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「DVDの互換性検証はいま」RRTのキーパーソンに訊く〜第2回:パイオニア・石井英宏氏

2005/10/27
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RWプロダクツ プロモーションイニシアティブ(略称:RWPPI)と記録型DVD会議(略称:RDVDC)は今月27日、パイオニア(株)の目黒本社にてジョイント・ラウンドロビンテスト(JRT)の全体会議を開催した。

今回はラウンドロビンテストの「ロジカルフォーマット(DVDレコーダー)」ワーキンググループのチェアマンとして活躍されるパイオニア(株)石井英宏氏に、現在ワーキンググループが取り組む課題についてお話をうかがった。


パイオニア(株)石井英宏氏
石井氏はパイオニアにおいて今夏に新設された技術開発本部の技術戦略部において、主にDVDレコーダーの研究開発に携わるスペシャリストだ。ラウンドロビンテスト(RRT)が今期取り組む「Stage 5」において、ワーキンググループとしては「R5」の検証ステージに到達している。具体的な検証課題は、「4倍速 DVD-R DLディスク(ビデオモード)の再生」「8倍速 DVD-R(CPRM対応・VRモード)の読み書き」「ビデオカメラ用8cm DVD-RW(VRモード)の読み書き」「6倍速 DVD-RW(VRモード)のイニシャライズ検証」と多岐に渡る。現在の検証課題のポイントについて石井氏は「今後地上デジタル放送が普及することを視野に、VRモードの互換性検証が重要性を増してきている。DVD-R DLディスクについてもVRモード記録に関する検証に取りかかっている」と説明する。

さらにワーキンググループの昨今の成果について石井氏にうかがった。石井氏ははじめにDVDレコーダーの市場概況について示した。パイオニアは2006年中にDVDレコーダーの出荷が世界で2,100万台の規模に到達することを予測しているという。今後様々なDVDフォーマットをサポートする「マルチドライブ」搭載機種や、地上デジタルチューナーやHDD・VTR機能を「複合化」した機種など、レコーダーやDVDディスクのフォーマットがさらに多様化して行くとともに、DVDカメラやDVD録画機能を搭載したAVパソコンなどアプリケーション自体も多様化していくことが予想される。このような環境の中で「マルチドライブ搭載や様々な機能を一体化したレコーダーはユーザーにとって便利な製品として受け止められていくだろうが、一方でこれらを制御するソフトウェアのボリュームが膨大に、複雑になりつつある。これによって、小さなプログラムエラーが機器の互換性に影響を与えるという課題も指摘されつつある」と石井氏は指摘する。

また初期のDVDレコーダーに加えて、最新のDVDレコーダーを買い増すユーザーも多くなり、新旧レコーダーによる互換性の問題にも取り組む必要性も高まっているという。このような現状において、「DVDレコーダーの多様化は、昨今アジアの有力メーカーが高性能なDVDレコーダーを積極的に市場に投入していることからも発生している。RRTでは、世界各国の主要メーカーが一堂に会し、互いの情報をいちはやく交換できるネットワークが築かれている点が大きな財産である」と石井氏は団体の活動を評価する。


RRTチェアマンのパイオニア(株)内海喜洋氏
本日のJRT全体会議から、台湾のBenQ Corporationが新メンバーとして加わり、全57社の参加となった。石井氏が所属するワーキンググループでは年内をターゲットに「Stage 5/R5」のレポートを取りまとめて、発表の機会を設けていく予定であるという。本日も各参加メンバーはそれぞれに4つのワーキンググループに別れて活動報告を行った。RRT全体としても、今後「Stage 5」の全体レポートの公開スケジュールが近日決定される見込みである。

「ロジカルフォーマット(DVDレコーダー)」WG

「ロジカルフォーマット(PC用ドライブ)」WG


「再生互換」WG

「フィジカルフォーマット」WG

(Phile-web編集部)

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