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シャープ、2007年度決算を発表 − 連結売上高は3.4兆円超、営業利益率は5.4%に

2008/04/25
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シャープ(株)代表取締役副社長 佐治寛氏
シャープ(株)は、2007年度(平成19年度)決算を発表した。通期の連結売上高は3兆4,177億円、営業利益は売上高比5.4%となる1,836億円を計上した。

本日都内で開催された決算発表会には、同社の代表取締役副社長の佐治寛氏が出席し、決算内容の詳細を説明した。

同社の連結売上高は液晶テレビをはじめ、携帯電話、大型液晶パネルが増加を牽引し、前年比9.3%増の3兆4,177億円を計上。5年連続で過去最高を達成した。一方、営業利益については前年比で1.5%減の1,836億円、経常利益が1.3%減の1,683億円となり、当期純利益は0.2%増加の1,019億円となった。

決算の内容を振り返った佐治氏は「下期だけを見れば営業利益が前年同期比で32.4%増加するとともに、255億円の増益となった。また営業利益率も4.8%から5.9%に上昇している。下期だけでみれば売上高、利益とも過去最高を更新したが、上期の減益分をカバーできなかった」とコメントした。

部門別の売上高を見ると、エレクトロニクス機器部門で、液晶テレビや携帯電話など「AV・通信機器」の売上高が前年比15.7%増加となる1兆5,989億円を計上。液晶テレビ、国内向け携帯電話が増加を牽引する要因となった。「電化機器」では冷蔵庫やエアコンが伸長し、前年比4.5%増となる2,498億円の売上高を記録。「情報機器」では複写機の好調により、パソコンが減少したもののほぼ前年並みとなる4,428億円の売上高となった。この結果、エレクトロニクス機器部門の合計では前年比10.8%増の2兆2,917億円を売り上げた。

電子部品等のデバイス部門は、CCD/CMOSイメージャーや液晶テレビ用大型パネル、携帯電話やデジカメ用の小型液晶が売上げを伸ばし、前年比で12.9%増の売上高となる1兆7,628億円となった。

一方で部門別の営業利益については、「AV・通信機器」が前年比86.2%となったほか、「電化機器」「情報機器」と合わせたエレクトロニクス機器部門全体で前年比3%減の792億円となった。電子部品等の部門では、液晶デバイスがふた桁伸長となり12.5%の伸びを記録したが、LSIやその他電子部品の分野で減益となり、全体では前年比1.1%減の1,043億円を記録した。

設備投資については前年比で10.9%増の3,153億円となり、このうち2,288億円が液晶部門単独に投資された。また研究開発費は前年比3.3%の1,961億円になった。

続いて2008年の業績予測が佐治氏より示され、売上高は前年比5.3%増の3兆6,000億円、営業利益は6.2%増の1,950億円がそれぞれ計画されている。営業利益率では5.4%となる。また設備投資については全体で3,300億円、液晶単体では2,200億円が計画されている。

さらに佐治氏は、同社の主要な事業の取り組みについて説明を行った。10型以上の液晶カラーテレビの販売高は前年比で32.7%増の8,141億円、台数ベースでは37%増加の825万台となった。この成果について佐治氏は「当初の目標値として掲げていた販売高8,500億円、台数900万台には未達となったが、主な要因は海外市場で十分な対応ができなかったため」と振り返った。また08年度の世界需要に関する見通しについては「先進国だけでなく新興市場での伸びも期待できるため、本年の1.3倍に当たる1億台を見込んでいる」とした。さらに今後のテレビ製品の方向性について佐治氏は「市場にマッチした製品を送り出していく。その一環として、先頃発表した“厚さ20mmの液晶テレビ”を商品化し、市場を活性化させるとともに、高画質・低消費電力などブランドイメージを上げながら次世代の方向へ導いていきたい。08年度の売上目標は1,000万台で9,000億円を計画している」とした。

また大型液晶デバイス事業についてコメントした佐治氏は「07年度同様に大きな需要が見込まれる。価格も安定して推移するだろう。大型パネルの需要が依然活発なため、本年7月には亀山第2工場のマザーガラスの投入枚数を月6万枚から9万枚に引き上げ、外販も含めて事業の拡大に努めていきたい。小型液晶もゲームや携帯電話が好調だ。液晶デバイストータルでは前年比9.0%増加の1兆3,450億円を計画している。現在建設中の堺工場についても、09年度中には稼働できるだろう」と予測を示した。

(Phile-web編集部)

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