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THX認定取得、USB-HDDにW録可能

【更新】シャープ、スマホ連携も強化した液晶“AQUOS”最上位「L5」ラインを発売

2011/06/15 ファイル・ウェブ編集部
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シャープ(株)は、液晶テレビ“AQUOS”の新モデルとして、THXディスプレイ認定も取得したハイエンドモデル“AQUOS クアトロン 3D”L5ラインを7月15日に発売する。

製品のラインナップ

製品のラインナップは以下の通り。

・60V型「LC-60L5」¥OPEN(予想実売価格45万円前後)
・52V型「LC-52L5」¥OPEN(予想実売価格38万円前後)
・46V型「LC-46L5」¥OPEN(予想実売価格30万円前後)
・40V型「LC-40L5」¥OPEN(予想実売価格22万円前後)

LC-60L5

LC-52L5

これまでのLV3/LX3ラインの後継機となる最上位機。3D表示に対応しており、3Dメガネも1個同梱する。チューナーは地上デジタル×3、BS/110度CSデジタル×2。

■ハイスピードUV²A搭載、新3Dメガネも同梱

パネルは4原色のクアトロンパネルで、平均応答速度3msecのハイスピードUV²A液晶を採用。これにより3D表示時のクロストークをLV3ライン比で約70%削減した。またTHXに認定も取得しており、2Dはもちろん、3D表示時の「THX 3D 認定ディスプレイ規格」も得ている。

バックライトは直下型LEDで、240Hzのスキャン倍速に対応。これまで240Hz駆動は3D表示時のみだったが、本シリーズからは2D表示時にも240Hz駆動を行うことが可能になった。ただしローカルディミング(エリア駆動)には対応していない。テレビコントラスト比は約700万対1。

同梱する3Dメガネは新デザインのものを採用。高級眼鏡フレームメーカーの増永眼鏡(株)と協業し、ツルの部分に超弾性素材を使用し、大人から子供まで掛け心地を高めた。また質量も約40gと、これまでの65gのものから約40%の軽量化を実現した。

また3DメガネはUSB充電が可能。電源ボタンもこれまでの丸ボタンから、スライド式のスイッチへ変更し、電源のON/OFF、2Dモード/3Dモードの違いをわかりやすくした。

新しい3Dメガネを装着したところ

スライドスイッチを搭載

3D関連機能では、2D-3D変換機能も装備。目の体操ができる特殊な3D映像による「3Dストレッチ」機能も備えている。3Dストレッチ機能は、海中を泳ぐイルカの映像をプリインストール。イルカを目で追うことで目の疲れを軽減することができるという。

「3Dストレッチ」のデモ動画

3Dストレッチの説明画面

■USB-HDDへのAVC録画機能を搭載

録画機能も強化した。USB-HDDへ2番組同時録画が行え、さらにUSB-HDDへのAVC長時間録画にも対応する。USB-HDDは最大16台まで登録でき、4台までの同時接続が可能。

録画画質はDRモードのほか、AVC 4倍相当の「モード1」と8倍相当の「モード2」、あわせて3モードから選択できる。

なおAVC録画時は、選択したモードに合わせてノイズリダクションの効果を連動させて画質を高める機能も備えている。

2番組同時録画の場合は、片番組のみAVC長時間録画が可能で、2番組同時にAVC長時間録画を行うことはできない。

さらにUSB-HDDへ録画した番組を、LAN経由のDTCP-IPダビングで、対応のBDレコーダーやNASへダビングすることも新たに可能になった。

なお録画機能では自動チャプター付与機能も搭載した。また「ひかりTV」の録画機能も備えている。

■スマホ連携強化。DLNAアプリとリモコンアプリの2種類

ネットワーク機能ではWi-Fiを内蔵。IEEE802.11a/b/g/nに対応する。さらにDLNA機能では、DLNAのプレーヤー機能だけでなく、レンダラー機能にも初めて対応した。

同社製スマートフォン「AQUOS PHONE」やAQUOSブルーレイとの連携機能「スマートファミリンク」機能も搭載した。

スマートファミリンク機能で、スマホ内の静止画をテレビでレンダリングしたところ

スマートファミリンクでは、同社が開発したAndroid向けアプリ「Smart Familink」をDLNAのサーバー/コントローラー/プレーヤーとして用いる。

アプリ「Smart Familink」では、スマホで視聴している動画や写真をフリックなどの直感的な操作でテレビに転送できるコントローラー機能「スマートジャンプ」のほか、AQUOSブルーレイ内の動画をスマホで直接再生するプレーヤー機能も用意。スマートフォン内のチップにDTCP-IPのカギが埋め込まれているため、著作権保護されたデジタル放送を再生することも可能だ。さらにスマートフォンをコントローラーに、AQUOS L5をレンダラーにして、AQUOSブルーレイ内のコンテンツをテレビに再生指示することもできる。

「スマートファミリンク」ではフリック操作による直感的な操作が可能だ

AQUOSブルーレイ内の録画番組リストを表示したところ

なおテレビ側では「AQUOSインフォメーション」機能で、視聴しているコンテンツの種類などを表示することができる。

このアプリ「Smart Familink」は今夏発売の「AQUOS PHONE」にプリンストールされており、シャープ製以外の端末ではダウンロードできない。また、IS03などAQUOS PHONEブランド以外のスマートフォンでの対応については、「これらの旧機種にはDTCP-IPのカギが埋め込まれていないため、アプリのみでデジタル放送の視聴機能を実現することは不可能。このため機能制限版を提供するかどうかを検討中。アプリの提供そのものを行わない可能性もある」(同社説明員)という。

また、スマートファミリンクアプリと他社製のテレビやレコーダーとの連携については、「DLNAに基づく機能については、他社製機器と連動することは可能。ただしシャープとして動作検証、保証を行うことはしない」という。

さらに、AQUOS PHONE向けのリモコンアプリ「AQUOS リモート」も用意。このアプリでは文字入力やテレビの操作が可能。さらにキーワードを音声で入力し検索する機能も備え、EPGやUSB-HDD内の録画番組、インターネットのウェブサイト、VODコンテンツを音声で検索することができる。本アプリもAQUOS PHONEでのみダウンロードすることが可能だ。

AQUOS PHONEで音声入力検索を行っているところ

■新ネットサービス「AQUOS City」を7月15日スタート

ネットサービス機能も強化。これまでの「AQUOS.jp」の機能を増強した新サービス「AQUOS City」を7月15日にスタートさせる。

新サービス「AQUOS City」。様々なサービスやコンテンツを横断して検索できる「スマートサーチ」機能を備えた

AQUOS Cityでは検索機能を強化し、「スマートサーチ」として搭載。ウェブはもちろん、EPG情報、録画した番組のリスト、複数のVODサービスのリストなどを検索対象にできる。先述したリモコンアプリ「AQUOS リモート」での音声検索は、このスマートサーチを利用する。

「スマートサーチ」機能

VODの一括検索はTSUTAYA TV、T's TV、ひかりTVが対象。キーワード検索すると該当するコンテンツが一覧表示され、それぞれの視聴価格、HDかSDかなどの情報が一画面で確認できる。今後、他サービスにもコンテンツの情報提供を呼びかけていくという。

複数VODサービスの一括検索表示画面

ネットサービスでは、アクトビラなどこれまで対応していた機能も引き続き利用できるほか、YouTubeの視聴機能にも対応した。

そのほか機能面では、天気やニュース、おすすめ動画、未視聴の録画番組などを告知する「AQUOSインフォメーション」や、離れて暮らしている家族のテレビ使用状況をメールで知らせる「見守りサービス」などの独自サービスも備えている。

なおAQUOS Ctityのホーム画面は、左画面にテレビ画面や時刻、天気を表示し、右側にAQUOS Cityのサービス一覧を表示する「スマートホーム」という名称。電源を入れた際、このスマートホームを表示するように設定することもできる。

■薄型筐体ながら音質にも配慮。省エネ機能も装備

音質では、8スピーカーシステム「ARSS」を引き続き搭載。また46V型以上のモデルは、ユニット2つを水平対向配置させたサブウーファー「Duo Bass」も装備する。なおDuo Bassは40mm厚の薄型のものを新開発。薄型化しながら容積を拡大させるなどの工夫で音質を維持したという。出力は左右チャンネルが7.5W+7.5W、サブウーファーが15W。

デザインはベゼルの幅を狭くし、スタイリッシュな印象を強めた。また筐体の薄型化も同時に行い、設置性を高めた。

60V型の「LC-60L5」を横から見たところ

リモコンには画面輝度を抑えられる「セーブモード」ボタンを装備。ボタンを押すと明るさセンサー、無信号電源オフ、無操作電源オフ機能が有効になり、消費電力を約15%節減することができるという。そのほか機能面では緊急警報放送に対応し、デジタル放送の視聴時だけでなく、インターネットや外部入力使用中でも緊急警報放送へ切り換えることができる。

付属のリモコン。「セーブモード」ボタンを装備

リモコンの下部フラップを開けたところ

HDMI入力は4端子。ほかにD5入力端子1、ビデオ入力端子1、音声出力端子1、アナログRGB入力端子1、ヘッドホン出力端子1などを備えている。

EPG画面

■「ソフトとハードを両輪として新しい価値観を提供する」

本日行われた発表会では、同社 執行役員 AVシステム事業統括 兼 AVシステム事業本部長の中村恒夫氏があいさつ。

AVシステム事業本部長の中村恒夫氏

中村氏は「地デジ対応の次はネット対応」と切り出し、ネット対応テレビの世界需要が、2014年には1億2,000万台に達するという予測データも紹介。また「国内ではネット対応テレビの出荷台数は6割まで上がっている。AQUOSの出荷台数は累計3,000万台で、そのうち700万台がネット対応。AQUOS.jpは月間400万PVを超えるまでに成長した」と現状を説明した。

その上で「テレビとインターネットを融合させ、独自のサービスやアプリケーションを提供する。単にハードの魅力を訴求するのでなく、ソフトとハードを両輪として新しい価値観を提供したい」と、今後の同社テレビ事業の方向性を示し、それを具体化したのが今回のL5ラインであると説明した。

テレビとインターネットを融合させる、と強い意気込みを見せた

またスマートフォンやタブレットとの連携機能の使い勝手もアピールし、「より便利で快適な暮らしを実現するため、スマートフォンやタブレットとの連携は日常に欠かせない」と強調した。

なお中村氏は、亀山ブランドのAQUOSが今後も継続することも強調。中村氏は先日亀山工場の生産を中小型液晶にシフトするという発表を同社が行ったことに触れ、「一部で亀山ブランドのテレビはなくなるのか、という誤解を与えてしまったが、亀山工場でのテレビの生産をやめるわけではない。あくまでテレビ向けと中小型液晶、両方をフレキシブルに展開するということだ」とした。

今後も亀山ブランドは継続させる、と明言

製品の詳細については、同社AVシステム事業本部 液晶デジタルシステム第1事業部 事業部長の喜多村和洋氏が説明した。

液晶デジタルシステム第1事業部 事業部長の喜多村和洋氏

喜多村氏は、テレビを取り巻く変化は大きく分けて「マルチデバイス化」「ネットコンテンツの拡大」「ビッグスクリーン」の3つと指摘。マルチデバイス化についてはスマートファミリンクや音声検索機能、無線LAN対応などで対応したほか、ネットコンテンツの拡大に対しては「AQUOS City」で利便性を高めると強調。また「ビッグスクリーン」については、「32V型、40V型はもはや小型サイズの部類に入るような勢いだ」と述べ、「独自パネルの搭載など、大きな画面で、いい音で楽しめるように工夫した」と説明した。

スマートファミリンク機能に注力する

フラグシップ機ならではの画質・音質機能も搭載

最後に喜多村氏は、「AQUOSは5月に3,000万台を突破したが、L5ラインは、このAQUOSを次のステージに持って行く製品だ」と、製品の出来映えに自信を示した。

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