧縮をかけ、低消費電力化などに貢献するDSC(Display Stream Compression)、転送エラーを訂正するFEC(Foward Error Correction)、1つのDisplayPort端子から複数のディスプレイへ映像を分配し、簡単にマルチディスプレイ環境を構築できるMST(Multi-Stream Transport)といった技術が採用されている。これらの技術が実際の機器で正常に動作するかどうかはDisplayPort認証プログラムに基づいてテストされる。会場ではテスト内容の解説が行われたほか、テストに使われる機器も展示されていた。

DisplayPort1.4の認証試験用機器。規格通りの信号を送受信できるか判定する

ここ最近、DisplayPortに関して特に注目されているのは、USB Type-C端子による「DisplayPort Alt Mode」のサポートだ。Type-Cコネクタを採用したUSBケーブルでDisplayPort規格の映像/音声信号をやり取りできるようになり、映像伝送と同時に通常のデータ転送や、機器への電力供給が両立できる。端子の組み合わせもUSB Type-C同士、USB Type-CとDisplayPort、または変換ケーブルやドッキングステーションなどと豊富に想定されているのも特徴だ。

USB Type-CでもDisplayPortと同様の信号が伝送できる

DisplayPort Alt Mode時に様々な接続をできるのが強み

「DisplayPort Alt Mode」は最新型のMacbookにおいて「Thunderbolt 3」端子から利用できるほか、今年1月に発表されたスマートフォン向けSoC「Snapdragon 835」ではハードウェアレベルで対応。USB Type-C端子からDisplayPort信号を出力できる端末は今後ますます増えていくと予想される。会場には実際に、「Snapdragon 835」を搭載したスマートフォン「Galaxy S8」を専用ドックからPCモニター接続するデモが用意されており、DisplayPort搭載のモニターさえあれば、「DisplayPort Alt Mode」対応のスマートフォンをPC替わりにできる、というような使用方法が提示されていた。

デモとして用意されたDisplayPortやUSB Type-C対応機器

USB Type-Cの他、マウスなどアクセサリーも接続した「Galaxy S8」ドック

質疑応答では「DisplayPort Alt Modeの登場で、従来のDisplayPort端子は小型のUSB Type-C端子に統合されていくのか、それとも存続するのか」という出席者からの質問に対し、チョート氏が「DisplayPort端子あるいはMini DisplayPort端子が市場からすぐ無くなるわけではないと考えているが、モバイル端末においてはUSB Type-C端子が主流になるだろう」と答える場面も見られた。

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