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4月の法改正にあわせて

NHKのテレビとネット同時配信、総務省が認可へ − 試験放送を実施

公開日 2015/02/10 13:34 ファイル・ウェブ編集部
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総務省は、NHKが申請していた「テレビ番組のインターネット再配信事業」について、実施を認可する予定であることを発表した。

本年4月に施行予定の放送法改正で、NHKによるネット活用業務の大幅な拡大が認められ、NHKは放送後の番組だけでなく、放送前、放送中の番組などもネット経由で配信できるようになる。NHKではこの改正法施行日にあわせ、実際にインターネットを通じて放送番組を提供する業務を開始するため、実施基準(放送法第20条第2項第2号および第3号の業務の実施基準)を策定し、総務大臣に認可申請を行っていた。

総務省では昨年、NHKの申請に対する考え方を取りまとめて公表し、2014年12月20日から2015年1月18日までの間に意見募集を行った。この意見募集の結果も踏まえ、条件を付して認可することについて電波監理審議会に諮問したところ、認可が適当である旨の答申を受け、NHKに対して認可を行う予定と発表した。

なお総務省では、今回の認可にあたり「放送法第20条第2項第2号及び第3号の業務の実施基準の認可に係る審査ガイドライン」を整備している。この内容によれば、本案におけるインターネット同時配信の対象となる番組は、「NHKがこれから放送しようとする放送番組(放送予定番組)」「NHKが放送している番組(放送中番組)」「NHKが放送した放送番組(既放送番組)」の3種類が記載されており、いずれも法に規定される「放送番組」に該当するものと見なしている。

番組のインターネット提供に関しては、NHKが管理するドメインを利用して行うことを原則とする。放送前番組の配信は「番組の周知・広報のための提供」と規定。ラジオ第1・第2およびFMを含む放送中番組の配信については、災害時に必要な情報のリアルタイム配信や、放送開始時後の利便性を図るためにハイブリッドキャスト対応受信機を対象とした時差再生可能な形で提供する。放送後番組の配信については、「特に受信料を財源として提供することは適当と認める番組」を提供する。また利用料金などについては、「利用者に対価を求めることなく実施する」としている。なお「提供する放送番組等の一部について、必要に応じ、その提供対象を受信契約者に限定することがある」とも規定されている。

NHKオンデマンド配信に関しては、これまでとほぼ同様の「直接提供型」「プラットフォーム型」の2種類を用意し、「単品料金」「見放題パック」などの料金形態で提供される。

さらに、NHKが電気通信回線を通じて第三者の配信業者に放送番組を提供する事業においては、本案によって配信業者に対して無料で番組が提供される形となる。なお、第三者の配信業者に有料で番組提供する業務に関しては、対象業者からの求めに応じて有料で提供される。

NHKによる本案の申請にあたり、次の2種類の試験実施内容が申請されていた。今回の認可により、まずこれらの試験内容が実施される。

一つは、NHK総合・教育テレビにおけるスポーツイベントの生放送番組のうち、検証に適した特定の番組を、年間5件程度以内のイベントを対象とし、1日最大4時間程度を超えない範囲で、テレビ放送と同時にインターネット配信するというもの。

もう一つは、NHKの受信契約者から参加者を募集し、テレビとネットの同時配信サービスを期間限定で試験提供するというもの。本件に関しては、1回当たり1週間から3か月以内で提供期間を定めた上で、1日16時間以内の範囲で実施するという。参加者は数千人から1万人以内の規模を予定している。

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