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JVCは4Kビデオカメラを展示

<Inter BEE>ドコモは5Gでの「今までにないスポーツ観戦」をアピール/黒柳徹子を再現したアンドロイドとの会話も

2018/11/14 編集部:平山洸太
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Inter BEE 2018(2018年国際放送機器展)が、幕張メッセで11月14日から16日まで開催されている。主催はJEITA(一般社団法人 電子情報技術産業協会)で、入場は無料。本記事では、ドコモをはじめ、JVC、アスクなどのブースについてレポートを行う。

NTTドコモ

5Gデモ用のバス

ドコモでは、5Gの体験トラックを展開。車体の上部に5Gアンテナを搭載しており、内部では4Kの映像を表示するというもの。すでに全国各地を回っており、移動のしやすさを重視してトラック型になったという。「今回は基地局を持ってきていないためローカルの映像を再生しているが、映像のクオリティは同じで、過去のイベントでは5Gで再生したこともある」と担当者は話していた。

5Gデモ用バスの内部。短焦点プロジェクターが4台設置されている

内部はソニーの短焦点プロジェクターにより壁一面に映像が表示されており、映像を間近で体験できるようになっている。

現状では4Kの映像を表示させるために、5Gの電波を4ストリーム、速度にすると100Mbps以上で運用を行っているという。4Gだと30Mbpsくらいとのことなので、3倍以上のデータを扱うことができる。現在はまだ実験中で100Mbps程度の速度だが、最終的にはこの200倍近い20Gbpsの速度を目指しており、2年後のサービス開始時には今よりも速度が上がるとのこと。4Kだけではなく8Kの伝送も視野に入るという。

またドコモブースでは、フジテレビと共同開発を行っている「Diorama Stadium 2018」も展示。これはiPad ProなどにARで情報を表示させることで、スポーツ中継などのセカンドスクリーンとして活用できるというもの。これに5Gの特徴の1つである “低遅延” を生かし、例えばレースであれば順位などをほぼリアルタイムで表示するという。会場では、レースのほか、ゴルフに関しての表示デモもあった。

何もない空間にARで情報が表示される

ゴルフでの表示

この技術について担当者は、「今までにないスポーツ観戦ができる」とアピールしていた。ドコモは5Gの通信、フジテレビはコンテンツの制作というかたちで行っており、遠くないうちに製品としてリリースしたいとのことだった。

JVC

JVCは、全体を撮影側と編集側に分けた配置でブースを展開していた。

JVCブースでは撮影側と編集側に分けて展示

撮影機材としては、2019年1月発売予定の4Kメモリーカードカメラレコーダー「GY-HC550」が展示。1型のCMOSセンサーを搭載している。レンズは光学20倍のズームレンズで、同時に展示されていたSSDアダプター「KA-MC100」を使用することで、「Apple ProRes 422」の4K/60p記録に対応する。有線LAN・無線LANに対応し、双方向位のライブストリーミングも可能。また防水規格IPX2をサポートし、雨天の撮影にも対応する。

「KA-MC100」

「GY-HC550」

ほか、フルHD対応のメモリーカードカメラレコーダー「GY-HC900CH」も新製品として展示。こちらは2/3型3CMOSセンサーを搭載するカメラで、レンズは2/3型 B4レンズマウントに対応するレンズを装着できる。3.26型でOLEDのビューファインダーを装備しており、LCDモニターは3.5型。HDRとJ-Log1に対応し、4:2:2 10bitに対応したMPEG-4 AVC/H.264とMPEG-2の記録ができ、有線LANや無線LANに対応する。

「GY-HC900CH」

INTER BEE IGNITION

会場の一角には「INTER BEE IGNITION」というブースが設置され、『ポストデジタルネイティブ、変革する空間と身体』をテーマに複数の企業がブースを展開するほか、用意されたステージではゲストによる講演が行われる。

INTER BEE IGNITION

ステージでは講演が行われる

その中でエプソンは、「Emotional Mapping」をテーマに出展。同社のプロジェクターを多数使用した展示で、設置されたエアロバイクを漕ぐことで、心拍計により映像が変化するというもの。人間の「鼓動」をテーマに、動きを検知して空間が変化するという、今後の家電の進化の可能性を探ったものだと説明していた。

Pyramid of Progress

Virtual Planet

NHKエンタープライズでは、1964年の渋谷を体験できるブースを展開。実際の写真を元に3DCGで再現したもので、ヘッドマウントディスプレイ「HTC Vive」を使用して動き回れるとのことだ。

1964年の渋谷を再現

また、黒柳徹子氏を再現したアンドロイドロボット「totto」を展示。3Dカメラでスキャンして作られており、声はテレビ番組「徹子の部屋」の会話を利用することで、リアルタムで本人に似た合成音声を発することができるという。さらに音声認識も搭載し、会場では実際に会話ができるようになっていた。

実際に会話ができる

今までは裏で人が動かしていたそうだが、今回の展示では会場に用意されたPCと接続し、完全にプログラムで動作。自然な会話の応答速度を実現するため、スマートスピーカーのようにクラウドで処理を行うのではなく、完全にローカルで実行しているとのことだ。

4Kを中心に映像製品が多数出展

今回のInter BEEでは、新4K8K衛星放送の影響か、4Kやそれを扱う大容量データに関する製品が多数出展されていた。以下、各ブースを簡単に紹介していく。

Blackmagic Designは広いブースを構え、4K対応のスイッチャー(切替器)など4K対応機器も多く展示されたほか、4Kライブ配信の機材一式を同社の製品で構成した展示もあった。また外付けGPU「Blackmagic eGPU」を使用して、同社の編集ソフト「DaVinci Resolve 15」での編集が行えるエリアも展開。外付けGPUとの接続で、重い編集でも満足な作業が行えることがアピールされていた。

Blackmagic Designのブース

多数の放送関連商品が展示


外付けGPUを使用してのデモ

4Kライブ配信用セット。カメラからレコーダー、スイッチャーまで同社の製品で揃う
ローランドのブースでは、今回のInter BEEで発表された世界最小・最軽量を謳うフルHD対応スイッチャー「V-02HD」を展示。そのほか、ビデオプロセッサー「VP-42H」、マトリックス・スイッチャー「X-5-42H」といった新製品が展示された。

「V-02HD」


「VP-42H」

「XS-42H」
アスクでは、グリーンバックにリアルタイムで背景を合成するブースを展開。そのほか、同社の扱う4K対応ライブ映像制作システム「TriCaster TC1 Version6」などが展示されていた。担当者によると、「WEBを中心とした映像配信機器などの4Kの普及は、帯域の問題もあるのでまだこれから」とのことだった。

グリーンバックにリアルタイムで合成

「TriCaster TC1 Version6」

Insta360のブースでは、今年発売された「Insta360 Pro2」と「Insta360 ONE X」を中心に展示。犬の頭に装着した使い方などもあわせてアピールされていた。

Insta360 Pro2

Insta360 ONE Xのデモ


犬の頭にもカメラを設置できる
モリサワは、「4K・8K放送向け書体」をアピール。すでに4Kテレビの多くに採用されており、番組表や字幕放送で使用されるという。また歌詞が表示できるスピーカー「Lyric Speaker Canvas」に同社のフォントが採用されており、歌詞の雰囲気にあわせてフォントの見せ方が変わると説明していた。

4K・8K放送向け書体

「Lyric Speaker Canvas」

EIZOのブースでは、同社の発売するモニターによるHDR効果の比較デモを実施し、HDRの表現力をアピール。そのほか最大輝度300カンデラ/1,000カンデラでの比較や、発売されたばかりのモニターColorEdge「CG319X」も展示された。

ColorEdge「CG319X」

SDRとHDRの比較

TBSでは、iPhoneを多数並べ、まるで1つの画面のように表示させていた。そのほか、映像を自動的に文章化するシステムや、タブレットを使用して業務用ミキサーをコントロールするシステムなどの展示が行われている。

iPhoneを多数使用したデモ

右のiPadで拾いたい音の場所をタップすると、左のミキサーのつまみが自動で動く

エレコムは、テレビのアンテナ配線を利用したインターネット環境の構築について展示。そのほか、グループ会社のDXアンテナによる8K放送用の放送用光加入者端末装置やCATVブースターなどが展示された。

テレビのアンテナ線を用いたインターネット環境

CATVブースターなどを展示

ATOMOSでは、同社の製品「NINJA」に関連して、忍者に扮して演技を実施、同社の製品でその映像を確認できるようになっていた。また、新製品の4K対応モニター搭載ポータブルレコーダー「NINJA V」も展示された。

NINJA V

忍者の演技

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