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日立の1080p出力可能ビデオカメラにも注目

<Inter BEE>パナソニック、カメラ〜モニターまで3Dをアピール/池上通信機のFEDマスモニお目見え

2010/11/17 ファイル・ウェブ編集部
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本日より19日まで、幕張メッセにて「Inter BEE 2010」が開催されている。今回の目玉はやはり「3D」。3Dカメラや編集システムなどの出展を行うブースが多数登場していた。

■パナソニック

パナソニックブースは、正面に152V型、103V型、85V型、50V型の大型3Dディスプレイを設置してデモンストレーションを行っていた。今回はディスプレイを4つのグループに分け、それぞれに映像入力を設けている。説明員は「通常3Dメガネと3Dディスプレイは1対1の関係にあるが、各入力信号の同期をきちんと取ることで、1つのメガネを使って複数ディスプレイの3D映像を見られるのが特徴のデモだ」と説明していた。

パナソニックブース。152V型3Dディスプレイなどを正面で訴求

また、今年8月より発売されている二眼式カメラ「AG-3DA1」も、タッチアップブースを設けて訴求していた。本機の特徴は二眼レンズ方式のため左右の映像を1台で撮影できること、またコンパクトで持ち運びやすく、さまざまなシチュエーションでの撮影が可能なことだ。コンバージェンスポイントは、リングで簡単に調整することができる。記録方式はAVCHDプロ用高画質のPHモードを採用。2枚のSDHCカードに左右のフルHD映像を同期収録することが可能だ。これまでに、全世界的に1,000台程度が販売されているという。

AG-3DA1

コンパクトなため様々な場所での撮影が可能。こちらは水中撮影用のプリンプ

そのほか、12月に発売されるマイクロフォーサーズレンズマウント搭載の業務用HDカメラ「AG-AF105」も実際に触ってみることができた。本機は4/3型MOSイメージセンサーを搭載した業務用HDカメラ(関連ニュース)。AVCCAM初の交換レンズ方式で、マイクロフォーサーズ規格のレンズを使用することもできる。また、マウントアダプターを使用すれば35mmフィルムカメラ用レンズや、プライムレンズなどの装着も可能で、幅広いレンズを使っての撮影ができるのが特徴だ。なお3D撮影用レンズ「H-FT012」は本機では使用できない。ブースには様々なレンズを装着したAG-AF105が用意されていた。

AG-AF105


■キヤノンマーケティングジャパン

キヤノンマーケティングジャパンのブースでは、新製品となる業務用ビデオカメラ「XF105」を出展していた。こちらは2011年1月中旬の発売を予定しており、価格はオープンだが実売40万円前後となる見込み。

XF105

光軸補正など3D撮影サポート機能を用意しているのも特徴

記録フォーマットはMPEG2で、記録メディアにはCFカードを採用し2枚同時記録にも対応する。上位モデル「XF305」「XF300」などから小型・軽量化を実現した。

3D撮影サポート機能を用意しているのも特徴。手ブレ補正機能を利用した光軸補正により、本機を2台使用する3D撮影の場合でも、カメラ間での画像位置の違いを簡単に修正することができる。また、GENLOCK同期も行える。2台のビデオカメラ間の同期を取り、被写体が動いても破綻しない立体映像が撮影できるという。

そのほか、3Dブリッジケーブルシステムもデモを行っている。これは、ロータリーエンコーダーを搭載した既存レンズのソフトウェアをアップデートし、左右それぞれのレンズ間を3Dブリッジケーブルで接続することで、2台のカメラのズームやフォーカスを揃え、精度の高い3D映像撮影ができるというもの。同社は「既存レンズが使用でき、特殊なコントローラーも必要ない。シンプルで安価に3D撮影ができる」と説明していた。

3Dブリッジケーブルシステムの解説

3Dブリッジケーブルシステム

そのほか、EOS 1DやEOS 5D MarkIIなどのデジタル一眼レフカメラを使用したフルHD動画の撮影体験コーナーなども用意されていた。


■ソニー


XDS-PD2000
ソニーは、XDCAMシリーズを使ったファイルベースワークフローソリューションを推進する新モデルとして、XDCAM Stationの「XDS-PD2000」(2011年3月発売)をはじめXDCAMメモリーカムコーダー「PMW-500」などを出展した。

また3D製作向けには、ノンリニア編集ソフト「Vegas Pro 10」に3D制作編集機能を搭載したほか、独自のアルゴリズムで2D映像を自動かつリアルタイムに3D変換する2D/3Dコンパ−ターソフト「MPES-2D3D1」の開発も行ったという。


■東芝

東芝のブースでは、エリアワンセグのデモが行われていた。これは微弱電波によって限られたエリア内のみに特定の情報をワンセグ送信できるというもの。たとえばイベント会場などで限定番組を放送したり、一部地域に災害情報を送信することが可能だ。

エリアワンセグ放送システムのしくみ

限られたエリアのみに最適な情報を送信することができる


ワンセグ送信機「AR-2000」

ワンセグコンテンツ配信装置「AH-2000」
ワンセグコンテンツ配信装置から、IP経由でワンセグ送信機にデータを送りこみ、そこから微弱信号アンテナを介して、特定エリアにコンテンツを送信するしくみ。ブースに展示されていたワンセグ送信機では、1mから2,000mの範囲に送信することが可能だという。説明員は「来年7月の地上アナログ放送停波後を目処に商品化を検討していきたい」と話していた。


■富士フイルム

富士フイルムは、3D撮影用のレンズシステムを多数出展していた。

コンパクトかつ軽量な「XA4×7.5BMD-D3L/D3R」を使ったシステムは、2つのカメラをコントローラーで同時に操作できるのが特徴。「XA4×7.5DA-1」を使ったシステムは、ズームやフォーカスの制御信号を1本のケーブルで伝送でき、簡易なシステム構築ができるのをアピールしていた。

XA4×7.5BMD-D3L/D3R

また、ワイヤレスの3D撮影システムもデモされていた。レンズとコントローラーの間を2.4GHz帯でやりとりし、離れた場所からズームなどの操作を行うことが可能というもの。たとえばクレーンに乗って高いところから撮影する際など、有線システムだと長いケーブルが必要だが、こちらを使えばケーブルに煩わされずに撮影できる。環境によって変化するが、100m程度離れても使用可能だという。

ワイヤレス3D撮影システムの送信機。こちらをコントロール側に設置

ワイヤレス3D撮影システムの受信機。カメラ側に設置する

年内の発売を予定しており、送信機・受信機のセットで3〜40万円程度での販売が見込まれるという。

ワイヤレス3D撮影システムの解説


■池上通信機

池上通信機のブースでは、業務用カメラやマスターモニターなどを多数展示している。

小型CCDカメラ「MKC-300HD」を使った3D撮影デモを実施していた。本機は筐体が小さいため人間の目の幅と同じ間隔で並べられること、大がかりな設置をしなくて良いことがメリットだという。「ズームもできないし自動でカメラを動かしたりもできないが、コンパクトなところは魅力。顕微鏡の上や、手術台のライトの上に取り付けたりなど医療分野を中心に導入されている」(同社説明員)とのこと。なお1台ずつの販売も勿論行っている。

MKC-300HD

また、FEDのマスターモニターも参考出展されていた。こちらは発売時期未定。同社説明員は「ブラウン管モニターの画質を支持するお客様はやはり多い。ブラウン管がなくなる前にFEDに移行したいと考えているが、問題はFEDパネルの量産化がまだ実現していないこと。今後は中国、台湾、韓国などのメーカーからFEDパネルを仕入れられるようにしていきたい」と語っていた。

FEDのマスターモニター(参考出展)

次世代モニターとして注力しているという


■日立国際電気

日立国際電気は、1080p出力が可能なビデオカメラ「DK-H100」を参考出展していた。年内の発売を見込んでおり、価格は未定。

DK-H100

DK-H100を使った撮影デモも行われていた

詳細の多くは語られなかったが、通常のCCDよりも2倍の速度で駆動するCCDを撮像素子として採用しているとのこと。「プログレッシブ出力ができるので、映像の時間差が無く、PCによる編集作業などが楽に行えるのが特徴」(同社説明員)だという。


■富士通

富士通は、スーパーハイビジョンをH.264コーデックの1080/60pで伝送するデモを行っていた。p/i変換が必要ないため圧縮効率は従来の2倍となり、さらに装置も少なくて済むという。

スーパーハイビジョンをH.264コーデックの1080/60pで伝送するデモ

本技術の詳細


■KDDI研究所

KDDI研究所は、カメラとカメラの間の映像を補間し、視点を自由に動かして楽しめる技術のデモを行っていた。

例えばサッカーの中継で、フィールド内部や上空などカメラ設置が困難な場所から撮影しているかのようなアングルの映像を演算・合成して楽しめるというもの。デモでは、グラウンドの周りにある8個のカメラのあいだの映像を演算して補間し、フィールドをぐるりとなめるように動いたり、上から眺めることができた。なお、撮影しながらのリアルタイムレンダリングはまだできないとのことだ。

3D自由視点デモの技術解説

デモではフィールドをぐるりとなめるように動いたり、上から眺めたりすることができた

また、8K映像の圧縮技術のデモも実施していた。これはKDDIがH.264をスーパーハイビジョン用に独自拡張したコーデックを使用している。圧縮の際のブロックサイズを大きくしたほか、フィルター処理もデフォルトで行い、画質劣化を復元することが可能。将来的にはIPTVでのスーパーハイビジョン配信時などでの使用を目指しているとのこと。2020年頃のリリースを予定しているという。

8K映像の圧縮技術の解説

8K映像圧縮用デコーダー

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