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4.0chのサラウンドサウンドを収録

書き下ろし曲も加えた全編リメイク版・冨田勲「惑星(プラネッツ)Ultimate Edition」が6/1発売

公開日 2011/05/31 18:45 ファイル・ウェブ編集部
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冨田勲氏と言えば、管弦楽曲を電子音で再創造し、緻密かつ壮大な世界観を生み出す「トミタ・サウンド」を知らない人はいないだろう。このたび、ホルストの組曲「惑星」をシンセサイザー用に再編曲した氏の代表作のひとつ「惑星」が、発売から34年の年月を経て「惑星(プラネッツ)Ultimate Edition」として6月1日に発売されることになった。

「惑星(プラネッツ)Ultimate Edition」(COGQ-51)¥2,940(税込)

「惑星(プラネッツ)Ultimate Edition」は、書き下ろしトラック「イトカワとはやぶさ」を新たに加えたほか、新しい機材を採用して全編をリメイク。SACD/CDのハイブリッドディスクとなり、4.0chのサラウンドサウンドで宇宙空間を旅する物語を描き出している。

本作の発売に先駆けた26日、パイオニアプラザ銀座にて、冨田氏を招いて「第37回パイオニアAVセミナー」が開かれた。

イベントのようす

冨田 勲氏

イベントでは、「惑星(プラネッツ)Ultimate Edition」からの抜粋や、同時発売となる「源氏物語幻想交響絵巻・完全版」などをサラウンドで試聴。試聴にはフロントスピーカー「TAD-R1」、リアスピーカー「S-2EX」、そしてAVアンプ「SC-LX83」が使用された。

TAD-R1やS-2EXなど豪華な機材を使い、冨田氏の深く緻密なサラウンドサウンドを楽しむことができた

『プラネッツ』に加えられた書き下ろしトラック「イトカワとはやぶさ」は、昨年日本中を湧かせた小惑星イトカワと探査機「はやぶさ」をイメージして作られたとのこと。イトカワの由来となった糸川英夫博士と生前親交があったという冨田氏は、氏との思い出を語り「今回の『プラネッツ』は、糸川さんの生涯に捧げるレクイエムのつもりで書きました。糸川さんは戦闘機やロケットの設計、バイオリン設計、バレエなど様々なことに挑戦していた方。生きている間が夢で、亡くなった時ようやく現実になったかのような人でしたね」とコメント。また、冨田氏が長年取り組んできた「サラウンド」についてもこう語る。

「子供の頃北京にある回音壁というところで聴いた、反響する音の不思議はいまも鮮烈に覚えています。その時から、サラウンドに興味を持ったんです。サラウンドは、人間のなかにいちばん自然に入ってくる音だと思います。街や山や海岸でも、四方八方から音が聞こえてくるでしょ。スピーカーに囲まれた空間のなかに別世界を創り出してみたいと思って、僕はサラウンドを推進してきたんです。ホールの音響をそのまま再現するみたいな手法もありますけど、僕の創り出す世界はアニメみたいな、架空の世界ですね。『惑星』は、宇宙のどこかで起こっていることを実況中継しているような感覚を目指した作品。それをもし皆さんに感じていただけたら嬉しいです。宇宙空間には前も後ろもない。だから、一般的な5.1chサラウンドではなく、センターチャンネルを抜いた4.0chにしています」

冨田氏は「サラウンドは、エジソンが飛行機を発明したこと以来の大発明だと思います。サラウンドをもっと簡単に聞けるシステムがこれから沢山出るといいなと思っています」と締めくくった。

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