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【営業部長の2008年】パイオニアマーケティング 山崎一彦氏

公開日 2008/06/04 19:40
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AV専業として大いなる価値を提供
スタンスを変えずに邁進していく


パイオニアマーケティング(株)取締役 民生用営業部長 山崎一彦氏

昨年の4月からスタートした、プラズマテレビ“KURO”を商材とした顧客価値訴求の取り組みが、業界で大きな話題となった。商品導入前にお客様とのダイレクトコミュニケーションを図るイベントを全国展開した上、店頭効果を最大限にするアプローチを取引先各法人ひとつひとつに対して説明し、実施していった。

「一年が経過して、続けて来てよかったという思いを新たにしています。この取り組みにご賛同いただいた結果、従来に較べ展示数は減りましたが、映像と音を本当の意味でお客様に体感していただくビジネスを展開することができました。主力のPDP-5010HDでは、発売時期の価格指数を100とすると、この3月末の時点でも98を保っているという状態です」と振り返り、自信をのぞかせる山崎氏。

この流れに乗り、研修活動も強化して万全の体勢をとる。

「単なる商品研修ではありません。お客様の知りたいこと、聞きたいことは何か、がテーマとなっています。その場で特に伝えているのは、“物語”の必要性です。それを接客においてどれだけお伝えできるかで、販売店様のポジションやお客様との関わり方が自然に変わってくる、ということなのです。商品づくりの背景や思いなどをどれだけ語れるかは、オーディオビジュアルの世界において以前はあたりまえのことでした。特にビジュアル商品に物語が薄くなってから、価格や仕組みで戦わざるを得なくなったといえるのではないでしょうか。

この研修は、我々のセールスマンをはじめ、PASS会メンバーおよびパートナーである販売店様に向けて実施しています。“KURO”は他メーカーに比べると高価であり、お客様のターゲットは限定されるかもしれませんが、その代わり満足度や喜びは計り知れないものがあると自負しています。また各ご販売店様からは、AV専業メーカーとしてこの手法は間違いなくある、と評価いただき、大変有難く嬉しい限りです」。

去る3月7日の同社による『プラズマにおけるパネルモジュールの自主生産撤退』のニュースは、業界内に激震を走らせた。現状では、パネル供給元となるメーカーとの詰めが行われている。

「パイオニアがオーディオビジュアルの専業メーカーとしてこれからも生きていくというスタンスは変わりません。そして、ディスプレイにアプローチするデバイスとして現段階でもプラズマが最高であると認識しています。これからもパイオニアのDNAは変わらず、価値を変えることなく、“KURO”をお届けするべく調整しています。販売店様にはご説明申し上げていますが、すべてが決定した段階で改めて公表させていただきたいと思います。

オーディオビジュアル専業メーカーとして、プラズマテレビ“KURO”を中心に据え、映像と音の大いなる感動をお届けする、というのがパイオニアの基本的なスタンスである、と山崎氏。“KURO”のトータルビジネスの中で、これからは音を強化していく。

「映像と音を合わせたマルチチャンネルの訴求に注力していきます。放送インフラも整ってきており、北京オリンピックも控え、まさに今、機が熟しつつあると認識しています。

また、パイオニアとして、ピュアオーディオの強化にも一層力を入れて参ります。ここ2年ほど、オーディオの復活をテーマにさまざまな取り組みをしており、そういった中でTADの立ち上げなどを実現致しました。スピーカーは大分揃ってきましたので、今後はアンプやプレーヤーもご提案致します。話題となっておりますAVマルチチャンネルアンプSC-LX90の、ピュアオーディオ展開も考えられます」。

また昨年発足された「PASS会」も活発な活動を続けている。

「業界の健全な発展を目指し、旧PASS専門店様と地域店様をベースに発足致しました。『経営研究会』『ディスプレイ販売研究会』『オーディオ販売研究会』『インストール販売研究会』という4つの研究会が展開されております。

このほど『経営研究会』の第一回目が開催されましたが、専門店様、地域店様の次の世代の人材育成や基盤強化といったことを目的として、経営者としてどうなりたいか、事業としてどう個性を出すかということをテーマにしています。

また4月16日にはPASS会の第二回総会が開催されましたが、おかげさまでご賛同いただく法人様も増えております。志を新たに、積極的に取り組んで参りたいと思います」。

オーディオビジュアルにおける顧客価値訴求の取り組み、2008年はその真価がますます問われるとき。パイオニアの展開に期待したい。

(Senka21編集部)

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