NTTとNEC、4K/60P映像のHEVCリアルタイム圧縮に世界で初めて成功

NTTとNECは、4K/60P映像のHEVCによるリアルタイム圧縮に世界で初めて成功。NECはリアルタイム圧縮装置「VC-8150」とデコーダー「VD-8100」を販売開始した。4月からの出荷を予定している。

大容量化する4Kなどの高精細映像データに関しては、HEVC圧縮の早期実用化が求められていたが、HEVCは多くの演算量を必要とするため、リアルタイム圧縮のためには処理の効率化が必要だった。両社では、長年培ってきた映像圧縮技術およびノウハウを基に、高効率圧縮に向けた技術を確立したという。

NTTは、HEVCの特徴である可変ブロックサイズに適応したフレーム間予測やフレーム内予測におけるハードウェアアルゴリズムを検討。これをもとに、複数のブロックサイズでの探索と広い探索範囲を実現する高い予測効率を持つ動き予測や、映像の特徴を解析した上で事前に予測方向を絞り込むイントラ予測等のハードウェアアルゴリズムを確立し、SoC（System on Chip）にて実現可能である見通しを得たという。

一方、NECでは画像をいくつかのブロックに分割して行う映像圧縮処理において、瞬時に画像を分析して最適なブロック分割を行う「最適圧縮パラメータ推定技術」を開発。既存の方法のように、想定される全てのブロック分割パターンを試行した上で処理する必要がなくなるため、処理量を約1/5に削減し、4K高精細映像のリアルタイム圧縮を実現させた。

なお、従来の圧縮装置では、4K高精細映像を4領域に分割した画像を各々処理して結合表示していた。しかし、この場合、各領域を跨ぐ部分の映像の品質低下が課題だった。そこでNECでは、境界部分の画像劣化を抑える「画像境界処理技術」を開発。これにより、継ぎ目のない高画質な4K高精細映像圧縮を実現したという。

今回、こうした上記の技術を利用することで、世界で初めて4K/60P高精細映像のHEVCによるリアルタイム圧縮を実現。NECは、業界に先駆けてHEVC圧縮装置を販売開始し、今後4年間で100台の販売を目指すとしている。同製品では、Main10プロファイルに対応。世界で初めて4K高精細映像、10bit高階調で60fpsの映像圧縮をリアルタイムに実現させている。

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