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下期モデルのキーコンセプトは“3つのFeel”

シャープ、IGZO搭載モデルでスマホ/タブレットのシェア挽回へ

2012/10/23 ファイル・ウェブ編集部
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1つ目の“Feel”は「Feel Meister」。河内氏は「IGZO液晶を採用したことにより、ハイパフォーマンスとスタミナを両立する快適な使い心地を実現した」とし、IGZOが実現する高精細化・省エネ性能の向上・タッチ感度の向上について説明した。

まずは高精細化。IGZOはトランジスタを小型化できるため、1画素あたりのバックライトの光の透過率がアップする。これにより、映像や電子書籍、インターネットブラウザの文字なども明るく表示でき、先述の通り従来のアモルファスシリコン半導体比で約2倍の高精細化を実現する。

電流を通す速度は従来のa-Si比で20〜50倍

次に省エネ性能。IGZOでは静止画表示中にCPUの表示部をストップし、1秒間に1回だけ液晶に電流を流す「液晶アイドリングストップ」システムを採用している。これによりバッテリーの消費量を抑え、省エネ化を実現した。

「液晶アイドリングストップ」により、低消費電力を実現

「AQUOS PHONE ZETA SH-02E」の場合、連続静止画表示時間が従来モデル「SH-01D」と比較して3.6倍となる約18時間となり、連続動画再生時間は同2.8倍となる約11時間に伸びる。

電池持ち・スタミナ比較図

「AQUOS PAD SHT21」の場合は、連続静止画表示時間は従来モデル「EB-A71GJ-B」と比較して2.5倍の約20時間、連続動画再生時間は同比1.7倍となる約10時間を実現している。

電池持ち・スタミナ比較図

次にタッチ感度の向上。IGZOはタッチパネルの検出の邪魔になるノイズ発生時間を短くして、タッチ操作における微細な信号をしっかりと検出することで、より正確な操作を可能としている。指のほかに細いペン先の位置もしっかり検知する。

タッチパネルの検出の邪魔になるノイズ発生時間を可視化した装置

2つ目の“Feel”は「Feel Operation」。河内氏はここで、タッチペンを使った操作性の向上や、新機能となる「Finger Snap」について説明した。

付属のタッチペン

ロック画面やホーム画面にもパッとメモ書きができる


Finger Snap
Finger Snapは、ドコモ向けスマートフォン「AQUOS PHONE ZETA SH-02E」が対応する機能で、画面OFF状態でスマホの筐体背面を指で2回叩くと端末が反応し、音声認識でロックを解除し、カメラアプリなどの起動が行えるというもの。また、カメラアプリの場合は音声認識でシャッターを切ることもできる。

背面のカメラの下あたりを2回叩くことで、音声認識でアプリなどを起動できる

河内氏は「電話に向かって“もしもし”というだけでかかってきた電話をとることもできる。こういった新しい使い勝手をもっとユーザーに提供していきたい」という。

また今期の新モデルは、ユーザーの声を反映させてカスタマイズ製を高めた“Feel UX”ユーザーインターフェースを搭載していることもポイントとなる。

進化したFeel UX

3つ目の“Feel”は「Feel Creation」。最後の「Feel Creation」では、ユーザーに「新しい体験」を提案する新性能・機能を紹介した。

一部機種が搭載する1,630万画素の16倍ズームカメラおよび光学式・電子式・Voice Shotのトリプル手ぶれ対策システムのほか、スマホ本体を振動させて電話音声を耳に伝える「ダイレクトウェーブレシーバー」などの特長を説明。また、ソニー・コンピュータエンタテインメントとの協業で「PlayStation Mobile」にも対応する。

1630万画素の16倍ズームカメラはドコモ向け「AQUOS PHONE ZETA SH-02E」と、ソフトバンク向け「AQUOS PHONE 203SH」が搭載する

高精度シーン別エンジンや、起動前に撮影モードを決められる「カメラWidget」も

さらに河内氏は、これらの新機能を全て搭載するドコモ向けスマートフォン「AQUOS PHONE ZETA SH-02E」について、「パフォーマンスに妥協することなく、2日間連続して使えるという“Smart 2Days”構想を採用したモデル」と語った。

“Smart 2Days”

AQUOS PHONE ZETA SH-02E


高精細化・クアッドコアエンジン搭載で、大容量2320mAhを搭載する
■シャープ製スマホ/タブレット購入者先着プレゼントも

また、今回発表のシャープ製スマートフォンの購入者に、独自開発したスマホ用アクセサリー「CLIP DISPLAY」をプレゼントするキャンペーンも発表された。

CLIP DISPLAY

「CLIP DISPLAY」はスマホと連携して、本体のタッチディスプレイからスマホの着信内容や受信メールのチェック、TwitterやFacebookの更新情報が確認できる。さらに本体にはスピーカーとマイクも内蔵しており、本機を介して通話も行える。背面にはクリップを備えており、衣服に装着できる。対応するスマートフォンはシャープ製端末のみ。

背面にはクリップを備えている

SNSの更新内容も確認できる

現段階では一般発売は想定しておらず、今回のプレゼントキャンペーンでの提供となる。プレゼント製品の数量には限りがあり、限定数に達し次第キャンペーン終了となる。

発表会の最後に河内氏は「スマホ/タブレットにおけるIGZOの新技術で、シャープブランドの刷新を図っていく」と結んだ。

以下、質疑応答の模様をお届けする。

■質疑応答

Q IGZO搭載モデルは今後どれくらい出てくるのか。
A 商戦期においては、台数ベースで約3割くらいの搭載を考えている。特に来年以降に一気に拡大していきたい。

Q IGZOをコア技術と紹介していたが、今回の発表だと主力のAQUOS PHONEシリーズでは3機種中1機種しかIGZOモデルがない。安定して提供するまでには時間が掛かるのか。
A 供給には問題ない状態だ。実際の製品展開はキャリアの商品戦略を踏まえてやっていくので、これから積極的に展開を図りたい。

Q 企画開発からサービスまでを一貫し、グローバルに展開するとのことだったが、ソフトバンクがスプリントを買収したことで海外勢との競争が激しくなってくると思うがその辺についてはどう考えているか。
A マーケティング・開発・企画・営業も全て一貫し、国内外含めての強みをさらに下期以降で強化していきたい。ソフトバンクの買収については、他社のことなのでコメントできる立場ではない。

Q 今後IGZO搭載モデルのグローバルモデルは出るのか。
A 海外への展開も検討しているところだ。

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