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広面積画素センサーや8枚羽根虹彩絞りを搭載

キヤノン、業務用AVCHDビデオカメラ「XA10」とコンシューマー最上位機“iVIS”「HF G10」を発売

2011/01/19 ファイル・ウェブ編集部
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キヤノンは、同社の業務用ビデオカメラとして初めてAVCHDによるハイビジョン記録に対応した「XA10」と、本機をベースに開発したコンシューマー向けの最上位機“iVIS”「HF G10」を3月中旬に発売する。

価格はいずれもオープンだが、XA10が20万円前後、HF G10が15万円前後での販売が予想される。各製品の特徴を順に見ていこう。

キヤノン業務用ビデオカメラ初のAVCHD対応機「XA10」


XA10
同社の業務用ビデオカメラとしてラインナップされるモデル。本体上部に着脱式の多機能ハンドルを備え、カメラ部自体の小型化・軽量化を図ると同時に、ハイアマチュア向けモデルとしてもアピールする。記録媒体は64GBの内蔵メモリーとSDXC/SDHCメモリーカードを採用し、SDカードスロットは2スロット搭載する。2枚のSDカード挿入時は、両方のカードに動画をバックアップ用として同時記録できる機能も備えている。記録ビットレートは24/17/12/7/5Mbps、フレームレートは1080/60i・30p・24pを選んで設定できる。


SDカードのスロットはダブルで搭載する
撮像素子は業務用の上位機「XF105/XF100」にも採用された独自開発センサー「HD CMOS PRO」を搭載。総画素数約237万画素、有効画素数は2メガ。センサーサイズは1/3型。一つずつのセルサイズは2.75μmと、面積を広く取ることで画素により多くの光を取り込み、高感度撮影を可能にしている。オンチップのマイクロレンズは曲率を大きく取り、マイクロレンズとフォトダイオード間の距離も短縮することで、入射光を無駄なく確実にフォトダイオードへ送り込む構造とした。フォトダイオード自体も面積が拡大され、集光効率が同社の従来品センサーより高められている。カメラの最低被写体照度は3ルクス。

映像エンジンは「DIGIC DV III」を搭載。明暗差の大きなシーンではカメラが自動でダイナミックレンジを広げ、白飛びや黒つぶれを抑えて最適なバランスを保った映像を再現する。

光学10倍ズーム対応レンズは35mm換算で広角側30.4mmをカバー。F値は1.8〜2.8。8枚羽根虹彩絞りが搭載され、自然なボケ味を表現した撮影が可能になった。ズーム機能と防振機能を1つの群が兼務し、リアルタイムで自由自在に動かせる「3次元リアルタイムレンズ機構」を搭載し、安定性に優れた高精度な手ブレ補正を実現している。


ハンドルユニットが付属する

XLRマイク入力も装備
撮影スタイルが選べる着脱式の多機能ハンドルは本体に標準装備。ハンドル装着時には、XLR端子やマイクホルダーなどが利用できる。他にもハンドルにはトリガーキーやズームボタン、IR LEDやタリーランプも備えている。ハンドルを外した状態の本体は、コンシューマー機の「iVIS HS G10」と同サイズで、コンパクトな撮影スタイルを可能にする。着脱可能な遮光・保護用のレンズフードも付属する。

3.5型約92万画素の液晶モニターは抵抗膜方式のタッチパネル操作に対応。0.24型約26万画素のCVFもハイブリッドで搭載する。絞り/シャッタースピード/ゲインなどの値がフルマニュアルで独立設定でき、タッチパネルやカスタムダイヤルによる設定が可能だ。また、カラーピーキングやゼブラパターン、カラーバー&テストパターンなど撮影アシスト機能も充実する。また撮影アシスト系の機能については、ハイアマチュアユーザーの使い勝手も高めるよう、顔検出AFや顔追尾機能のほか、撮影フレーム内に顔が検知された場合のみ、顔にフォーカスと露出を合わせる「フェイスオンリーAF」にも対応する。

その他、赤外線撮影にも対応しており、赤外暗所撮影を可能にする「INFRAREDモード」を装備。さらに分散デフューザーを内蔵したことにより、LED照明光を拡散して画面の周辺まで明暗差のない赤外撮影が行える。赤外線撮影は緑色の通常IRモードと白黒IRモードから選べる。

内蔵マイクはズーム連動を含む4段階に広がり感を切り替えられ、マニュアル設定でモノからワイドまで指向性を設定することも可能だ。別売の見通し約50mまでカバーするワイヤレスマイク「WM-V1」も使用可能。

本機が搭載する「シネマルックフィルター」機能は、撮影前に「セピア」など9種が設けられたフィルターを設定することで、シネマライクな雰囲気のある映像が撮影できるフィルター機能。従来機種から用意されている「シネマスタンダード」に加え、「ポップ/ファンタジー/クール/ノスタルジック/セピア/オールドムービー/メモリー/ダイナミックモノクローム」が搭載され、日常の映像を映画の場面のように楽しく撮影できる。フィルターをかけた映像はそのまま記録され、あとから再生時に効果をON/OFFすることはできない。ただし、撮影前にモニターでフィルターをかけた映像をプレビューして確認することは可能だ。また効果の強弱も段階設定できる。「シネマスタンダード」では色の濃さやコントラストなど、4つのパラメーターを細かくカスタマイズした画づくりも行える。

撮影したHD映像はカメラ本体内でSD画質のMPEG-2映像に変換できる。変換後はウェブ上の動画共有サイトなどにアップして楽しむことも可能だ。


「XA10」の技術を踏襲したコンシューマー機トップモデル“iVIS”「HF G10」


“iVIS”「HF G10」
「HF G10」は業務用モデル「XA10」の開発により培われた技術を搭載した、コンシューマーシリーズ“iVIS”の最上位機。記録媒体は32GBの内蔵メモリーとSDXC/SDHCメモリーカードを採用し、SDカードスロットはダブルで搭載。2枚のSDカードへのリレー記録機能を備える。最高24Mbpsの高精細ハイビジョン記録や、ネイティブ24p記録を実現している点はXA10と同じ。独自開発センサー「HD CMOS PRO」や映像エンジン「DIGIC DV III」などは、XA10同様に搭載されており、XA10の高画質な映像がそのまま撮れるコンシューマーモデルとなっている。

本機もSDカードスロットはダブル搭載

XA10との主な違いは本体内蔵メモリーの容量のほか、HF G10ではXA10に標準付属する専用グリップが使えない。また赤外線撮影機能も省略されている。

代わりにHF G10は、本体上部後方にミニアドバンストシューを設け、オプションの5.1chサラウンドマイクロホンなどが接続できるようになっている。内蔵マイクは指向性/周波数特性が選択できる。

ミニアドバンストシューを搭載

レンズはXA10同様、光学10倍ズームに対応。3群移動方式の独自開発によるズームレンズを搭載したことにより、35mm換算でワイド端30.4oの広画角を実現しながら、レンズ口径の小型化を両立し、コンパクト化を実現した。

また移動群を増やしたことで、ワイド端での歪曲収差も改善されており、基本的な性能である「静粛性」と「ズーム速度」も高精度化を実現している。光軸に対して上下左右に動く手ブレ補正用シフトレンズと、前後に動くレンズを一体化することで、リアルタイムで自由に動く新開発の「3次元リアルタイムレンズ」機構を採用している。

撮影をアシストする機能は、38のシーンをカメラが自動で判断し、適正な映像に設定する「こだわりオート」機能を装備。また本機種に加え、同日発表されたキヤノンの新“iVIS”シリーズのスタンダードモデル「HF M43」「HF M41」から新たに「シナリオモード」が採用された。

「シナリオモード」は、本体にプリセットされている10種類のテーマとおすすめ撮影シナリオに従って、ストーリー性やリズム感に富んだ作品づくりが手軽に行えるアシスト機能。

撮影をスタートする前に、「旅行/キッズ/学校行事/ホビー/スポーツ/パーティー/イベント/メッセージ/ブログ/プロモーション」の10種から撮りたいテーマに合ったプリセットを選ぶ。ビデオカメラのモニターには、「旅行」などテーマに合わせて「撮るべきシーン毎の映像」が表示されるので、ユーザーは順番に従ってガイドされるシーンを撮影していくことで、プロフェッショナルライクな映像をつくるための素材を撮影して行くことができる。

集まった撮影済みの素材はテーマごとに自動保存・整理されるので、全てのシーンを撮影後、カメラの「自動シナリオ順再生機能」によりシナリオに沿ったストーリー性のある映像を楽しむことができる。撮影したカットはユーザーが出来具合をみながら5段階でレーティングできるので、後ほどレートの高い映像(満足度の高い映像)だけをまとめて再生することも可能だ。BGM付再生機能も備えている。

そのほか「タッチデコレーション」は、本体付属のスタイラスペンを使いながら、撮影時に動画とともに、タッチ操作対応のモニター内に自由に画像をデコレーションできる機能。27種類のフレーム画像を合成したり、4種類のペンでフリーハンドの落書きを描いたり、メッセージを描き込むこともできる。ペンで描けるカラーは全30色。キラキラ模様のアニメーションをカメラで撮った映像と一緒に記録するなど、アニメーション機能も全8種が用意されている。なお、アニメーションは撮影前に指定する必要があり、後でプレイバック時に加えることはできない。

本体内部でHD撮影した映像をSD変換できる機能も設けており、変換時にデコレーションを加えられる。またXA10同様の「シネマルックフィルター」機能も設けられている。

【問い合わせ先】
キヤノンお客様相談センター
TEL/050-555-90003

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製品スペックやデータを見る
  • ジャンルメモリームービー
  • ブランドCANON
  • 型番XA10
  • 発売日2011年3月中旬
  • 価格¥OPEN(予想実売価格200,000円前後)
【SPEC】●記録フォーマット:AVCHD ●記録メディア:内蔵メモリー64GB、SDHC/SDXCメモリーカード(ダブルスロット) ●撮像素子:1/3型 約2.37メガ HD CMOS PRO ●撮影レンズ:光学10倍、8枚羽根虹彩絞り ●記録ビットレート:24/17/12/7/5Mbps ●液晶モニター:3.5型 約92万ドット タッチパネル ●CVF:0.24型 約26万ドット●最低被写体照度:0.1ルクス ●外形寸法:約130W×177H×205Dmm(レンズフード、マイクホルダー、ハンドル、アイカップを含む。グリップベルトは含まない) ●質量:約820g(撮影時総質量)
  • ジャンルメモリームービー
  • ブランドCANON
  • 型番HF G10
  • 発売日2011年3月中旬
  • 価格¥OPEN(予想実売価格150,000円前後)
【SPEC】●記録フォーマット:AVCHD ●記録メディア:内蔵メモリー32GB、SDHC/SDXCメモリーカード(ダブルスロット) ●撮像素子:1/3型 約2.37メガ HD CMOS PRO ●撮影レンズ:光学10倍、8枚羽根虹彩絞り ●記録ビットレート:24/17/12/7/5Mbps ●液晶モニター:3.5型 約92万ドット タッチパネル ●CVF:0.24型 約26万ドット ●最低被写体照度:0.1ルクス ●外形寸法:約77W×78H×151Dmm(レンズフード、グリップベルトは含まない) ●質量:約590g(撮影時総質量)