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権利処理の課題なども

テレビ番組のネット同時配信、通勤時間帯のモバイル利用が目立つ − NHKが検証実験レポート発表

2016/02/05 編集部:小野佳希
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NHKは、2015年10月に行った、テレビ番組のインターネット同時配信検証実験に関するレポートを発表。平日の朝7時台、8時台にモバイル端末の利用が目立ったことなど、利用状況や実績を明らかにし、2016年度も実験を継続することを発表した。

本実験は、2015年10月19日から11月15日にかけて実施(関連ニュース)。NHKのインターネット会員システムである「ネットクラブ」経由で8,941人、調査会社を通じて募集した「一般視聴者」957人の合計9,898人が参加した。

一般視聴者のうち8.9%、ネットクラブ参加者のうち66.4%が同時配信を利用。平日の朝7時台、8時台にモバイル端末の利用が目立ち、「朝の通勤時間帯の移動中に視聴されたのではないか」とNHKは分析している。

ネットクラブ参加者の50代以下では、モバイル端末による視聴がパソコンによる視聴を上回った。モバイル端末をよく利用していたり、日中、外出が多い年代の視聴者が移動中に利用したのではないかとNHKではみている。

そして、ネットクラブ参加者のアンケートでは、57.4%が満足、94%が今後も利用したい意向を示したという。

テレビと同時配信できた時間は、合計345時間57分。配信対象の時間の78%だった。なおニュースは94%、その他の番組は71%を配信した。同時配信を行えなかった番組は、主に権利処理がクリアできなかったことが理由。契約上でインターネット配信権のないものがあったほか、制作から長い年数が経過しているために、権利者への確認が行えなかったものがあった。

ネット同時配信サービスに今後期待すること(複数回答)としては、「NHK総合以外のNHKの番組も見られるようにすること」がトップで、「見ることができない番組をなくすこと」が2位。「すでに放送された番組を見られること」を期待する声も多かった。

NHKでは、2016年度も同時配信の検証実験を継続するとコメント。今回明らかになった権利確保等、様々な課題についても引き続き検討を進めるとしている。

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