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ピクストロニクス社と

シャープ、クアルコムと資本提携 − MEMSディスプレイを子会社と共同開発

2012/12/04 ファイル・ウェブ編集部
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シャープは、米Qualcomm Incorporated(クアルコム)との資本提携、および子会社であるPixtronix社(ピクストロニクス)とMEMSディスプレイを共同開発することに合意した。共同開発を推進するために、クアルコムから最大で約99億円の出資を受け入れる。

両社が共同開発するMEMS(Micro Electro Mechanical System:微小電子機械システム)ディスプレイでは、ひとつひとつの画素ごとに設けたMEMSシャッターを高速で開閉し、光の量を制御して画像の明暗の調整を行う。ピクストロニクスでは、過去に日立ディスプレイズと同方式のディスプレイを共同開発していた(関連ニュース)。

画像は、赤・緑・青色の各LEDバックライトからの光を順次切り替えることにより表示する。液晶ディスプレイに用いられる偏光フィルムやカラーフィルタなどが必要ないため、液晶ディスプレイ比でバックライトの光の利用効率は約10倍、消費電力は2分の1以下になるうえ、色の再現性などにも優れているという。

このMEMSディスプレイの実用化に向けた開発を、シャープのIGZO技術と、ピクストロニクスのMEMSディスプレイ技術との統合により進めていくという。約99億円の出資は、MEMSディスプレイの開発および設備投資費用に充当し、実用化に向けた技術の確立を目指す。

共同開発においては、シャープ米子(鳥取県米子市)にある液晶パネル工場に、実用化に向けた開発を行うための設備を導入。世代ディスプレイの開発と必要な投資を直ちに開始し、実用化に向けた技術開発に目処が立った段階で、装置を導入し、量産化技術の確立に向けた次のステップに進むとしている。

資本提携においては、クアルコムを割当先とした第三者割当による新株式の発行を行う。

さらに、両社は本契約を契機として、モバイル機器に求められる低消費電力化と高機能化を実現すべく、クアルコムの100%子会社であるQualcomm Technologies, Incのチップセットと、シャープのIGZO技術のさらなる取り組みの可能性を検討していくという。

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