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韓国2大メーカーが牽引

【CES】UIの革新競う各社スマートTV − 音声認識や指ジェスチャーも実用化

公開日 2013/01/18 12:55 折原一也
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2013 International CESでは、プレスカンファレンス、ブースともに、4Kに並んでスマートTVも大きなトピックとなっていた。

印象的だったのは、パナソニック、東芝、ソニーら日本勢は薄型テレビとタブレットを組み合わせた2スクリーンスタイルを中心に提案していた(関連記事)のに対し、サムスン、LGら韓国勢はあくまでもテレビそのものをスマート化することを指向し、音声認識やジェスチャー操作などを活用することで、より洗練させる方向を目指していたことだ。

韓国メーカーを中心に、CESの出展内容を振り返りながら、2013 International CESで見たスマートTVの動向を総括したい。

実は4Kや有機EL以上にスペースを使い説明されていたスマートTV

サムスンもプレスカンファレンスではスマートTVに最も時間を割いていた

■サムスンは自然言語で音声操作。顔認識活用のリコメンドも

タブレット連携に注力する日本のメーカーに対し、テレビ内蔵のスマートTV機能を大々的に打ち出していたのがサムスンとLGだ。

両社は以前からスマートTVを展開してきたが、今回の特徴は、単にスマートTVプラットフォームを構築したり、VODサービスへ接続するといった域を超えて、「音声認識で操作して作品を探せる」「ジェスチャー操作が可能」「学習による作品レコメンド」など、より進化したインテリジェント機能を搭載したことにある。

サムスンは、同社スマートTVの2013年モデルにクアッドコアのCPUを搭載。「自然言語による音声認識」「学習による作品レコメンド」を大々的に打ち出した。

音声認識については標準のBluetooth接続リモコンにマイクを内蔵。「ロボットのようなコマンドではなく、普通に話しかけることで内容を判断して探してくれる」(同社説明員)ことが特徴で、作品名や出演者名をリモコンに向かって話すと、ROVI社のサービスを使い、VOD事業者のVUDU、Cinema Nowなどの作品データベースを自動で検索。検索結果も音声認識で操作できる画面に表示され、VODの検索から再生開始まで、音声で一体操作するよう作り込まれている。

レコメンド機能は、テレビ内蔵のカメラで視聴しているユーザーの顔を認識。テレビ内蔵の「On TV」画面を開くと、今テレビを視聴しているユーザーの好みを反映した番組を推薦するというインテリジェントな作りだ。

「On TV」は放送中と放送予定のガイド画面だが、「s-recommendation」によるおすすめの番組を優先的に表示する

サムスン音声認識によるガイド。こちらも「おすすめの番組は?」と聞くとリストアップしてくれる

■指一本で操作できるLGのスマートTV

LGのスマートTVも、独自の手法で操作性を高めようとしていることが特徴。特に今回はジェスチャー操作に力を入れてきたことがポイントだ。同社は以前から「Magic Remote」というスティック型のポインタ操作可能なリモコンを用意していた。このMagic Remoteは2013年モデルでさらに進化し、空中に数字を描くと、そのチャンネルを選局できるという新機能が加わった。さらに2013年の新モデルでは、指一本の動作で操作できるジェスチャー機能が搭載された。これは実際に筆者も体験してみたが、非常にスムーズに動いていた。

LGのスマートTVはスティック型のリモコンが「Magic Remote 2013」に進化

指一本で操作できるジェスチャー操作機能を新搭載した

日本のメーカーでサムスン、LGに比較的近い機能を展示していたのがパナソニックだ。VIERAのスマートTV機能には、カメラによる顔認識機能を搭載しユーザーに応じてカスタマイズしたホームスクリーンを表示可能。また音声認識による操作にも対応している。

なお音声認識とジェスチャー操作については、精度等は未確認だが、中国メーカーも大々的にデモを実施するほど、あちこちのブースで散見された。

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