交換レンズ2本の発売予定も発表

「LUMIX GMはデジタル、クラウド時代にふさわしい一眼」 − パナソニック発表会レポート

ファイル・ウェブ編集部
2013年10月17日
別項で紹介しているように、パナソニックは世界最小サイズを実現したマイクロフォーサーズ規格のミラーレス一眼カメラ“LUMIX GM”「DMC-GM1K」を発表。同社は発表会を開催し、パナソニック(株) AVCネットワークス社DSC事業部 事業部長の北尾一朗氏が製品の特長や販売戦略を解説した。

“LUMIX GM”「DMC-GM1K」


「我々は世界初のミラーレス一眼を開発したメーカー。写真文化を創っていくメーカーだと自負している」とする北尾氏は、新製品についてまずデザイン性をアピール。4色それぞれに合わせてテクスチャーを変えて各色が特徴のある存在感を持てるようにしたこと、3連ダイヤルにローレット加工やダイヤカットを施して高級感のある仕上げにしていること、レンズや別売のハンドグリップにもダイヤカットを施していることなど、高品位を意識したデザインを採用したと語る。

パナソニック 北尾氏

テクスチャーを変えてそれぞれ異なる存在感を演出

一方で「小さいだけでは意味がない」と、画質面にもこだわっているとコメント。ボディを大幅に小型化しながらも、本機よりも大きな「DMC-GX7」と同じサイズの撮像素子や映像エンジンを搭載することに成功したことや、240fpsという高速AFを実現していることなどをアピールした。

また、交換レンズについて、単焦点レンズと望遠レンズを現在開発中であることも発表。2014年度中に発売予定であることも明かした。

15mmの単焦点レンズと35mm-100mmの望遠レンズを準備中

こうした製品を開発した背景について北尾氏は、「写真の世界は銀塩からデジタルになって需要が大きく増えた。そして今、クラウド、SNSとともに写真の世界に大きな変化が起こっている。今はまさに変革期にある」と昨今のデジタルイメージングを取り巻く環境に言及。

デジタル化やクラウド時代の到来でに真のあり方も変化

「SNSによって、これまで目にすることのなかった写真をいっぱい目にするようになった。また、デジタルで加工も容易になり、自分なりの表現ができるようになった。アートというと大げさかもしれないがクリエイティビティのある写真を撮れるようになった」と、写真がより身近になってきていると説明。

そして「だからこそ、今の時代にふさわしいカメラとは何なのかを考えた」とコメント。「ミラーレスは単なるコンパクトからのステップアップでない。色々な可能性を秘めている」とも語り、「デジタル、クラウド時代にふさわしい一眼」だと新製品を紹介した。

写真イベント「LUMIX MEETS TOKYO 2020」の協賛なども行っていく

以下、質疑応答の模様をお届けする。

Q.先日、ソニーはフルサイズセンサー搭載の小型ミラーレス機を発表した。今回の新製品とあわせて考えると超小型化の動きが明確になってきているように思うが、マイクロフォーサーズの今後の方向性をどう考えているのか。

A.超小型というのは当然ひとつの方向性としてあると思う。ただ、単に小さいだけでもダメだと考えている。マイクロフォーサーズのポテンシャルは単に小型化だけではない。それをどう活かしていくのかが我々の使命だと考えている。

Q.小型化のデメリットをあえて説明するとすればどこにあるか。

A.電子先幕を採用しており、1/500秒以上は電子シャッターに切り替える。このため、原理的にしかたがない部分として、シチュエーションによってはローリングシャッター現象がでる。そこがあえて申し上げるならデメリットだろう。また、アクセサリーシューがついていないので拡張性に物足りなさを感じる方もいるかもしれない。こうした点はGX7がカバーしているので使い分けていただければと思う。通常の範囲では非常に美しい写真が撮れると思っている。

Q.ストロボ内蔵だが、このクラスだとストロボよりEVFへの要望が高いように思う。その点についてはどう判断したのか。

A.まずはサイズ感、堅牢感、質感の実現がどうしてもやりたかった。ファインダーは今後要望があれば検討していきたい。ぜひ、お客様からは無理難題でもご要望、反応をお寄せいただだければと思う。

Q.今回の新製品のターゲット層はどこを想定しているのか。

A.カメラを趣味にしている方、プロも含めて、カメラに知識の有る方のプライベートなカメラと思っている。また、若い方も含めて、高い感度、感性をもっている方を中心に訴求していきたい。

Q.超小型化というサイズにこだわった狙いはどこにあるのか。

A.ストリートフォトというのが昨今のムーブメントのひとつだと考えている。SNSの時代になって、ストリートフォトの世界がより広がっている。そういったときに使ってもらうカメラとして、高画質でありながら小型であり、レンズを交換して使うこともできる、そういったものが必要になると考えた。そこでボディだけでなくレンズも含めて小型化を考えた。

Q.今回の発表会の案内に「ミラーレスの第2ステージの幕開け」という言葉があったが、「第2ステージ」とはどういう意味か。

A.ミラーレスが出て5年になる。その間に、ミラーレスの持つポテンシャルについて、当初は感じきれなかったものを感じられるようになった。そうした、本当の意味でのポテンシャルを大きく育てていく最初の商品がGMであるという意味を込めた。

Q.今回の製品とは別の切り口になるかもしれないが、「スマホで十分」という層をどう取り込んでいくのか。

A.当然スマホで十分な写真もあるだろう。ただ、お客様のライフステージは変わっていく。スマホで写真を多く撮るというなかで、お子さんの運動会をスマホで撮れるのか。現在は写真に触れる機会が従来とは考えられないくらい増えている。色々な写真を撮影するなかで物足りなさを感じることもあるだろう。

そのため、それほど悲観していない。カメラに対する興味は当然でてくると思う。それがどんな商品になるのかという問題だろう。その先は具体的な戦略になるのでご勘弁いただきたいが、そのひとつの回答が今回のGXだ。

Q.コンパクトも含めたデジカメ事業全体について訊きたい。第一四半期の販売状況をみると、全体として台数は下げっているが、どのような理由があると考えているか。今後、どのように立て直していくのか。また、期初の販売計画について、1Qを見る限り目標達成が厳しそうだが修正はしないのか。

A.中間決算を控えているので具体的な数字は差し控えさせてもらいたい。たしかにコンパクト機は需要が非常に厳しい。一方で、ミラーレス市場は堅調に推移している。GX7も好評をいただいており、注文も想定を超えるボリュームでいただいている。お客様はいらっしゃる。いなくなったわけではない。そのお客様に、喜んで頂ける商品を提供できるかどうかだと思っている。そこで超小型、高品位、高性能という製品を出した。これらの商品で下期を取り組んでいきたい。

Q.今後のデジカメ市場をどうみているか。

A.この点も具体的なことを控えたい。ただ、コンパクトの減少傾向は続くだろう。ミラーレスは他社からも魅力的な商品が出てきているので、我々も負けないように魅力的な商品をだしていけば業界としてまだまだ需要は伸びると見ている。

Q.GX7がグローバルで人気ということだが、デジタルカメラ市場全体を見ると中国や欧州が厳しい状況だと思う。ミラーレス一眼について、グローバル市場と日本とで違う点はあるのか。

A.たしかに欧州や中国は厳しい状況だ。しかしGX7は欧州でも好調に推移している。ミラーレスのなかで金額シェアトップだ。いいものを求めるお客さんは常にいる。そういう方にキチンと商品を提供できればと結果はついてくるということだ。気を引き締めていきたい。

世界市場でのミラーレスの構成比は2割程度だが、他社も中高級機が活況。ミラーレスの価値を欧米の方にも認めてもらえるようになるのではないかと考えている。どのような価値を提供できるかというところだと思っている。

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