レコメンドなども強化

Hulu、5/17に大規模リニューアル。スマホでもリアルタイム配信視聴、1080p対応も

編集部:風間雄介
2017年04月20日
動画配信サービス「Hulu」は、2017年5月17日に動画配信システムを全面リニューアルする。本日、記者向けの機能説明会が開催された。

モバイル機器でもリアルタイム配信が視聴可能になる

同社はもともと、機能強化のリニューアルを今年2月に実施すると発表。その後、リニューアルを5月以降に延期することをアナウンスしていた。今回、その実施日が正式に発表された格好だ。なお延期していた原因は、主にテレビ向けアプリの開発の遅れだという。

リアルタイム配信をモバイルデバイスでも視聴可能に

今回の全面リニューアルでは、今までPCのみでしか見ることができなかった音楽やスポーツ、FOXチャンネルなどのリアルタイム配信をスマートフォンやタブレットにも対応させる。UIについてもモバイル対応を強化し、各デバイスごとに最適化されたインターフェースを採用する。

iPadでリアルタイムコンテンツを視聴した際の画面イメージ

なおリアルタイム配信については、テレビでは視聴できない。これはテレビ向けアプリの数が非常に多く、開発の対応が追いついていないからとのこと。今後の開発ロードマップには入っているということなので、将来的にテレビ向けアプリでもリアルタイムコンテンツの視聴が可能になる可能性はある。

テレビ向けアプリのインターフェースも変更

よりくわしいコンテンツ絞り込みが可能に。モバイル向けアプリも刷新

今回の全面リニューアルではUIを大幅刷新するが、中でも注目なのは、日本市場にあわせた絞り込み機能(レコメンド機能)の強化だ。

具体的には、ドリルダウンの絞り込み機能を新たに搭載する。たとえば、まず「海外映画」というジャンルを選ぶと、そこから年代や国を選択し、より細かな絞り込みが行える。「様々な視点で絞り込みながら作品を探せる。人間の思考の揺らぎに対応する」(Huluの太田正仁氏)。

Huluの太田正仁氏

様々な気分にあわせてコンテンツを探せるようにする

コンテンツを探す際の、もう一つの新機能は「特集」だ。雑誌の特集のように作品を紹介し、出会いを演出する。太田氏によると、Huluには映像コンテンツに詳しく、愛情をもったスタッフが多いとのことで、「それを使わない手はない」と考えたという。システムも、特集などを容易に組めるように実装したという。

写真は「カンヌ映画祭受賞作特集」。コメントはスタッフの手書きだという

画質も高める。これまでHuluは最高で720pでの配信を行っていたが、これを1080pに引き上げる。コーデックはMPEG4。ビットレートは非公表だが、テレビ向け、PC向けブラウザ、モバイル機器向けそれぞれに異なるという。なお音声の仕様も非公表。

またモバイル向けアプリには、手動で画質を変更できる機能も用意する。選択できるモードは「推奨」「最高」「高」「中」「低」の5段階。それぞれのモードを選ぶと、そのモードで1時間あたりに使用するデータ通信量も表示されるので、それをもとに選ぶこともできる。

モバイルアプリでは画質の手動設定が可能になる

なお、他社サービスでは4KやHDRへの対応を強化しているものもあるが、太田氏は「もちろん検討はしたが、現時点では『そこまでニーズはないよね』という結論になった。やろうと思えばそんなに難しくないが、わかりやすくワンプライスにしたいということもあり、機能面も『編集』した」と説明する。そのうえで「今後ニーズが高まればすぐに対応できる」と強調した。

マルチプロフィール機能も追加。キッズモードも

使い勝手の面では、家族それぞれが自分のアカウントを持てるマルチプロフィール機能も追加。プロフィールは6つまで設定できる。

マルチプロフィール機能も追加。パスワードロックもかけられる

キッズ対応も強化し、大人のアカウントにはパスワードを設定したり、キッズモードからかんたんに出られないようにするなど、年齢制限コンテンツが誤って再生されることがないようにするという。

キッズモードも強化。容易に大人向けコンテンツが見られないようにする

モバイルアプリでは、iOSアプリを大幅刷新する。これまでHuluのアプリは、米国版をそのまま使っていたこともあり、iOS版とAndroid版でユーザーインターフェースや機能が異なっていたが、これをより新しいAndroid版に合わせる。

リニューアル後のiOSアプリ。Androidと同じフル機能が提供される

安全性も強化し、サービスすべての経由でSSLを採用する。なおリニューアル後にHuluの視聴対応を終了するデバイスが存在するが、これはコンテンツ保護の観点からのものという。

発表会ではコンテンツのダウンロード機能に関する質問も出たが、「当然考えてはいるが、今のところ実装は見送っている。他社もすべてのコンテンツをダウンロードできるわけではない」と語るにとどめた。

米国製システムから独自仕様へ。コンテンツ保護も強化

本日記者向けに開催された機能強化に関する説明会では、Huluの太田正仁氏が新機能を紹介した。

そもそもシステムを全面刷新しようと考えたきっかけについて太田氏は、これまで使っていたシステムが米国のもので、日本で何か機能を増強しようと思ってもできないというジレンマがあったからと説明する。

リニューアルの背景には、自由度を高めたいという欲求があった

また太田氏によると、最近、特にこの1〜2年はスタジオ側のコンテンツ保護への要求が高く、「スペックを満たさないと配信させてもらえないような状況」だったとのこと。この要求水準をクリアする必要も背景としてあった。

今回のリニューアルでは、上記のようなユーザーにとって利便性の高い新サービスが提供されるが、「実はそういったフロントエンドだけでなく、それを動かすバックヤードもすべて新しくなっている」(太田氏)という。言い換えれば今後も様々な機能追加を行える仕組みになっているということだ。

太田氏は「リニューアルしたからここでおしまい、ということでは全くない。サービスが存在する限りずっと進化し続ける。今回のリニューアルも、変えてからユーザーニーズを調査し、それをもとに改善してまた検証ということを続けていく」と説明した。

「専門店は目指していない、百貨店を目指している」

説明会では、Huluを展開するHJホールディングス(株)の於保 浩之社長もあいさつした。

HJホールディングス(株)の於保 浩之社長

於保氏は、昨年末に151.2万人の有料会員がいて、右肩上がりで成長しているとアピール。4Qも順調に会員数が増えているとのことだが、3月末時点での会員数は日本テレビの決算発表時に公開されるという。

昨年末時点での有料会員数は151.2万人

また於保氏は、デバイス別の視聴割合についても言及。2011年のサービス開始時はPCが多かったが、現在ではモバイルデバイスの割合が最も多いという。このデバイスの変遷も、今回のリニューアルの背景にあったと説明した。

リアルタイム配信については、現在巨人戦、BBCワールドニュース、FOXチャンネル、ナショナルジオグラフィックを配信しているが、これをさらに強化するという。具体的な名称や内容は本日時点で明らかにされなかったが、ニュースを2チャンネル増やすほか、音楽チャンネルも近々配信を開始することがアナウンスされた。

今後3つのリアルタイム配信コンテンツを提供予定という

於保氏はほかにも、先日大きな話題を集めたマーベル作品のSVOD独占配信や「イン・トリートメント」「アニマルズ」といった今後配信開始予定の作品群を紹介し、「我々はいろいろなお客様のニーズに合うサービスを行っていく。たとえばDAZNさんのような専門店は目指していない。様々な商品が揃う百貨店を目指している」とHuluの立ち位置を説明した。

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