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IFA 2005の見所を訊く<Part.2>:ベルリン市長・ヴォルフ氏 単独インタビュー

公開日 2005/04/11 12:51
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世界最大のコンシューマー・エレクトロニクス展である「IFAベルリンショー」の開幕をこの秋に控え、音元出版はイベントのキーパーソンである、メッセ・ベルリン社のクリスチャン・ゲーケ博士、イエンズ・ハイテッカー氏、並びにIFAの監査役会副会長を務めるベルリン市長のハラルド・ヴォルフ氏への単独インタビューを行った。

【IFA 2005の見所を訊く〜Part.2】

ー IFA2003で成功したコンセプトを今年も継承されるということですが、2003年のショーからさらに進化する点について聞かせてください。


メッセ・ベルリン社COO クリスチャン・ゲーケ博士
ゲーケ氏 間接的な形でその進化といいますか、さらなる発展が出てくるのではないかと思います。冒頭でお話があったかと思いますが、変わっていかなければならない必要性に迫られている状況が今ありますので、現在はその岐路にあり、方向性を決める段階に来ていると言えます。今回はベルリン市長のハラルド・ヴォルフ氏に同行していただきましたが、これはヴォルフ氏がベルリンの市長であるという理由からだけでなく、当社の監査役会副会長であるということも関連しています。

アメリカでも似たような状況がかつてありました。具体的に申しますと、見本市のCESとコムデックスがありました。片方がコンシューマーエレクトロニクスで、もう片方がIT部門の見本市ということで発展してきましたが、それぞれが担当する分野が似通ってしまったという問題がありました。その様な状況がヨーロッパでも起こりうるということで、私どもも検討している課題があります。

ですから今後、毎年開催のペースでIFAを進めて行くということになりましたら、新たな顔を見せることも必要になってきます。IFA本来の位置づけとなっている主要分野の方に今後、力を入れていく見せ方になると思います。具体的に言いますと、コンシューマーエレクトロニクスで、エンドユーザーとの密接な関係、コンテンツである映画・音楽関係のコンテンツとの密接な関係に力を入れて、前面に押し出した提案になると思います。

コンシューマーエレクトロニクスの分野に関しては、市場において自然にリーダー格を占める形になるような分野ではないかと思いますが、それが私たちが描いている全体像にマッチしています。そことの関係に最も適切なのは私どものショーであり、昨年以前までケルンで開催されていました「ポップコン」という音楽関係のイベントを昨年ベルリンに移して本格的に開催しています。こちらとも非常にマッチした形になってくると思います。IFAの主催会社でありますメッセ・ベルリン社はドイツ見本市業界において実力があり、着実に成長してきた企業です。このような形で今後規模を拡大していくということに答えていくことができる能力を、私たちは充分持っていると確信しています。

次にメディア産業について申しあげますと、ヨーロッパの中でベルリンが、どんな種類のメディア分野に関しましても、世界に向けて情報発信するにあたって、最適な拠点ではないかと考えています。ベルリンはとても活力のある街ですし、メディア産業に対するベルリン市・州の注力の仕方が非常に特別なかたちにあります。そういうことも考えますと、最もふさわしい拠点なのではないかと考えます。

ー 次にハロルド・ヴォルフ市長にお伺いしたいと思います。今、メッセベルリンのゲーケ氏から、ベルリンがIFAにとって非常に素晴らしい場所であるというお話をいただきました。改めてドイツの中心であると同時にヨーロッパの中心でもあるベルリンが、ショーの開催場所としていかに素晴らしい特長を持っているかについて聞かせて下さい。


メッセ・ベルリン社 監査役会副会長を務めるベルリン市長 ハラルド・ヴォルフ氏
ヴォルフ氏 若い想像力の豊かな人たちにとって、ヨーロッパでベルリンは最も魅力的な街であるのではないかと思っています。その良い例が、ベルリンは音楽関係において大きなブームを巻き起こした街です。ドイツにおいてベルリンは首都であり、国際的に最も注目を集めている街です。

欧州圏における市場統一という意味においても、ドイツ共和国自体の東西の再統一においても、歴史的に象徴的な街であるともいえます。欧州連合が東方に拡大されたことによって、地理的に限らず経済的にも政治的にもまさに欧州の中心地に存在する街となりました。そういう意味で、各業界、分野においてイベントを行う場所として、また商品を紹介するに場所として最適であると考えます。

この様な発展の背景を持つベルリンは、コングレス(会議)を開催する拠点、また、イベントを開催する拠点として最も適した街だといえるのではないかと思います。今回私の訪日におきまして、メッセ・ベルリン社のお二人に同行させていただきましたのは、日本の企業が私どもにとって、どれだけの高い価値を持ち、重要な意味を持つ存在であるかということを、あらためて強調させていただくためです。また、IFAというイベントがベルリンにおいてどのような地位をもつかということについてお話したかったのです。

ー 市長自身がIFAの監査役会の副会長を務められているとのことですが、IFAはベルリンにとってどういう意味で重要性を持っていますか。


ヴォルフ氏 IFAはベルリンで開催されている見本市の中で最大規模の見本市のひとつです。同時にベルリンは外国からの訪問者が非常に数多い街です。IFAが開催されている期間はコンシューマーエレクトロニクス業界におきまして、国際的にとても重要なコミュニケーションプラットフォームになるということがいえます。購買力を持つ外国からの訪問者の方々が、IFAというイベントを機会にたくさんお越し下さり、ベルリンという街の活性化に貢献していただくこともたいへん重要な価値を持っています。

IFAはまた、対外的にベルリンという街を紹介するに当って非常に優秀な看板になります。一般来場者も参加できるコンシューマーショーとしては、非常に人気の高いイベントです。また報道関係者によるIFAの報道も毎回非常に規模の大きなものになっています。もちろんIFAの出展企業様や、各企業が開発した製品に関することが主なものになりますが、その一方でベルリンという街そのものも精力的に報道していただくことにも大変感謝しています。ベルリンとしては、IFAを今後も強力に支援して成功に導き、街の発展にも結びつけていきたいと考えています。

ー ゲーケ氏にお伺いさせていただきたいと思います。さきほどゲーケ氏から日本の企業や日本からの来訪者がIFAにとって重要であるにもかかわらず、認知度が十分でないというお話がありました。これを解決するためにどのようなプロモーションを考えていますか。

ゲーケ氏 アジア地域で生産されているGDPの60%を日本企業が生産していると言うことを私たちは十分認識しています。IFAにおいて最も規模が大きく、また非常に注目される形で技術や製品を紹介していただける出展者が日本企業の皆様です。IFAにお越しいただいて、そこで直にご覧いただければ日本企業の存在感を実感していただけると思います。ショー期間は日本人の業界のトップマネージャーによるスピーチが行われることにも、日本企業の重要な位置づけを再認識していただくことができるかと思います。

ー 音元出版が運営しているオーディオ&ビジュアルのポータルサイト「ファイルウェブ」内に、「IFAの日本語公認サイト」が開設されて大きな反響を呼んでいます。このサイトにに対する感想を聞かせてください。

ゲーケ氏 音元出版のWebサイトにつきましては、当社のハイテッカーの方から説明させていただきます。


メッセ・ベルリン社 イエンズ・ハイテッカー氏
ハイテッカー氏 IFAの日本語公認サイトに関しましては、非常に素晴らしいかたちでご紹介していただき、とても光栄に思っています。御社はこの分野におきましては、非常に力のある会社であると言うことを私たちは十分認識しています。このようにプロフェッショナルな形で一般の読者の方々、同時に業界の方々にもご紹介いただけるということを嬉しく思っています。またドイツのIFAサイトとリンクしたかたちで、イベントの情報を隈無く発信していただけることも感謝しています。特に私どものイベントキャラクターである「Miss IFA」がこのような大きなイメージで紹介していただけることを、とても感謝しています。

ー 最後に日本の皆様へのメッセージをどうぞ。

ヴォルフ氏 ベルリンは日本の企業にとりましても、製品開発をご紹介するための場所として最も適した拠点であると確信しています。ぜひベルリンにお越しください。また今回のIFA 2005は各企業が市場との密着性や存在感をアピールするのに最も適した場所であると考えています。

ハイテッカー氏 IFA 2005におきましても、パーフェクトな成功を収めるため最善を尽くしますのでよろしくお願いいたします。

ゲーケ氏 私は出展者、来場者に対して、数多くの方々にできるだけIFAを知っていただき、足を運んで頂きたいと考えており、皆様を心から歓迎したいと考えております。CEATEC JAPANの主催団体日本エレクトロニクスショー協会とメッセ・ベルリンは今後協力関係をさらに密接にし、今後近い将来、共同プロジェクトを立ち上げることを検討しています。こちらにもご期待下さい。

ーインタビュアー:
音元出版 ファイル・ウェブ編集部プレジデント
Senka 21編集部 編集長
新保欣二


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(Phile-web編集部)



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