HOME > ニュース > ソニー、'17年度は大幅な増収増益。純利益4,908億円、中期経営計画の目標超え達成

4,900億円超の純利益を計上

ソニー、'17年度は大幅な増収増益。純利益4,908億円、中期経営計画の目標超え達成

公開日 2018/04/27 16:47 編集部:小野佳希
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
ソニーは、2017年度連結業績を発表。売上高で前年度比9,407億円(12%)増の8兆5,440億円、純損益で前年度比4,175億円増の4,908億円の純利益と大幅な増収増益となり、第二次中期経営計画で掲げた営業利益5,000億円以上、ROE10%という目標数値を超えることに成功した。


中期経営計画で掲げた目標数値超えを達成

テレビなどを含むホームエンタテインメント&サウンド(HE&S)分野は、売上高が前年度比1,837億円(18%)増となる1兆2,227億円で、営業利益は前年度比273億円増の858億円。主に4K BRAVIA OLED をはじめとするテレビの高付加価値モデルへのシフトによる製品ミックスの改善、さらに為替の影響によるものだという。なお、当年度の為替の好影響は228億円。

業績概要

ゲーム&ネットワークサービス分野は、売上高が前年度比2,940億円(18%)増の1兆9,438億円で、営業利益が前年度比419億円増の1,775億円。これは主にPS4ソフトウェアの増収、為替の影響、および有料会員サービス「プレイステーション プラス」の加入者数の増加が要因だ。

分野別の業績

会見では次世代機についての質問も出たが「非常に戦略性の高い話なのでコメントできない」と回答。「PS4がどれくらいの商品サイクルにあるのかも明示的に言うのは難しいが、商品としての収穫期であり、この時期が長くなるよう努力していく」とした。

デジタルカメラ等のイメージング・プロダクツ&ソリューション分野は、売上高が前年度比763億円(13%)増の6,559億円、営業利益が前年度比277億円増の749億円と大幅な増収増益を達成。前年度には熊本地震の影響があったこと、為替の影響及び静止画・動画カメラにおける高付加価値モデルへのシフトによる製品ミックスの改善が要因だという。

モバイル・コミュニケーション(MC)分野は、スマートフォンの販売台数減によって、売上高が前年度比354億円(5%)減少し、7,237億円。営業損益は、前年度の102億円の利益に対して276億円の損失となった。

なおスマートフォン事業については、2018年1月以降のスマートフォンの販売状況や事業環境の変化等を受け、将来の収益見通しを下方修正。この修正により、将来キャッシュ・フローが減少する見通しとなったことから、2017年度第4四半期において、同分野の固定資産の減損損失313億円を営業損失として計上した。また今回策定した同分野の収益見通しにおいては、スマートフォン事業の市場や事業環境がソニーにとってさらに厳しくなったことを踏まえ、これらの環境に即した施策の変更を行っているという。

会見に登壇した十時CFOは、5G通信の重要性にも言及。「5G通信は、すべての携帯電子機器をネットやクラウドにつなぐ可能性を秘めたポテンシャルの高い技術。これを使いこなすには高い技術力を社内に持つ必要がある」とし、「積極的に取り組み、グループ全体で活用できるコンピタンスへと育てていく」と語った。

ソニー 十時(ととき)CFO

またHE&S分野やIP&S分野、MC分野の製品を「ブランデッド・ハードウェア」と位置づけて展開していると説明。各分野で収益改善を続けるとともに、今後は分野を横断して安定的に収益を生み出す構造にしていく必要があるという考えを示した。

音楽分野は、モバイル機器向けゲームアプリケーション「Fate/Grand Order」が引き続き好調だったことなどにより、売上高が前年度比1,523億円(24%)増の8,000億円と大幅増収。音楽制作も、ストリーミング配信の売上が引き続き増加したことにより、増収となった。

営業利益は、増収の影響や不動産の譲渡益により前年度比520億円増加し、1,278億円。「本分野では、今後、音楽配信をさらに利益成長につなげることが必要。モバイルアプリも引き続き積極的に取り組んでいく」とした。

半導体分野は、売上高が前年度比769億円(10%)増の8,500億円で、営業損益が前年度の78億円の損失に対し、当年度は1,640億円の利益となった事業規模を縮小したカメラモジュール事業の大幅な減収があったものの、モバイル機器向けイメージセンサーの販売数量が大幅に増加したこと、および前年度には熊本地震の影響によるイメージセンサーの生産の減少があったことなどによって増収したこと、カメラモジュール事業の製造子会社の譲渡益、熊本地震にかかる受取保険金67億円などにより、大幅に損益が改善した。

なお、4月からスタートしている2018年度については、売上高、純利益ともに上記2017年に比べて減少を見込んでいる。売上高は、主に為替の影響及びモバイルコミュニケーション分野の減収見込むことが主な要因で、純利益の減少は営業利益の減少、および2017年度に計上した米国の税制改正の影響による税務ベネフィットを2018年度には見込んでいないことなどがその要因だとしている。

2018年度の見通し

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

関連リンク