HOME > ニュース > 「ひかりTV」10周年。「スマホ向けコンテンツやAR/VRへ軸足、コンテンツ戦略会社に生まれ変わる」

コラボレーションの重要性についても紹介

「ひかりTV」10周年。「スマホ向けコンテンツやAR/VRへ軸足、コンテンツ戦略会社に生まれ変わる」

公開日 2018/04/23 18:23 編集部:風間雄介
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
NTTぷららは本日、ひかりTV 10周年を記念したイベントを開催した。

冒頭、NTTぷらら 代表取締役社長の坂東浩二氏があいさつ。坂東氏はひかりカエサルとともに登壇し、「Reborn & Evolution 生まれ変わって進化する」という、同社の新たなスローガンを発表した。

NTTぷらら 代表取締役社長の坂東浩二氏

ひかりカエサルと一緒にプレゼンした

坂東氏は、NTTぷららが設立された当初のいきさつから説明を開始。「当時のNTTは電話の修理事業がどんどん減って、新ビジネスを立ち上げなければと言うことで、10社が生まれた。その中の一つがNTTぷららだ」とし、「最初はEコマースからはじめたが、上手くいかない。何をやって良いかわからなかった。『泥棒以外は何でもやっていいだろう』ということで、新サービスを立ち上げた」。

「1998年にはプロバイダー事業を立ち上げ、10年で300万契約まで行ったが、だんだん伸びが鈍ってくる。そこで2008年に始めたのがひかりTVだ」と振り返った。

坂東氏によると、現在ひかりTVの会員数の伸びはスローダウンしてきているのだという。だが、坂東氏はこう続ける。「一方で、NetflixのようなOTTサービスが登場してきている。今後、明らかに伸びるのは、こういったスマホのコンテンツ市場。これが拡大するのは明らか。そして、AR/VR/MRの領域も伸びるだろう」。

こういった背景から、NTTぷららは今後「スマホ向けコンテンツ市場の開拓」「AR/VR/MR」の2つに軸足を移す。「つまり、我々はコンテンツビジネス戦略会社へ生まれ変わる」と坂東氏は力強く宣言した。

これからの「ひかりTV」のイメージ

「これは我々にとって大きな決断だ」と述べる一方、この変化はNTTぷらら一社だけでは成し遂げられないことも指摘。「パートナー様とともに、エキサイティングなコンテンツを一緒に作っていきたい」と述べた。

坂東氏は続いて、ひかりTVのこれまでとこれからについて説明。ひかりTVは設立当初から、「100万会員」「VOD市場の確立」「映像以外のマルチサービスの提供」を目標として掲げ、それを一つ一つクリアしていったことを紹介した。

今後力を入れていくのは、スマートTVプラットフォームの活用だ。坂東氏は「スマートTVプラットフォームはもうすでに作った。このプラットフォームに新たなコンテンツを乗せていきたい」と説明した。

さらに強調されたのは、このプラットフォームに向けて、コンテンツやアプリを制作することだ。具体的には「スマホ向けコンテンツ・アプリの制作」「新体感映像コンテンツ制作」「新技術・新サービスの導入」の3点をポイントとして挙げた。

「スマホ向けコンテンツ・アプリの制作」については、関西の民放テレビ局のコンテンツを1つのアプリで見られる「大阪チャンネル」アプリを紹介。「これはけっこう画期的だと思っている。ほかにも『北海道チャンネル』『名古屋チャンネル』なども考えられる」とした。

またアプリでは「タテアニメ」も紹介。スマホのタテ画面で見られるアニメコンテンツを、アプリから提供していくと説明した。

そのほか、すでに発表しているNTTドコモとの協業もあらためて紹介。dTVチャンネルの提供や、今春の提供開始を予定している「ひかりTV for docomo」にも力を入れていく。

独自開発する「新体感映像コンテンツ制作」については、FC今治と提携する「スマートスタジアム」や「自由視点映像」、「フォトグラム」、そして「ドローンによる4K映像中継」などの事例を紹介。これらをさらに進化させていく。

スマートスタジアムなど、これまでにない映像体験も追求する

さらに「新技術・新サービスの導入」については、12月にスタートする「新4K・8K放送(BS)への対応」、バーチャルフィギュア「ひかりTV VF」の2つの例を紹介。

最後に板東氏は、これらの独自コンテンツ・アプリの強化においても、様々な事業者とのアライアンスが欠かせない、と述べ、協力関係の強化をお願いしたいと訴えた。

ダンスパフォーマンスなども行われた

ひかりTVイベントではその後、透明な板に投映された東京スカパラダイスオーケストラの映像に合わせたダンサーのパフォーマンスが行われたり、NTTぷららがスポンサードしている選手によるトークショーも開催。平昌冬季パラリンピック スノーボード男子金メダリストの成田緑夢さん、FC今治オーナーの岡田武史さん、さらにウインドサーフィン オリンピック特別強化選手の新嶋莉奈さんが登壇した。

成田緑夢選手と岡田武史さんとのトークショー。成田選手は平昌パラリンピックで獲得したメダルをかけての登場となった

新嶋莉奈さん

その後、ステージ上にはゲストも登壇。プロボクサーの井上尚弥さんとAKB48の柏木由紀さんも登場した。

井上尚弥選手

また、会場では本日発表した『EYE WANT MORE』(関連ニュース)を始めとする各種技術やコンテンツも展示。AR、VR、MRといった新技術に対して同社が積極的な展開を行っていることを改めて紹介していた。

ステージ上の半透明の板に東京スカパラダイスオーケストラのメンバーが登場

ARの活用では「布袋寅泰 新体感ライブ」(関連ニュース)もデモ。ARマーカーにスマートフォンをかざすとアーティストがスマホの中に現れる「ひかりTV-VF(バーチャルフィギュア)」の活用例として、布袋寅泰のほかにもスキマスイッチ、エドガー・サリヴァンといった事例も紹介していた。「バーチャルフィギュアは非常に好調でいろいろな企業様から本当にたくさんのご提案をいただいている」(板東氏)という。

複数のARマーカーを組み合わせてバンドやアイドルユニットを登場させることも可能

今後はAKB48のバーチャルフィギュア化も準備中だとのこと。会場には柏木由紀さんも駆けつけ、「きっと素敵なコンテンツになるのでぜひ期待してください」などとあいさつした。

そのほか、V字型にミラーを配置した専用の箱にスマートフォンを乗せることで“くっきりはっきりした”ホログラム映像を視聴できるというデバイス「Kirari! For Mobile」のデモも展開。360度映像を利用した自由視点映像を楽しむ提案なども行っていた。

本システム用に制作した2画面コンテンツをスマホ側で再生し、その映像をV字配置したミラーで反射させることでホログラム映像として表示

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

関連リンク

トピック