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TI、300Wを実現した小型・高効率のデジタルアンプなどハイエンド向け最新デバイスを発表

2006/11/14
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新製品の位置付け

中央のチップがSRC4392
日本テキサス・インスツルメンツ(株)(日本TI)は、ハイエンドオーディオ向けの新製品として、サンプルレートコンバータ「SRC4392」と、デジタルアンプ用パワーステージ「TAS5261/TAS5162」を開発したと発表。本日、同社デモルームにて記者説明会を開催した。

SRC4392

「SRC4392」は、非同期サンプルレートコンバーター(SRC)とDIR(デジタル・オーディオ・インターフェース・レシーバー)、DIT(同トランスミッター)を1チップ化した製品。SRC部は、144dBのダイナミックレンジ、最高216kHzのサンプルレートに対応しており、ミキシングコンソールなどのプロ・オーディオ機器や放送機器などに最適な設計となっている。

本製品は、サンプルリング周波数216kHzまで連続対応する非同期サンプルレートコンバーターを搭載することで、様々なコンテンツを周波数を意識することなく入力し、一定の周波数で出力が可能。これにより後段のDSPでの煩雑な係数変更の処理が不要となるのが特長だ。

同社は、ダイナミックレンジ128dBの下位モデル「SRC4382」も同時に開発。さらに、DIR/DIT部のみを製品化した「DIX4192」も用意した。

SRCとDIR、DITを1チップ化したのが特長

SRC4392の詳細

SRC4392のターゲット


TAS5261 / TAS5162

TIの第三世代デジタルアンプの最新モデルとして開発された両製品。TAS5261は、初めて1チャンネル当たり300Wを超える、315Wの出力を実現したPurePathパワーステージICで、セットの小型化と高出力を同時に実現可能だ。なお、下位モデルTAS5162の出力は最大200W。

ターゲットとなる製品はAVアンプやアクティブ・サブウーファー、ホームシアターシステムなど。高効率の本製品を採用することで、部品点数、システムコスト、基板サイズなどの低減を実現することが可能だ。大出力ながらサイズの小型化を実現したことで、各種製品の小型・高性能化に寄与することができる。

中央に2つ並んだチップがTAS5261

TAS5261の特長

TAS5261を使ったシステム構成例



戦略企画本部長 岡野氏

同氏の説明する“入り口から出口”

デモでは評価機でB&Wのスピーカーを鳴らした
本日記者会見に出席した戦略企画本部長の岡野氏は、同社の取り組みなどについて説明を行った。

現在、同社において最大の事業となっているのが、携帯電話向けの半導体開発。またテレビの薄型化に伴い、スピーカーアンプがクラスDへ急速に移行しており、これらに対応したチップの需要も大きな伸びを見せているという。これにより、来年の日本市場のテレビ製品の多くにTI製チップが採用されることになるだろうと同氏は語る。また今回の新製品については、小型、高効率化が求められる今後のデジタルAV製品に最適なデバイスであると説明した。

また同氏は、DSPの重要性を語るとともに、信号回路の入り口と出口であるアナログ製品も非常に重要であると語り、AD/DAコンバーターを含めた全てのデバイスで世界最高を目指したいと語った。

説明会の最後には、新製品を組み込んだ評価機でCDの再生デモを実施し、性能の高さをアピールした。

【問い合わせ先】
日本テキサス・インスツルメンツ(株)
プロダクト・インフォメーション・センター
http://www.tij.co.jp/

(Phile-web編集部)

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