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映画だけではないHDRの魅力

【InterBEE】HDRはスポーツやライブでも絶大な効果を発揮 − 東芝本村氏とスカパー今井氏に聞く

2015/11/19 編集部:小野佳希
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「Inter BEE 2015」がより幕張メッセで開幕した。別項でレポートしているように4K HDRが大きなトレンドのひとつだが、この点について東芝でテレビの商品企画に携わる本村裕史氏と、スカパーJSATの今井豊氏に話を聞くことができた。

スカパーの今井氏(左)と東芝の本村氏(右)

本村氏は「レグザ Z20XはHDRを最高画質で見るためにこだわって開発したので、まさに今回の出展にぴったりなモデル」とコメント。「ブースに来場するプロの方々にも皆さん絶賛していただいて、『レベルの高い民生機で見るとHDRのポテンシャルとはこういうものだったのか』と言ってもらえている」と言葉を続ける。

「マスターモニターだけで確認したのでは、エンドユーザーである視聴者にどのように見えるかは分からない。そういう意味でも、HDRをきちんと確認できる民生機だと高い評価をいただけている」という。

一方、今井氏はHDR映像伝送デモを今回のInter BEEで展開することについて、「『スカパー!の4Kチューナーを内蔵したテレビは、次世代にはこんなに魅力的になるんだ』というところを見せたかった」と狙いを説明。

また、「映画とは違い、我々のメインコンテンツである音楽ライブやサッカーにHDRは効果があるのかという疑問が制作サイドにはあったので、まずこうした展示会でその結果を見せたかった」とコメント。

「スポーツの試合は日陰との戦い。映画のように日陰を日陰としてちゃんと見せるというのではなく、日陰にいる選手やボールをきちんと見せる、日陰と日なたでのプレーの差をいかに自然に見せるかが重要」とし、「HDRを導入すると、日陰と日なたの表現が両立する。今まで撮れなかったものが撮れる、やりたくてもできなかった部分が撮れるというのが我々の感想だ」と、HDRの効果について語る。

HDR(左)とSDR(右)の比較

「例えばサッカーで日陰で蹴られたボールが日なたに来て、選手がシュートするような場合、SDRだとゴール前が白くなってしまうが、HDRだとそれがなくなる。カメラマンがそういう部分に気を使わずに済み、フレーミングに集中できる」とメリットを説明した。

また音楽ライブについても「照明で演出された会場の臨場感は、映像だとなかなか伝わりづらい。しかしHDRではかなりの部分が伝わるようになるので期待している」と述べた。

これに対し本村氏は「映画のHDR化ももちろん重要ですが、音楽ライブやスポーツ、ドラマなども含めてHDRは効果的なんだということを、ハリウッドとは違う方向からスカパーさんが示してくれた」と語る。

今井氏はさらに「制作サイドの方々に興味をもっていただき『じゃあ番組を作ってみようか』となってもらわないと、HDR化は進まない。とにかくみなさんに見てもらいたかった」とコメント。「スペシャルチューンの特別機ではなく、民生機での将来像を示したかった」と改めて語り、各社コンシューマ向けテレビで4K HDR伝送表示した意義を説明した。

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