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10月1日より開始

スカパー!オンデマンドの新アプリを体験。従来型VODから“リニア視聴”へシフト

公開日 2016/09/29 17:25 編集部:小澤貴信
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スカパーJSATは、スカパー!オンデマンドの新アプリを10月1日にリリースするのに先だって、本日29日にプレス向けのアプリ体験会を開催。アプリの詳細やデモに加えて、リニューアルされるスカパー!オンデマンドの詳細が紹介された。

新しい「スカパー!オンデマンド」アプリ

リニューアルに合わせてロゴも刷新

スマートフォン/タブレット向けにリリースされるこの新アプリは、今年8月にその概要がアナウンスされていた(関連ニュース)。今回の体験会では、実際にiPadにインストールしたアプリのタッチ&トライも行われた。

スカパーJSAT(株) 取締役執行役員専務 有料チャンネル事業部門長 兼 放送事業本部長 小牧次郎氏

10月1日にリニューアルされるスカパー!オンデマンドは、2つのコンセプトを掲げる。ひとつは「インターネット上にスカパー!を出現させる」、もうひとつは「レコメンドを超えるパーソナライズを実現する」だ。

最初の軸である「インターネット上にスカパー!を出現させる」とは、アプリを通じて「リニア(リアルタイム)」かつ「チャンネル」というかたちで、従来の放送のように番組を提供していくことだという。

いわゆるVODのように「個別の番組を選んで好きな時間を見る」という形態にとどまらず、テレビ放送のようにチャンネルごとの番組を時間軸にそってリニアに配信して、ユーザーはそれをテレビを見るようにザッピングしながら視聴できる。こうしたかたちを目指すという。

リニア配信チャンネル数の推移。2016年に一挙増加する

リニア配信チャンネル一覧

これに伴って、これまでも用意していたリニア配信チャンネルの数は、2015年の11チャンネルから、2016年8月には38チャンネル、2016年10月には50チャンネルに増加。今後もさらにリニア配信チャンネルを増やしていく。

もうひとつの軸である「レコメンドを超えたパーソナライズの実現」。従来のVODにおけるレコメンドは、「見た番組」の“結果”を元にレコメンドエンジンで「見たいかもしれな番組」を紹介する。対してスカパー!オンデマンドは、「見たいチャンネル」というユーザーの“意思”をパーソナライズインターフェースに反映していくことで、本当に「見たいチャンネル」を紹介していくとしている。

従来型のレコメンドとスカパー!の掲げるパーソナライズの比較

この点のベースになるのはスカパー!が提供する豊富な放送局だ。ユーザーの意思が最も反映されている「契約しているチャンネル」にインターフェースを最適化させて、見たい番組に直感的にたどり着けるようにすることを狙っている。

なお、スカパー!の有料放送に加入していなくても、ユーザー登録を行えば、無料番組を視聴することが可能だ。

スカパー!オンデマンドの配信画質については、解像度、ビットレート共に非公開とのこと。また、画質は回線状況に応じて変化するという。

リアルタイム視聴とVOD視聴を融合させた新アプリ

このような視聴スタイルに根ざした番組提供を実現するのが、今回新たに登場する「スカパー!オンデマンド」アプリだ。

新アプリは上記の3要素を軸としている

従来のスカパー!オンデマンドでは、「欧州サッカーオンデマンド」「Jリーグオンデマンド」「J SPORTS」などチャンネルごとにアプリを用意していた。これが今回のリニューアルにより、全てのチャンネルを「スカパー!オンデマンド」アプリから視聴するかたちになる。

「スカパー!オンデマンド」アプリは、アイコンをタップするとすぐに視聴が開始される。表示されるのでアプリを閉じる前に開いていたチャンネルで、画面を左右にスワイプすればザッピングができる。このあたりは、従来のテレビによる放送視聴と同様の「直感的」で「かんたんな」操作を狙っている。

テレビ視聴のような直感的かつ簡単な操作を追求

その一方で、アプリだからこそ可能な「見たい番組を探す」ことのサポート、前述の「パーソナライズ」の部分にも力を入れている。

番組視聴中に画面右上に表示される「Myパレットアイコン」をタップすると、「Myパレット」が表示。契約している番組に合わせて、現在視聴できる番組がアイコンで表示される。

Myパレットを表示したところ

また、リアルタイム視聴とVOD視聴の融合を掲げており、視聴中の番組の下には、そのチャンネルのその日の番組表が横方向の時間軸でサムネイル表示される。左右にスワイプすれば、見逃した過去番組を視聴することや、今後の番組内容を確認することも可能だ。さらに画面を下にスクロールすると、見逃し配信やVOD視聴履歴、オススメ番組なども表示される。

視聴番組の下にはタイムライン表示の番組表を表示できる

画面をさらにスクロールすると、オススメ番組や見逃し配信も掲出

もうひとつのポイントが「番組表」だ。番組表は前後7日を含めた合計15日分が表示され、過去番組をここから視聴することもできる。表示されるチャンネルを、契約しているチャンネルのみにパーソナライズして表示することもできる。

前後7日を含む15日間を表示する番組表。視聴中番組はワイプで表示

また「チャンネル一覧」からチャンネルを選曲することもできる。

チャンネル一覧の画面

番組ごとに購入を行うVODのみで番組を配信するチャンネル(リニア配信を行っていないチャンネル)の視聴も本アプリから可能だが、番組の購入を行うことはできない。単体の番組購入はウェブブラウザの視聴ページから行える。また、新たなチャンネルの契約もアプリからは行えず、こちらもブラウザから行える。「現時点で、アプリはあくまでプレーヤーに徹しているため」とのことだった、アプリの完成度が高いだけに、番組購入やチャンネル追加もアプリから完結できたらさらに便利になると感じた。

なお、アプリについては、スマートフォン、タブレットに対応。会場ではiPadでデモが行われていた。テレビ用のアプリについては「鋭意進めている」とのことだった。

“スカパー!のインターネット配信はリニアである!”と決断

体験会の冒頭では、スカパーJSATの小牧次郎氏が今回のリニューアルと新アプリを投入する背景について説明を行った。

スカパー!オンデマンドの登録者数は、2012年が約12万5千人だったのに対して、2016年は約103万7千人と大幅に上昇。また登録者におけるスカパー!の放送契約有無の比率は、放送契約ありが43%、なしが57%だという。また、アプリはこれまで累計で1,114,208ダウンロードがあった。

スカパー!オンデマンドの登録者推移

登録者の43%がスカパー!有料放送の加入者だ

しかし、小牧氏はこれまでのスカパー!オンデマンドの展開を「試行錯誤だった」と表現。ここに至るまでの動きは、優れた専門チャンネルを多数持っているスカパー!がOTT(Over-The-Top)であるべき姿の模索だったと述べた。

「これまでは様々な方法を模索してきましたが、“スカパー!のOTTはリニアである”と決断したのです。スカパーが本気になってリニアに挑戦していく。本命現る、だと思っていただきたいです」(小牧氏)。

この決断においては、若者はもうテレビを見ない、若者はVODという風潮がある中で、AbemaTVなどリニア配信のインターネットテレビが若いユーザーを獲得していることも判断材料になったという。

有料放送の契約者と、オンデマンドのみの契約者の両方のニーズに応える

国武慎也氏はサービスの詳細について紹介。「放送を契約している方がインターネット経由でいつでもどこでもみられる」というニーズと、「放送の契約がなくても、インターネットのみの契約でスカパー!の番組が視聴できる」というニーズの2つを両輪として展開していくとした。

スカパーJSAT 有料チャンネル事業本部 カスタマー事業本部 IP事業部長 国武慎也氏

スカパー!は各時代のニーズに合わせて、伝送経路を開拓してきたと紹介

また、スカパー!オンデマンドのコンテンツも魅力についても改めて紹介。10月移行の目玉番組として、欧州サッカーオンデマンドの「UEFAチャンピオンズリーグ 16/17」フジテレビNEXTsmartの「2016 F1グランプリ」、日テレジータスオンデマンドの「2016 MotoGP」、GAORAの「ATPテニス ワールドツアー」、CNN/USの米大統領候補討論会を挙げていた。

スカパー!オンデマンドが新アプリと共に体験できる「スカパー!オンデマンド体験ビル」についても改めて紹介。東京都・南青山にて10月10日(月)まで開催されている(関連ニュース)。入場は無料。

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