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次世代大容量光ディスクなどへの応用に期待

ソニーと東北大学、100W出力の青紫色超短パルス半導体レーザーを共同開発

公開日 2010/07/20 17:28 ファイル・ウェブ編集部
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東北大学・未来科学技術共同研究センター 横山弘之教授とソニー(株)先端マテリアル研究所は、レーザー光のピーク出力を従来の世界最高値から100倍向上させた青紫色超短パルス半導体レーザーを共同開発した。

今回両者が開発に成功したのは、波長405ナノメートルの青紫色領域で、3ピコ秒の超短時間幅、100Wの超高ピーク出力、1GHzの繰り返し周波数を持つ光パルスを発生できる半導体レーザー。新開発・独自構造の窒化ガリウム(GaN)系モード同期型半導体レーザーと光半導体増幅器を高度に制御することで、従来の青紫色パルス半導体レーザー出力の、世界最高値の100倍以上におよぶ100W超のピーク出力を実現した。


青紫色超短パルス半導体レーザー発振の様子。矢印部分は光半導体増幅器

新たに開発された青紫色半導体レーザー(右)と、光半導体増幅器(左)
今回開発された半導体素子の組み合わせによる半導体レーザーシステムは、従来の装置を大幅に小型化でき、専門技術者によるオペレーションの負担を回避できることから、用途の拡大が見込まれる点が特徴であるという。

また開発された超高出力・超短パルス半導体レーザー光源では、高強度レーザー光のもとでのみ生じる光子吸収と呼ばれる非線形現象が利用でき、レーザー光をレンズで集光した際に、レンズの焦点付近でのみ、レンスの焦点スポット径よりも小さな領域で化学変化や熱的な変化を起こすことができる。この性質を応用することで、無機・有機物質のナノメートルオーダーの3次元微細加工や、次世代大容量光ディスク記録など、幅広い分野における応用の可能性が広がるとされている。ソニーでは本技術の次世代大容量光ディスク用途への原理検証として、プラスチック材料の内部に3マイクロメートルごとに直径300ナノメートル程度の空孔を空けて、これをレーザー光で読み取る実験に成功しているという。

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