HOME > ニュース > NHK、受信料値下げは「BSのみ」で地上波は含まず

値下げ額は「2年ぐらい状況を見ないといけない」

NHK、受信料値下げは「BSのみ」で地上波は含まず

2021/02/08 編集部:小野佳希
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
NHKの前田晃伸会長は、2月定例会見での質疑応答において、受信料の値下げは衛星波(BS放送)から行い、地上波受信料は含まない考えを示した。

NHKのロゴ

1月に正式発表した2021年度から2023年度まで3ヶ年の経営計画に言及していた値下げ方針、および、放送総局長会見で表明された「衛星契約受信料の1割値下げを目指したい」という意向について、メディアからの質問を受けてのもの。

前田氏は「値下げは恒常的にと考えており、それを前提に、我々とすれば衛星契約の受信料をさげるのが今の状況ではいいのではないかということだ」とコメント。「衛星契約は非常に割高だという主張もある。また、衛星波を集約(※BS1とBSプレミアムを1つに集約)するということも約束している。いろんなことを考えると、衛星波の割高感を解消するのがまず第一ではないかと思う」と語った。

また、「地上波と衛星波が今ちょうど倍ぐらいの価格差になっているので、それをもうちょっとマイルドにする必要がある」と説明。「当初スタートしたときは、衛星を打ち上げるコストが非常に高いなどいろんな問題もたしかにあったが、現在はそのような必要もなく、ある意味で少し平準化してきている」とし、こうした背景もあってまず衛星と地上波の格差を縮めることがよいという考えに至ったとした。

一方、地上波については「総合受信料という形の検討も必要だと思うし、いろいろなご意見があるところなので、ご意見を聞きながらやっていきたい」とコメント。「衛星波と地上波の両方を下げられればかっこいいのだが、そうすると矛盾が解消されないので、それはあまり賢くないなと思っている」と、現時点では地上波の値下げは考えてないことを示した。

これに対しメディアからは「地上波だけの契約の方からは物足りさもあると思うが?」という質問もあり、前田氏は「地上波の価値をもう少し上げる必要があると思っている」と回答。「まず地上波と衛星波の格差を是正することと、地上波は今のままでいいかという点をもう一度検討する。そういうなかで、割高感やご批判が出ないようにしたいというのが本音だ」と続けた。

なお、「2022年度に判断する」としていた具体的な値下げ額については「2年ぐらい状況を見ないといけないと思う」とあらためて説明。「値下げの原資がしっかり貯まっていないといけないし、勘定科目もまだできておらずどうにもならない」とし、「コロナの状況がどうなるかもわからず、読みきれないところがたくさんある。また、来年度は受信料収入が大幅に減る予算になっている計画なので、この赤字がどれくらいになるのか読みきれないところがある」と説明した。

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

関連リンク

トピック