HOME > ニュース > <IFA>パナソニック、冷暖房ソリューションなど欧州向けに強化。2025年までに規模5倍を目指す

メディア向け招待制イベントを開催

<IFA>パナソニック、冷暖房ソリューションなど欧州向けに強化。2025年までに規模5倍を目指す

公開日 2019/09/07 06:30 編集部:川田菜月
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
パナソニックは、独ベルリンにて開催されている「IFA 2019」の会場にて、9月5日に招待制イベントを開催。メディア向けに、欧州における今後の事業展開について発表した。

メディア向けに招待制イベントを開催、欧州事業の展開について発表された

パナソニックアプライアンスヨーロッパ社/マーケティングヨーロッパ(株)社長の松永陽介氏

パナソニックアプライアンスヨーロッパ社/マーケティングヨーロッパ(株)社長の松永陽介氏が登壇。イベントには主に欧州メディア各社と、日本からもおよそ10社のメディアが招待された。

同社は1918年に欧州事業をスタート。現在では本社機能をドイツに構え、ヨーロッパ35か国以上をカバーする7つの会社を各地に有している。製品カテゴリーはテレビ/デジタルイメージング/オーディオおよび映像/電話機器/キッチン用家電/美容家電/冷暖房ソリューションの7つで構成。FY18/19における同社の市場規模は約20億ユーロ。

FY18/19における同社の市場規模は約20億ユーロ

事業全体の20%拡大を目標としている

松永氏は今後の目標として「事業全体で、2025年に向けて20%増の成長を目指す」とし、特に冷暖房ソリューション/デジタルイメージング/キッチン用家電/美容家電の4つのカテゴリーについて注力していくと語った。

特に「Air To Water(ヒートポンプ式冷暖房システム)」を重要な柱とし、事業拡大を図っていく。欧州では環境に対する意識が高く、電気自動車の普及や水素ステーションの設置などが進んでいる。Air To Water機器についても、たとえばフランスでは政府から補助金が出るなど、一般ユーザーでも購入しやすい環境が整っているという。

「Air To Water(ヒートポンプ式冷暖房システム)」を欧州では強化する

フランスでは政府の補助金制度があり、一般的な家庭でも取り入れやすいという

そうした背景をふまえ、ほかにも燃料電池や換気システムといった、環境に配慮した技術の拡大を目指し、2025年までに規模を5倍とすることを目指していくという。

2025年までに規模を5倍とすることを目指すとした

また「10年先を見据えて長期的には、住宅用省エネ機器/システムを推進していく。今後訪れるであろう水素の時代に向け、遅れをとることなく、スムーズに技術を提供していきたい」とも宣言。2020年には、欧州で初となるスマートシティープロジェクトをベルリンで実施。スマートテレビやスピーカー、ヒートポンプシステム、ソーラーパネル、電力管理システムをキーデバイスとして構築するという。

松永氏は「日本との文化の違いを理解して、欧州向けにビジネスを最適化していく必要がある。また一つの分野に集中しすぎると業績に影響が出やすくなる。パナソニックはテレビなどAV機器への依存度が高く、これを適正にする意味でも、先に挙げた冷暖房システムなど、その他の事業拡大も図り、全体バランスをとっていきたい」と語った。

IFA 2019の同社ブースでは、11のエリア+オリンピック関連コーナーに分けて、様々な製品およびソリューションの展示を行っている。

ブースは11のエリア+オリンピック関連コーナーで構成される

メインエントランスの方向から、欧州強化事業として挙げた4カテゴリー、Energy Area(Air to Water)/Beauty & Personal Care/Kitchen Appliances/Digital Imagingと並ぶ。さらにその奥にはヘッドホンなどが展示されるHome AV、テレビ、そしてTechnicsブランドと続いている。

スケルトン仕様の冷暖房システムを展示、内部構造を見ることができる

キッチン家電なども数多く展示される

Air to Waterコーナーの向かい側には、Hydrogen fuel Cell(燃料電池)とFuture Living Berlin(欧州初スマートシティプロジェクトの概要)を展示。「Energy Area」として、環境に配慮した新エネルギーシステムをアピールする。

Hydrogen fuel Cell(燃料電池)

欧州初スマートシティプロジェクトの概要が紹介されている

欧州でも事業強化を図るとしたデジタルイメージング製品では、世界初の6K24p動画記録対応フルサイズミラーレス「LUMIX S1H」なども展示。また既報のとおり、55型業務用マスターモニター「MegaCon」や“透ける”有機ELディスプレイも展示され、映像を確かめることができた(関連ニュース)。

「LUMIX S1H」

軽さをアピールすべく、透明バッグにカメラ本体と機材を組み合わせて入れた場合の総量を表示


55型業務用マスターモニター「MegaCon」

“透ける”有機ELディスプレイ


ビューティー家電も強化事業の一つ

髭剃りコーナーでは洗面システムを設置、その実力を試すことができる

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

トピック