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AVCネットワークス売上高は前年比3%減

パナソニック、2013年度決算で黒字転換

2014/04/30 ファイル・ウェブ編集部
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パナソニックは、2014年3月期(2013年度)の決算を発表。連結売上高は7兆7,365億円、営業利益が3,051億円、純利益1,204億円と増益となり、7,543億円の赤字を計上した前年度から黒字転換した。

円安による押し上げ効果があったことに加え、住宅関連事業が国内の消費税増税前の需要を着実に刈り取り、車載関連事業もグローバルでの市況回復を背景に身長。これにより売上高も前年比6%増となった。なお、一方でデジタルコンシューマー関連事業は、収益重視の事業展開を進めていることから減収となった。

営業利益は主に赤字事業の収益改善や、全社を挙げた固定費削減および材料費合理化の取り組みなどが寄与。大幅増益となった。また、営業外損益では固定資産減損損失等を含む事業構造改革費用2,074億円を営業外費用に計上。しかし年金制度変更に伴う一時益798億円やヘルスケア事業の売却益787億円を営業外収益に計上したことなどにより、税引前利益は2,062億円、当期純利益1,204億円といずれも大幅な増益となり、黒字転換した。

部門別にみると、テレビなどが含まれるAVCネットワークスの売上高は前年比3%減となる1兆5,734億円。BtoB事業の売上が伸張したが、プラズマディスプレイの事業終息の影響などによってBtoC事業の売上が減少したことから減収となった。

なお、営業利益はBtoB事業の増販に伴う利益増に加え、テレビ・パネル事業等の事業構造改革の効果などにより、前年から前年比259%の215億円となった。

AVCネットワークス以外の部門は、アプライアンスが売上高1兆1,966億円で285億円の営業利益を計上。エコソリューションズは売上高1兆8,466億円で、営業利益が950億円、オートモーティブ&インダストリアルシステムズは売上高2兆7,376億円、営業利益857億円だった。

なお、2014年度通期の見通しについては、売上高7兆7,500億円(前年比100%)、営業利益3,100億円(前縁費102%)、純利益1,400億円(前年比116%)を見込む。

同社では、2013年度の世界経済について、インドなど新興国の一部で伸び悩みがみられたが、欧州で持ち直しの動きがみられたほか、米国の株高や堅調な個人消費、日本においても株高、円安の進展に加えて消費税増税前の駆け込み需要などがあり、全体として緩やかな景気拡大が続いたと分析。

このような環境のもと、同社では2013年度から中期経営計画「Cross-Value Innovation 2015(CV2015)」をスタートさせ、事業部制を軸とした新たなグループ基本構造のもとで「赤字事業の止血」「財務体質改善」「脱・自前主義による成長・効率化」「お客様からの逆算による成長戦略」といった重点施策に取り組んできたと説明。「既存の枠組みを超え、異なる強みを掛け合わせる『Cross-Value Innovation』のもと、より大きなお客様価値が生み出せる姿へとグループ全体が変わりつつある」とした。

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