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首都圏に今も残る民俗文化と人々のつながりを紹介 − 映画「うつし世の静寂に」好評上映中

公開日 2010/11/04 19:41 山之内優子
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由井 英監督(左)と伊藤碩男カメラマン(右)
無縁社会といわれる現代日本。人と人とのつながりが強く求められている。映画「うつし世の静寂に」(由井英監督・2010)は、首都圏に今も残る自然の中で育まれた人の暮らしを取材し、現代の社会で忘れられた日本人の暮らしのあり方を思い出させるドキュメンタリー映画だ。

由井英監督は、関東地方にかつて存在していたオオカミと人間とのつながりを取材した「オオカミの護符」で2009年度、文化庁映画賞を受賞。今回は、川崎市宮前区を中心に自然と人々の関わりから生まれた人の営みを紹介している。映画で紹介される講や巡り地蔵などの民俗行事は、首都圏の中にありながら、今も人々が伝え続けているものだ。谷戸で水田を交錯するお百姓さんは、土と水に繊細な配慮をしながら見事に田のあぜを作る。その巧みな所作は日本家屋の土壁を塗る左官や、獅子舞の動作を思わせる。日本人の暮らしが自然と結びつき、人々の中で育まれてきたことを伝える貴重なドキュメンタリー映画だ。

現在東京渋谷のユーロスペースでモーニングショー公開中。11月19日(金)まで。最終日上映前に監督のトークあり。

【映画情報】

映画「うつし世の静寂に」
監督:由井英
2010/日本/96分/デジタル/カラー/スタンダード
配給=ささらプロダクション


(取材・文 山之内優子)

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