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定額制動画配信サービスの次に来るのは?フジテレビ/GYAO/ゲオのキーマンが語る

公開日 2015/12/02 13:34 編集部:小澤 麻実
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ゲオチャンネル:オンライン+リアル店舗の「ハイブリッドVOD」

「ゲオチャンネル」は2016年2月にスタート予定の新サービス(関連ニュース)。特徴は、オンライン配信とリアル店舗を組み合わせた「ハイブリッドVOD」である点だ。エイベックスが保有するコンテンツや編成ノウハウに、ゲオのリアル店舗での顧客データ等を元にしたレコメンドエンジンを組み合わせて提供する。

エイベックスのノウハウと、ゲオのレコメンド機能を融合

月額590円(税抜)の「ベーシックプラン」では映画やドラマ、アニメ、そしてアダルトなど13ジャンル・合計8万以上のタイトルを用意。さらにオプションとして、プラス590円(税抜)するとリアル店舗で旧作を月20タイトルまで借りられる「店舗パック」や、旧作を8枚まで宅配してくれる「宅配パック」サービスも用意するなど、リアル店舗との連動も図っている。

オンラインとリアル店舗を活かした展開を行っていく

このメリットについて遠藤氏は「GEOの直営店は約1,400店舗、有効会員数は1,600万人有している。オンラインでいつでもどこでも視聴したり、リアル店舗で選ぶ楽しみを味わったりと、ニーズに応じて選んでもらえるのでは」と語っていた。


GYAO! :Yahoo!との連携が強みの広告付き無料サービス

「GYAO!」はYahoo! JAPANグループが運営するサービスで、約6万タイトル・8ジャンルを揃えている。大きな特徴は、番組開始前にCMを挿入したりバナー表示を行うなどの広告収入を元に、無料でサービスを提供している点。1日約8,500万UBを誇るYahoo! JAPANトップページにも入口を設け、強力な集客を行っている。

GYAO!は広告収入ベースの無料動画配信サービス

UV数も伸びている

昨年1月からは見逃し視聴サービスを開始し、視聴数は1年10ヶ月で約5倍に伸びた。宮本氏も「見逃し視聴に対するニーズの高さを感じる」とコメントする。また、アプリの強化によりスマホ/タブレットからの視聴も大きく伸びており、アプリのダウンロード数も昨年から約2倍に伸びたという。

見逃し視聴サービスは開始時から大きく伸びている

視聴のピークはランチタイムと夕食後〜就寝前

視聴のピークはランチタイムと夕食後〜就寝前。宮本氏は「この傾向は今後ますます強まると思う。しかし、VODサービスが盛り上がっていくにつれ、日中の視聴も増えていくのでは」と分析していた。


フジテレビ:無料/有料の「TVOD/SVOD/見逃し配信サービス」を有機的に展開

フジテレビは、「FOD(旧:フジテレビオンデマンド)」にて地上波無料見逃し配信サービス「プラスセブン」や、配信過去作品等の都度課金販売、オリジナル4Kコンテンツ/ライブ/コミック等の配信を実施している。「TVOD/SVOD/見逃し配信サービス」を、「無料/有料」の価格体系と組み合わせて、ワンプラットフォームで有機的に展開していく戦略だ。2005年のスタート以来会員数は80万人にまで増え、月間アクティブユーザー数は200万人。しかも「既に黒字化している」と力強くアピールする。

「TVOD/SVOD/見逃し配信サービス」、「無料/有料」を組み合わせたサービスを展開

「無料見逃し配信サービスは、リアルタイムでテレビを見ない若年層にもリーチを拡大できるし、コンテンツに触れる機会を増やせばテレビにも良い影響が期待できる。録画視聴はCMスキップ等の問題があるので、オンデマンド視聴を充実させることでそちらを見る流れを作りたい。また、放送直後に公式配信することは違法動画流通の抑止力にもなる。事実、スタート直後は違法動画まとめサイトからの流入が半数を占めていたが、回を追うごとに減少。効果があると推測している」(山口氏)

ユーザーがコンテンツに触れる機会を増やすほか、録画視聴ユーザーの取り込みを図る

現在の視聴状況

今後の課題は「配信可能な番組の拡大」「スマホ/タブレットで見やすいGUIへ変更」「多様化するデバイスでの視聴測定方法/視聴属性の把握」のほか、提供セールスとの兼ね合い、系列局との共存方法等だと説明していた。

次ページ三者が考える「SVODの次」に来るものとは?

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