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北米テレビ事業撤退も

シャープ、'15年1Qは339億円の赤字。液晶テレビ販売減少

2015/07/31 編集部:杉浦 みな子
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シャープ(株)は、2016年度3月期第1四半期(2015年4月1日〜6月30日)の連結業績結果を発表した。売上高は前年同期比0.2%減の6,183億円、営業損益は287億円の損失(前年同期は46億円の利益)、経常損失は333億円(前年同期は54億円の経常損失)となり、今期は339億円の赤字を計上した。

なお今回の業績結果を受け、同社では北米テレビ事業からの撤退も同時に発表している。本件については、こちらの記事を参照のこと。

シャープでは1Qにおいて、液晶テレビ「AQUOS 4K NEXT」やヘルシオお茶プレッソ、IGZO液晶ディスプレイ、照明用電力の削減が可能となる採光フィルムなど、独自商品・特長デバイスの創出と販売強化に努めてきた。また、インセル型液晶タッチディスプレイの量産も開始している。さらに、安定した経営基盤の早期確立に向け、「2015〜2017年度 中期経営計画」の3つの重点戦略である「事業ポートフォリオの再構築」「固定費削減の断行」「組織・ガバナンスの再編・強化」に取り組んできた期間でもある。

今回の業績結果について同社は、液晶テレビや太陽電池の販売が減少したことなどが主因としている。液晶テレビ事業を含むコンシューマーエレクトロニクス部門単体の業績は、液晶テレビや携帯電話、空気清浄機などの販売が減少したことから、売上高が前年同期比19.3%減の2,019億円となった。 このコンシューマーエレクトロニクス部門やビジネスソリューション部門等を束ねるプロダクトビジネス全体の売上高は、前年同期比20.0%減の3,194億円としている。

なお、プロダクトビジネスセグメントにおいて、収益性が低下し投資額の回収が見込めなくなったデジタル情報家電事業本部と、エネルギーシステムソリューション事業本部の事業用資産および一部の連結子会社における売却予定の事業用資産の帳簿価額を、回収可能価額まで減額し、減損処理する。なお減損の計上額は、当期間において44億7,200万円とのこと。

一方で電子デバイス部門では、カメラモジュールが伸長したことなどから、売上高が前年同期比145.9%増の1,268億円となった。 ディスプレイデバイス部門では、スマートフォン向けなどの中小型液晶の販売が減少したものの、大型液晶が伸長し、売上高が前年同期比1.8%増の1,719億円を確保。 これらの結果、デバイスビジネス全体の売上高は、前年同期比35.5%増の2,988億円となっている。

なお2016年度3月期の通期業績見通しについては、売上高が2兆8,000億円、営業利益が800億円で、本年5月14日に公表した数値を据え置いている。

シャープでは、既に同社および主要国内連結子会社にて、7月27日より希望退職者の募集を実施している。本施策に伴い発生する費用は、国内グループ会社合計で350億円程度を見込む。

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