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ソフトウェアの強みで差別化

ピクセラ、4K Smart TV「BIZmode」で業務用市場参入。3年後にホテル8,000室への導入目指す

公開日 2019/10/30 17:02 PHILE WEB ビジネス編集部・竹内純
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■ホテル業界の切迫する課題解決に貢献

ピクセラが業務用テレビ市場へ新規参入する。Android TVを搭載したBS/CS 4K放送対応チューナー内蔵 4K Smart TVを、業務用ブランド「BIZmode」として新展開。11月より新製品4機種「PIX-40VM100-BZ1」「PIX-43VP100-BZ1」「PIX-50VM100-BZ1」「PIX-55VP100-BZ1」の受注を開始する。まずはホテルを皮切りに、今後、旅館、サイネージ、ケーブルテレビなど業務用用途へ本格展開する。

業務用新ブランド「BIZmode」で業務用テレビ市場への新規参入を発表したピクセラ

ソフトウェア開発力をコアとしたソリューション型事業展開を強みに、テレビ事業での差別化を図るピクセラ。BIZmodeにおいても「ピクセラでしかできないソフトウェアで強みを発揮していく」(同社法人営業本部副本部長・森佳昭氏)と新規領域開拓へ臨む。これにより働き方改革、業務効率化、経営効率化、経営体質強化、接客対応、おもてなし強化、外国人対応(多言語化)など、ホテル業界の切迫する課題解決へ貢献していきたいとした。

(株)ピクセラ 法人営業本部副本部長・森佳昭氏

BIZmodeの特長は、Web(HTML5)を用いて、TVを表示したりアプリを起動したりTVを制御できること。ホテル側ではホームページを作成する手軽な感覚で、ホーム画面の好きなように作り込むことができる。

また、大きな差別化機能としてアピールするのが「リモート機能」。「ホテルでは部屋ごとにテレビの設定を行うのがとても大変で大きな負担になっているとの声が聞かれた。BIZmodeは、ネットワークで一括して遠隔地から設定が可能」(同社製品事業本部ソフトウェア開発部門部門長・上田賢嗣氏)と業務の効率化を実現する。

ファームウェアやアプリのダウンロード・更新も遠隔地から制御可能。さらに、「テレビがWi-Fiのアクセスポイントとなる機能を12月にリリースを予定している」と説明した。ホテルとしても大きなコストダウンと顧客価値向上につながる魅力溢れる機能と言える。

リモート機能をはじめとするBIZmodeの優位性をアピール

(株)ピクセラ 製品事業本部ソフトウェア開発部門部門長・上田賢嗣氏

ホテルをターゲットに、サイネージ、旅館、CATV、さらには、「大きな画面を共有する」「ネットワークで制御する」という共通の技術要素が要求される学習教育、在宅勤務・教育プログラム、カルチャー教室などさまざまな事業へ、「BIZmode」を積極的に展開していく構えだ。

電源ON時にどんな画面を表示するかなどさまざまな機能が設定できる

BIZmodeと他の業務用テレビとの機能比較

■法人営業本部新設、売上目標2022年15億円

最初のターゲットと位置づけた宿泊業では、スタッフの高齢化、離職率の高止まり、スタッフ業務の効率化、施設・設備の老朽化、情報化への対応不足、外国人(語)への対応、価格競争など課題が山積する。「ピクセラのテレビがそれら課題を解決する一助として貢献する。電機業界におけるLCCのような存在になりたい」(同社法人営業本部本部長・水野三津夫氏)と存在感を示していく。

(株)ピクセラ 法人営業本部本部長・水野三津夫氏

客室設備においては、TVやLANに対するニーズが高く、一方、増加する外国人観光客は平成30年に約9,400万人泊もの需要を創出している。ラグビーワールドカップ日本大会開催による好影響で、9月の訪日外国人旅行者数は前年同月比5.2%増の227万3000人を記録した。来年の東京オリンピック開催、また、4K放送増加やVOD普及を背景に、「今まさにテレビの買い替えを薦める絶好のタイミング」と商機を捕らえる。

10月15日現在、見積り依頼が30件、トライアル・サンプル出荷の実績が8件、「事前に高い関心をいただいている」と手応えを掴む。「同じHTML5なのにピクセラのテレビはサクサク動く」「開発スピードが速い」「現場の声を反映した、運用コストを大幅に削減できるシステム」「同じ業務用なのに細かなところまで目が行き届いている」「システム構築時にきめ細かく対応してくれて助かる」など、製品特長と小回りの利く対応力へ期待の声が集まっているという。「ホテルは年間5万室の需要があり、3年後に8,000室の導入を目指す」と目標を掲げた。

朝食会場の混雑状況をテレビ画面から確認することも可能

ランドリーの使用状況もテレビ画面から確認できる

ピクセラでは、BtoB市場を本格展開するにあたり、これまでの製品事業本部、経営企画本部に加え、法人営業本部を新設した。商談ルームを新たに構え、BIZ用webページも立ち上げる。「“テレビがテレビでなくなる日”と銘打ち開催した本日の発表会は、まさに、ピクセラの進むべき道を示したもの。業務向け白物家電として展開するA-Stageを含め、グループを挙げてシナジーを創出していく。事業領域を拡げ、経営基盤を拡大していきたい」と力を込めた。BtoB事業の販売目標は、2020年3.75億円、2021年7.5億円、2022年15億円。

■生活を豊かにする「Intelligent LIFE Assistant」

なお、本日の発表会では、BtoCのビジョンもあわせて紹介された。

「PIXELA Intelligent LIFE Assistant」と命名された同社のIoTは、家族の時間・空間、家族の絆、家族の便利を支えることを目指すものと位置付ける。開発中の機能として、クラウドに上げた写真を共有することで深まる家族の絆や番組を選ぶとすぐに動画を視聴できるTV視聴率ランキング、AIによる番組お薦め機能やお天気情報が紹介された。

写真価値を最大化することで深まる家族の絆について説明

日々の生活を豊かにする「PIXELLA Intelligent LIFE Assistant」

「アイコンをひとつひとつクリックしていかなければならない手間を極力避けるなど、出来る限り暮らしに寄り添うものにしていきたい」(同社製品事業本部本部長・堀伸生氏)と訴える。いろいろな操作が完了すれば自動でポータル画面に戻り、新着写真が届けば自動でポータル画面にアップされる。

(株)ピクセラ 製品事業本部本部長・堀伸生氏

「いろいろなものを瞬時に呼び出せるのも、ピクセルのクラウドを運用したソリューションがあればこそ」と語る堀氏。「写真などのコンテンツは記憶と結びつき、時間と共に価値が増していく。単に“つながります”ではなく、“こういうことができるんですよ”という具体的なことを次々に示し、お客様の生活を我々の技術で豊かにしていきたい」と意気込みを示した。

本年末に向けて第1弾のサービス提供を予定。東京オリンピックをターゲットに、2020年1月、3月と順次サービスを拡充していく。

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