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三洋電機、「Think GAIA」コンセプトの第一弾商品となる市販用二次電池を発表

公開日 2005/11/01 18:47
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三洋電機(株)は本日東京都内において記者会見を開き、同社の新しい企業ビジョンである「Think GAIA」のビジネスプランと、その第一弾商品となる次世代市販用二次電池新製品の発表を行った。

本日開催された新製品発表会には同社代表取締役会長 兼 CEOの野中ともよ氏、ならびに専務執行役員 パワーグループ長 モバイルエナジーカンパニー社長の本間充氏が出席した。同社が掲げる「Think GAIA」のコンセプト紹介は別項に譲り、本項では同社が発表した新しい電池の内容からご紹介して行こう。

本日同社は、二つの新しい市販用二次電池製品を発表した。

はじめに紹介されたニッケル水素電池「eneloop(エネループ)」では、従来の二次電池における弱点とされていた「自己放電」のスペックを大幅に改善することにより、「買ってすぐ使える」「充電しておけばすぐに使える」といった乾電池と同等の利便性を実現した。また負極材料である「超格子合金」の高性能化、および電池構成・極性材料製造技術の最適化なども行いながら、同社独自技術による高容量化も実現している。同社製デジタルカメラを用いた実験時には、乾電池と比較して約4.4倍の撮影枚数を実現しているという。また、乾電池のパワーが出にくい低温下での使用においても優れたパワーと長時間使用を実現している。


ニッケル水素電池「eneloop(エネループ)」

eneloopの特長
なお、商品の単位については、単三型が2個入り/4個入り/8個入りの各単位でパッケージされ、11月14日より発売となる。2個入りパッケージが1,155円(税込)で、それ以外のパッケージはオープン価格だ。単四型も2006年1月21日より発売を開始し、2個入り/4個入りでパッケージされる。価格は2個入りパッケージが945円(税込)で、4個入りはオープン価格。単三型についてはコンパクト急速充電器とのセットも発売される。

本製品は従来の乾電池使用機器の全てに使用することができる。同社は「約1000回の繰り返し使用が可能」であるとしており、「電池を使い捨てない生活」を提案していく考えだ。使い終わった電池は、従来の充電式電池と同様、全国約3万箇所の電気店、量販店などに設置されているリサイクルボックスにて回収、再利用ができる。


eneloopのコンセプト
電池チューブと外装パッケージは脱塩ビ化を行い、さらに外装パッケージについては再生PET素材の採用、および単一素材化を行い、廃棄時の分別の手間を解消している。

次に紹介されたのは同社が「世界最高容量電池」のコンセプトを謳う、ニッケル水素充電池「Ni-MH2700(単三型)」「Ni-MH1000(単四型)」だ。こちらは11月21日から発売され、単三型2本入りパックが税込1,260円、単四型2本入りパックが税込1,050円となる。


Ni-MH2700(上)とNi-MH1000(下)
新電極材料の採用、電池構成の最適化、新規生産技術の導入により、2700mAhの高容量化を実現している。同社製デジタルカメラによる撮影実験では従来充電池より約40枚多い撮影が可能であるという。

同社としては、今後これらの新製品について「eneloop」を一般乾電池ユーザーに、Ni-MH2700/Ni-MH1000をデジタル機器のヘビーユーザーにそれぞれターゲットを設定して販売に力を入れていく。

新商品のコンセプトと同社パワーグループの取り組みについては本間氏が登壇し説明を行った。


三洋電機(株)本間充氏
新製品「eneloop」の特長について本間氏は「乾電池の良さ、充電池の良さを融合させた画期的な商品。エネルギーを循環させるかたちの社会を実現する21世紀の電池」とコメントした。今後の販売展開については11月14日の市場導入後「当面は日本市場で、三洋ブランドのみで展開した後、来年以降から海外展開とOEM展開を行いたい」と語る。

「Think GAIA」実現のためのパワーグループの事業展開については、「二次電池の技術、カーエレクトロニクスの技術で培ってきた技術資産を活かしながら、“自動車のエレクトロニクス化”など自動車と環境の共生を進化させるような未来の技術を後押しして行きたい」とした。特に充電池への取り組みについては、現在世界中で年間約400億個の乾電池が使い捨てられているというデータを示しながら、「後生の人々にとっても、住みよい地球環境をかなえていくためにも、“電池は繰り返しつかうもの”であることを呼びかけ、脱・乾電池化のキャンペーンを推進していきたい。当社のものづくりについても、環境負荷の低減、再資源化、省資源化にも気を配りつつ、充電池の限界にチャレンジしていきたい」と強い意気込みを顕わにした。


地球環境への配慮についても力を入れる考えを示した

二次電池の技術、カーエレクトロニクスの技術で培ってきた技術資産を活かして未来へ向けた提案を積極的に行うことを宣言
今後のビジネス戦略について本間氏は「現在、同社は二次電池市場で世界No.1のシェアを獲得しているが、今後10年で数量・金額ともに倍の成長を遂げたい。eneloopで二次電池の新しい市場を開拓し、Ni-MH2700/1000で確固たる地位を築く。ゆくゆくは二次電池の市場だけでなく、一次電池の市場にも狙いを定め、大きなシェア獲得を実現したい」とした。


2つの新製品で一次電池の市場にも食い込むほどのシェア獲得を狙う
【問い合わせ先】
三洋電機(株)パワーグループ モバイルエナジーカンパニー
市販事業統括BU 国内営業部 販売企画課
TEL/06-6994-3315

(Phile-web編集部)

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  • ブランドSANYO
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  • 発売日2005年11月14日
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