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NTT開発の映像配信品質評価技術が国際標準規格に

公開日 2008/08/26 18:05
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映像品質客観評価モデルの概要
日本電信電話株式会社(NTT)は、同社が開発した映像配信サービスの客観品質技術が国際標準に採用され、ITU-T勧告J.247として正式に発効されたと発表した。

本技術は、NTT研究所がIPベースの映像配信サービスの「ユーザ体感品質(QoE:Quality of Experience)」を客観的に推定する評価技術として開発したもの。

従来、映像配信サービスに用いられる多様な符号化方式・ビットレートによる符号化劣化や、IPネットワーク特有の劣化であるパケット損失による劣化映像の評価技術が存在しなかったが、NTT研究所は、人間の知覚特性を考慮した「劣化量推定モデル」を確立。それに基づいて実際の映像を分析することによってQoEを推定する。

具体的には、まず基準映像と劣化映像を適切に比較するため、両者のフレーム及び画素の対応付けを行う。その後、映像全体に発生する劣化量算出、ブロック歪による劣化量算出、ボケに伴う劣化量算出などを行い、符号化による劣化量を推定。さらに、局所的な空間劣化量を算出することで、パケット損失による劣化量を推定する。

同社では、この技術を国際電気通信連合(ITU)の電気通信標準化部門であるITU-Tに標準化提案。足かけ5年にわたる世界的な性能評価コンテストを経て、ノミネートされた9機関の提案のうちNTT方式を含む4方式が、2008年8月13日に正式な勧告J.247として承認され、2008年8月22日に公開された。

(Phile-web編集部)

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