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「BT.2020をやるにはレーザーしかない」

<CEATEC>三菱、RGBすべてレーザー光源の4Kディスプレイ。BT.2020を98%カバー

公開日 2015/10/06 19:17 編集部:風間雄介
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三菱電機はCEATECの同社ブースにおいて、RGBの光源すべてに半導体レーザーを使った4K液晶モニターを参考出展した。サイズは50インチで、VAパネルを用いている。

RGBの光源すべてに半導体レーザーを使った4K液晶モニター

BT.2020は4K/8K SHVで使われる規格で、非常に広い色域であることが特徴。それゆえ、LEDバックライトなどではBT.2020の色域をすべて再現することが難しい。

これまで同社は液晶テレビ“REAL”において、レッド(R)のみレーザー光源を用いて色域を広げる技術を搭載していたが、今回の試作機は、RGBそれぞれの光源すべてに半導体レーザーを使用。これにより表示できる色域を引き上げ、BT.2020のカバー率98%という超広色域を実現した。

BT.2020を98%カバー

同社 先端技術総合研究所 オプトメカニズム技術部 光応用技術グループ 主席研究員の安井弘信氏は「BT.2020をやるにはレーザーしかない、と開発に取り組みました」と説明する。

レーザーバックライトは画面の両脇に配置する。レーザー光を画面の奥に横向きに配置された棒状の導光体に通し、導光体が画面を後ろから照らし出す。このような仕組みのため、今回の試作機はローカルディミングに対応していない。

今後の民席への応用について安井氏は、「レッドはDVD、ブルーはBlu-rayでそれぞれ使われており、コストもこなれていますが、まだグリーンの半導体レーザーは発売されたばかりで、かなりコストが高い状況です。今後コストが下がってくれば民生用テレビへの応用も考えられます」と説明する。

なお、今回はBT.2020のカバー率が98%となったが、100%に達しなかった理由は2つあると、同光応用技術グループ グループマネージャーの新倉栄二氏は語る。「レーザーの波長が少し狙ったところと異なっていたのと、もう一つはカラーフィルターの透過特性です。カラーフィルターのBにGが若干混ざっていました。このあたりを今後パネルメーカーさんと調整していけば、100%を超えるカバー率も可能と考えています」。

なお、LEDバックライトも量子ドットなど新技術が進展しており、広色域化が進んでいるが、ここまでのカバー率をLEDですぐに達成するのは難しいだろう、と両氏は述べていた。

同社の従来の4K液晶ディスプレイ(左)との比較。VAパネルのため視野角の影響で色が浅く見えるが、正対すると試作機の色再現範囲の広さに驚かされる

ハイレゾ再生対応の「DIATONE SOUND NAVI」も

そのほか三菱電機のブースでは、音質にこだわった「DIATONE SOUND NAVI」の展示も行われていた。NR-MZ100シリーズという製品で、10月20日に発売される。デモカーとしてアルファロメオが用意され、実際の音を体験することができる。

デモカーとしてアルファロメオを用意

「DIATONE SOUND NAVI」

本機はハイレゾにも対応しており、192kHz/24bitまでのFLACと96kHz/24bitまでのWAVの再生が可能。ただし再生時には44.1kHz/24bitにダウンコンバートされる。これは同社独自の「マルチチャンネル・タイムアライメント」と両立させるための措置とのことだ。

アルファロメオの車内で実際に「DIATONE SOUND NAVI」の音質を確認することができる

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