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大日本印刷と共同開発

LG、国内初かつ最大級の有機EL曲面サイネージをJR博多駅に設置

2017/11/27 編集部:成藤正宣
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LGエレクトロニクス・ジャパンは、大日本印刷と共同で開発した曲面型有機EL(OLED)サイネージが、2018年4月2日よりJR九州博多駅に導入されると発表した。

大日本印刷DNP五反田ビルに設置されている、今回導入が決まったサイネージと同種の曲面OLEDデジタルサイネージ

今回導入されるOLEDサイネージは大日本印刷とLGグループの技術を集めて開発されたもので、列車/駅構内の広告媒体を手がけるJR九州エージェンシーが導入。55型の有機ELパネルを縦6面、横6面、計36枚使用。縦4m、横7mに及び、単純なOLEDサイネージとしても曲面型サイネージとしても日本初にして最大級。同様の曲面OLEDサイネージは、国外では韓国仁川国際空港や、アラブ首長国連邦のドバイ・モール水族館などで採用されている。

韓国やドバイなど、国外ではさらに巨大なOLEDサイネージの採用例も見られる

設置場所は博多駅に設けられた展示スペース。4Kコンテンツの表示に対応する他、顔認識カメラを搭載。サイネージを見る来場者の男女比、年代、滞在時間の情報を収集し、広告効果の測定に使われるという。なお、個人情報保護の観点から顔画像は保存しないとのこと。

巨大サイネージは、従来巨大バナーが掲示されていたスペース(右)に設置される

また巨大OLEDサイネージの設置にともない、博多駅コンコースに設置されていたデジタルサイネージも増強。60型フルHDサイネージ52面から、70型4Kサイネージが64面となる。設置に関わる費用は、同時に行われる駅の改修工事などすべてふくめて1億円前後になるとのこと。

OLEDサイネージが採用された理由として、OLEDの特徴である精細な画像と高いコントラスト比、引き締まった黒色により、動きのある広告を表示する際に視聴者へあたえるインパクトが強いこと、またLEDサイネージに比べ間近で見ても光源が眩し過ぎず、屋内向けの特性であることがあげられた。

画質のほか、LEDに比べ眩しすぎない点も採用の決め手だとした

発表会には、サイネージを導入するJR九州エージェンシー代表取締役社長の小濱和彦氏、大日本印刷情報執行役員 イノベーション事業部事業部長の浅羽信行氏、LGエレクトロニクス・ジャパン代表取締役社長の李仁奎氏が登壇。LGの李氏は「日本の玄関口とも言うべき博多に、日本初となる最先端ディスプレイを設置することができ光栄に思う。これをきっかけに日本全国のパブリックな場所に、OLEDのデザイン性を活かして広まっていってほしい」と述べた。

LGエレクトロニクス・ジャパン 李仁奎氏

JR九州エージェンシーの小濱氏は、「今から1年ほど前、OLEDサイネージのデモ機を見て、美しい色彩と迫力ある映像に驚嘆し、交通媒体として使いたいと思っていた。来年3月には九州新幹線やJR博多シティが開業から7年目を迎えるが、それに合わせてサイネージを稼働できるのも何かの縁と思う」と挨拶した。

JR九州エージェンシー 小濱和彦氏

JR博多駅に設置される理由としては、博多駅のある福岡市が全国の政令市の中で人口増加数・増加率が最も多く、観光客の利用も非常に高いことがあげられた。また小濱氏は「ここ数年、九州は地震や豪雨などに悩まされてきたが、最先端ディスプレーが日本で初めて導入されるというニュースが少しでも明るい話題を提供できればと思い、また博多駅の活性化によって、周辺にも賑わいが伝わってほしい」とも語った。

大日本印刷の浅羽氏は「大日本印刷はお客様の持つ情報を加工して配信する”情報加工業”をなりわいとし、JR九州エージェンシーとは鉄道事業・環境事業の発展でお手伝いをしてきた。今の日本はまだまだサイネージの持つ可能性を出し切れていないと感じてきたが、今回のサイネージ設置を契機に魅力を広く周知できればと思う」と述べた。

大日本印刷 浅羽信行氏

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