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2月20日から「未来の学校祭」にて

AI 美空ひばりの次はAI グレン・グールド(?)ヤマハがAIピアノ演奏システムを披露

2020/02/04 編集部:小澤麻実
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ヤマハは、ピアニスト グレン・グールドの演奏表現を習得したAIによるピアノ演奏システムを開発。2月20日から東京ミッドタウンで開催されるイベント「未来の学校祭」で日本初披露する。


これはAIと人間の共創の可能性を追求するためのプロジェクト『Dear Glenn』の成果として開発されたもの。深層学習技術を活用し、どんな楽曲でも楽譜データさえあればグールド風のタッチでピアノを演奏できるという。つまり、グールドが演奏したことがない曲でも、AIが独自に解釈した"グールドならこう演奏するだろう”という表現で演奏できるということ。

グレン・グールド。キャリアの途中からはコンサートを行わず、録音や放送だけで演奏を披露した

AIに"グールドらしい表現”を学習させるため、100時間を超えるグールドの演奏音源を解析。さらに彼の演奏方法を熟知した複数のピアニストたちの演奏による「ヒューマン・インプット」も学習させることで"かつてない再現度を実現”したという。

グールドの音源や有識者の演奏などでAIに“グールドらしさ”を学習させた

イベントでは、グールドの代表的演奏として知られるJ.S.バッハ「ゴールドベルク変奏曲(BWV 988)」のほか、彼が演奏したことのない曲も披露される。

なおこちら、昨年9月にオーストリアで開催されたデジタルアートの祭典「アルスエレクトロニカ・フェスティバル」で世界初披露。会場が満員になるなど好評を博したとのことだ。

ヤマハはAI演奏システムに注力している。2016年にはピアニスト スヴャトスラフ・リヒテルの往年の演奏を自動演奏ピアノ「Disklavier」で再現し、ベルリンフィル・シャルーンアンサンブルと合奏するプロジェクトを実施。そして、昨年末の紅白歌合戦などで披露され話題と議論を呼んだ「AI 美空ひばり」は記憶に新しい。

なお、"グールドの再現”を試みたものとしては、ヤマハの取り組みではないが2007年に発売された音源(CD/SACD)で「ZENPH」というソフトを用いキータッチや音量、ペダルの踏み込み加減まで完全にデータ化し、ヤマハのMIDIグランドピアノで実際に演奏させて録音した…というものもある。


<展示の概要>
期間: 2020年2月20日(木)〜2月24日(月・振休) 各日11時〜21時
場所: 東京ミッドタウン・ガレリア1F ツリーシャワー前
(〒107-0052 東京都港区赤坂9-7-1)
入場料:無料
展示内容:AIシステムを搭載した自動演奏機能付きピアノの展示、AIシステムによる演奏の披露(一部時間帯生演奏)、ドキュメントビデオなどのモニター上映、パネル展示など。

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