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IFA2009レポート

BDA幹部が語る“3Dブルーレイ”普及のための戦略

2009/09/04 Phile-web編集部・小澤
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Blu-ray Disc Associationはプレスカンファレンスにおいて、欧州におけるブルーレイの現状と、3D映像を収録するフォーマットを制定するための今後のとりくみについて説明を行った。

カンファレンスにはBDAのChairman Global Promotion CommitteeであるVictor Matsuda氏をはじめ、AmazonやSPHEなどから6名が登壇。それぞれの視点から、ブルーレイの現状と今後について発表がなされた。

Victor Mastuda氏

まず登壇したVictor Matsuda氏は、「2003年に規格が決まってから、BDは広く普及してきた。今後家庭で3D映像を楽しむことがスタンダードになるだろう。BDはハイクオリティな3D映像を収録できる優れたメディアで、ホームエンターテイメントの次の世代を切り開こうとしている」と挨拶。Chairman BDA 3D Taskforce and Vice President Studio New Technologyを務めるウォルト・ディズニー・スタジオのBenn Carr氏とともに、対談形式で3Dのこれからについて説明した。

「3D普及のため、BDAはこれからどうしていくべきか」とMatsuda氏が問うと、Carr氏は「我々はコンテンツをつくり、BDAはフォーマットを策定する。そしてAV機器メーカーは対応機器をつくる。それぞれが協力して普及を進めていくべきだ。仕様策定については、『右/左両方に1080p映像を届けること』『BD側も再生機器側も、古い規格との互換性を持つこと』が大切。そのためには、ソフトは2D映像も収録している必要がある。コンシューマーは非常に堅調なペースでBDを受け入れている。BDは3D映像を家庭で楽しむための理想的なパッケージメディアプラットフォームになるだろう」と語った。

対談するBenn Carr氏(左)とVictor Mastuda氏

またSony Pictures Home EntertainmentのVice PresidentであるRich Marty氏からは、BD-LIVEを使った新しいコンテンツ「movieIQ」が発表された。これはインターネットを通じて、気になる俳優や製作者などの情報を調べることができるというもの。情報は随時更新され、視聴中でも利用することができる。

Rich Marty氏


movieIQの利用イメージ。俳優などの情報に加え、ロケ場所などについての情報も閲覧できる

本編視聴中もmovieIQを利用できる

BDAのChairman European Promotion CommitteeのNeils Leibbrandt氏は、欧州のBDソフト販売の現状について説明。「欧州のBDソフト販売は着実に増加している。現在150以上のプレーヤーが発売されており、発売BDタイトルは1,500を超える。2011年にはヨーロッパの20%の家庭がBDを楽しめるようになるだろう。液晶テレビ市場でも、1080p対応モデルが着実に増えるみこみで、2012年には全体の38%が1080p対応機となる見込みだ。BDプレーヤーの75%がBD-LIVEに対応し、ドイツでは300以上のBD-LIVE対応ソフトが販売されている。さらにSPEから発表される『movieIQ』という新しい機能も追加される。BDの勢いを止めることはできない」と語った。

Neils Leibbrandt氏

ハード・ソフトともにBDが非常に好調であることをアピールした

続いてAmazon.deのGmbH・Nicholas Denissenが登壇。「コンシューマーにとって重要なのは『欲しいタイトルが揃っているか』『価格はどうか』そして『どんなものでどんなクオリティなのか』という情報。現在Amazonでは3,000以上のBDソフトを用意しており、毎月100以上の新タイトルが追加されている。多くの人がレビューで画質や音質についての情報や、お気に入りのBDリストを交換しあったりしている。160ユーロという安価なプレーヤーも登場しているし、ソフトの値段も下がってきた。我々の立場から製作スタジオに求めることは『ラインナップをさらに拡大し、ポピュラータイトルをさらに増やしてほしい』『ハイクオリティが楽しめるプレミアムエディションなどをBDで用意してほしい』『BDのアップグレード情報を知らせて欲しい』という点。今後BDはもっと選ばれるようになるだろう」と説明した。

Nicholas Denissen氏

多くのユーザーがBDの情報を求めており積極的に交換しあっていること、より一層のタイトル充実を求めていることを説明した

Futuresource ConsultingのCompany DirectorであるJim Bottoms氏は、「BDプレーヤーやBDソフトはヨーロッパで着実に売上を伸ばしており、普及するにつれ価格も安価になっていくことが見込まれる。人々が2台目、3台目のBDプレーヤーを所有する日も来るかも知れない。またBDプレーヤーを持っているユーザーはソフト購入/レンタル/有料放送などの利用率も高く、映画好きのユーザーとも言えるだろう。新作をDVDとBDでリリースしたところ、BDのプレミアムエディションがDVDを大きく上回ったという結果もある。『映画好きはBDをチョイスする』と言えるのではないか。3D映像については、クリエーター、製作スタジオ、AV機器メーカーが協力することで視聴環境はどんどん整い、ホームエンターテイメントにとって貴重な存在になっていくだろう」と分析した。

Jim Bottoms氏

BDのプレミアムエディションをチョイスするユーザーが多いことを説明

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