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同社開発陣と野村ケンジ氏のトークセッションも実施

【ポタ研】デノン、USB-DAC内蔵ポタアン「DA-10」発表会を開催 - 設計担当が開発秘話を語る

公開日 2014/07/19 19:22 ファイル・ウェブ編集部 小澤貴信
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■高性能オペアンプやフルディスクリート出力バッファーで構成されたヘッドホンアンプ

そして話は、ヘッドホンアンプ部に及んだ。このヘッドホンアンプ部は下記の図のような回路構成を取っているが、図の(1)の部分でDACから電流出力した信号をI/V変換、ローパスフィルターを経て差動合成している。また、(2)の部分のオペアンプについては、電圧増幅段には試聴テストにより厳選したハイスピード、ローノイズなオペアンプを採用。(3)は出力段だが、フルディスクリートの出力バッファー採用により駆動力を向上させたという。

DA-10のヘッドホンアンプ部のブロック図

「簡単に言うと(1)がCDプレーヤーの機能と言えます。DACからの電流出力を電圧に変換し、位相や再生周波数を差動で出して、最初のオペアンプのポストフィルターでアンバランス出力にまとめています。ここより後ろがオーディオシステムにおけるプリメインアンプと考えてよいでしょう。ボリュームがあり、ハイスピードオペアンプでアンプゲインを施し、最終段でバッファーを通して出力します」(出口氏)。

「図の(3)の部分はヘッドホンを駆動するために十分な電流をつくるためのトランジスターです。ようはドライバーですね。駆動するヘッドホンのインピーダンスに左右されない強力な電流を送り出すのが図の(2)(3)のパートの役割ですね」(平山氏)。

ここで野村氏は「出力バッファー、要はパワーアンプ部に当たる部分がディスクリート構成になっているということですね。スペースの限られたポータブル機でディスクリート構成は大変だと思いますが、あえてディスクリート構成とした理由はあるのでしょうか」と開発陣に聞いた。

DA-10と一般的なヘッドホンアンプのアンプ回路の比較

野村氏は技術的なポイントを中心に開発陣に次々と質問を投げた

この問いに対して出口氏は「先ほど述べた通り、DA-10はHi-Fiコンポーネントとして開発されていますので、当然音質的に優位なディスクリート構成を目指しました。一方で、FPGAなどデジタル部を含め、筐体一杯に基板が詰まっているので、スペースの面での制約がもちろんあります。こうした板挟みの中でHi-Fi的な音作りに落とし込むには苦労しました」と回答した。

■独立電源回路基板によりデジタル回路と電源の干渉を排除

本機はポータブル機ながら電源回路をメイン基板から独立した専用基板とすることで、デジタル回路の相互干渉を抑制している。この点について平山氏は「オーディオ基板の集積度が高いだけに、電源からの影響はゼロでなければと考えました。そこで、電源を完全にセパレートしたのです」とコメント。野村氏は「このサイズで電源セパレートはすごいですよね。こだわりのエンジニアリングが垣間見えます」と驚きを表していた。

DA-10はデジタル接続時で7.5時間の連続使用が可能

また、ポータブル機として開発段階で一番問題になったのは、やはり電源供給だったという。高電圧アンプの搭載を搭載し、かつ消費電力の大きい「AL32」用のFPGAを備えるDA-10において、電源供給の問題は非常にシビアだった。その対策として電源を大きくしたのだが、加えて、DSD再生時などFPGAを使わない場合には「AL32」の処理を完全に止める仕様としたという。このようにして連続使用時間を延ばす工夫が重ねられた。

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