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スカパー!「4Kメディアセッション」

4K放送の魅力と課題、今後の具体的施策とは? スカパー!社長らが会見

公開日 2015/05/28 18:20 編集部:小野佳希
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スカパーJSATは、スカパー!4Kの現況や今後の方針などをメディアに向けて説明する「4Kメディアセッション」を開催。代表取締役 執行役員社長の高田真治氏らが出席し、4K放送の展望を語った。

会見後には実際の放送設備もメディアに披露

■放送の強みを活かし「4K生中継を増やしていく」

同社執行役員常務 放送事業本部長の小牧次郎氏は、4K関連における今後の具体的な動きとして6月・7月の放送スケジュールに言及。Mr.Children(ミスチル)のツアーファイナルの生中継(関連ニュース)、ポール・マッカートニーの武道館公演や長渕剛のMTV Unpplugedライブなど、大物アーティストの4K放送が控えることを紹介し、「ビッグアーティストたちは4Kの表現力に強い関心を抱いている。だからこうした企画が実現した」と述べる。

スカパー 小牧氏

6月・7月の主な4K番組。音楽ライブの生中継やハリウッド映画の4K放送が控えている

また、昭和天皇と美智子皇后の、いわゆるご成婚パレードのフィルムを4Kリマスターした「4Kで甦る 世紀のご成婚パレード 〜TOKYO 1959〜」を7月26日に放送予定であることも発表。「美智子様の羽織るケープの毛並み、沿道の人々の表情、道路の舗装具合など細部が当時の雰囲気をリアルに伝えている。35mmフィルムはハイビジョンより情報量がはるかに多い。つまり、ハイビジョンではフィルム映像の魅力の一部しか伝えられてなかった」とフィルムから4Kデジタルリマスターした意義を語り、「当時、このパレードでテレビ普及が進んだ。今回の番組で4Kもそうなれればとも思っている」とした。

ご成婚パレードのフィルムを4Kデジタルリマスターで放送予定

なお、会見では、こうした「フィルムからの4Kリマスター」作品があまり増えない現状についての考えを問う質問も。これに対し小牧氏は「費用面が一番大きい問題だ。ワンカットずつ全部調整すると何千万もかかる」と説明。「各映画会社ともに様々な実験をしていると聞いている。完パケしたらスカパーとしてもぜひどんどん放送していきたい」と述べた。

そして6月から遂にハリウッドメジャーの映画作品も4Kで放送が開始されること(関連ニュース)にも言及。「当然だがハリウッド映画は映画館に最適化して制作されている。しかし、『ハリウッド作品を観たことがある』という人の大半はテレビで見ている」とし、「テレビでの視聴体験を映画館体験に少しでも近づけるために、大画面に耐えられることは必須。映画を見たいなら大画面、高精細テレビで見るしかない」と大画面の4K画質で映画を視聴できる意義を説明。「ハイビジョンやDVD、BDで観たことがある作品でも、ぜひもう一度4K放送で見てもらいたい。全然違う」と魅力をアピールした。

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