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HEOSにも対応

デノン、BTL構成でスピーカー駆動力を増したDDFA搭載プリメイン「PMA-150H」

公開日 2019/08/09 15:00 編集部:成藤 正宣
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デノンは、ミニマルデザインの筐体と同社のHi-Fiサウンドを両立した“デザインシリーズ” の新製品として、クアルコムのクラスDアンプ「DDFA」によるBTL構成、「HEOS」をはじめとするネットワークオーディオ機能、Amazon Alexaによる音声コントロールなどを搭載したプリメインアンプ「PMA-150H」を、9月下旬より発売する。価格は120,000円(税抜)。

「PMA-150H」

一般的なクラスDアンプの短所とされる歪の多さ、電源変動による音質劣化を、高速かつ極めて精度の高いデジタル・フィードバック・ループにより解消したクアルコム「DDFA」を採用するプリメインアンプ。本機のDDFAは、PWMモジュレーターとフィードバックプロセッサを1チップに集約した第2世代で、第1世代DDFAに比べて周辺回路や電源供給をシンプルにできる分、音質により注力して設計やオーディオグレード部品の選定を行ったとしている。

クアルコムのクラスDアンプ・DDFAを採用した“デザインシリーズ” プリメインとしては最上位のモデルとなる

また、本機はパワーアンプを計4基内蔵し、スピーカー1台につきパワーアンプ2基で駆動するBTL構成を採用。電力を増幅する出力段のゲートドライバーとMOSFET、ローパスフィルターは同社のノウハウを活かしたディスクリート回路としており、その結果、“デザインシリーズ” のDDFA搭載ネットワークレシーバー「DRA-100」(関連ニュース)と同等の定格出力70W+70W(4Ω)を維持しながら、ノイズを85%低減。スピーカー駆動力も向上している。

第2世代DDFAを採用したことで、音質を優先した回路設計や部品選定が可能に。上位モデルと同等の高品質部品も多数搭載した

なお、チューニングは同社サウンドマネージャー山内慎一氏が担当。昨日発表のフラグシップオーディオ「SX1 LIMITED」シリーズ(関連ニュース)、および本日発表の「600NE」シリーズと共通のフィロソフィーの下で開発されている。

DDFAに加え、BTL構成を採用することで駆動力向上/ノイズ削減を実現した

ヘッドホン専用アンプも引き続き搭載しており、出力はDDFA搭載プリメインの従来モデル「PMA-60」から約5.5倍に強化。電圧増幅段にはハイスピード/ローノイズの高速オペアンプ、出力バッファーにはディスクリートのトランスリニアバイアス回路を採用し、歪が少ない疑似A級動作により透明感の高いサウンドを実現。300〜600Ωのハイインピーダンスヘッドホンでも最適な音量が取れるよう、3段階のゲイン切り替え機能も設けている。なお、ヘッドホン出力のD/A変換には「PCM5122」を採用している。

電源には、低ノイズ/低損失/高効率の新開発ソフトスイッチング回路を搭載。音質に影響するノイズを低減すると同時に、最大出力電流を従来モデルから約86%向上しており、余裕のある電源供給能力を備える。アナログ/デジタル/電源/ネットワーク各基板は独立し、それぞれの干渉を防ぐ構造としている。

ヘッドホン専用アンプも性能向上

入力端子は、USB-B×1/同軸デジタル×1/光デジタル×2/RCA×2系統、出力端子はスピーカー×1系統/ヘッドホン×1/サブウーファープリアウト×1を搭載。USB接続ではPCM 384kHz/32bit、DSD 11.2MHzまでサポートし、内蔵のデジタルアイソレーターによりPCからのノイズを低減する。同軸/光デジタル入力ではPCM 192kHz/24bitまでサポートし、信号入力を検知すると自動的に電源オン、入力ソース切り替えを行うテレビ入力モードを搭載する。

新開発の電源回路により電源供給能力を向上。また、基板を分割することでそれぞれの干渉も防ぐ

超低位相雑音クロックを44.1kHz/48kHzの2系統搭載し、入力信号のサンプリングレートに合わせて切り替えることでジッターを排除する。PCとのUSB接続時にも、アシンクロナスモードで本機側のマスタークロックによる制御が可能。

同社独自のアナログ波形再現技術の最新バージョンである「Advanced AL32 Processing Plus」も搭載する。独自のデータ補完アルゴリズム、32bit拡張と合わせた最大16倍のアップサンプリング処理を駆使し、歪みのない繊細な描写、正確な音の定位、豊かな低域など、デジタル録音時に失われてしまった情報を原音に忠実に再現するとしている。

外見は、同じ“デザインシリーズ” 同士で統一感を持たせている

ネットワークオーディオ機能としてはBluetooth(SBCコーデック対応)、AirPlay 2に加え、独自のワイヤレスオーディオシステム「HEOS」に対応。対応製品とのマルチルーム再生の他、宅内ネットワークや前面USB端子に接続したUSBメモリーからの音源再生を可能としている。Amazon Prime music、Spotify、AWAなどストリーミングサービスにも対応した。

その他、Amazon Alexaによる音声コントロール、AM/ワイドFM対応チューナーによるラジオ聴取にも対応。Alexaの音声コントロールでは、Amazon EchoなどのAlexa対応デバイスを介して音楽再生/ボリューム/Amazon Musicの楽曲検索/インターネットラジオの選局といった操作を行うことができる。なお、音声コントロールを行うためには、Alexaスキル「HEOS Home Entertainment」の有効化が必要となる。

全高調波歪率は0.002%(デジタル入力、定格出力、-3dB、1kHz)、SN比は112dB(デジタル入力、定格出力、1kHz)。外形寸法は280W×104H×337Dmm、質量は5.6kg。

PMA-150H背面

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