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ソニーら4社が次世代プロセッサー「Cell」の技術仕様を公開

2005/02/08
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IBMコーポレーション、ソニー(株)、(株)ソニー・コンピュータエンタテインメント、(株)東芝の4社は共同で開発を進めてきた高性能プロセッサー「Cell」の技術仕様を、米国サンフランシスコで開催中のISSCC(国際固体素子回路会議)において公開した。

「Cell」は8個の独立した浮動小数点演算コア(SPU)とPowerベースのコアを持つ革新的なマルチコア・アーキテクチャ・デザインの採用により、4GHzを超えるクロックスピード(動作周波数)とスーパーコンピュータ並みの浮動小数点演算性能を実現する。

4社のエンジニアは、米国テキサス州オースチンに設置した共同デザインセンターで2001年3月からCellプロセッサーの開発を進めてきた。今回の試作チップは90nmプロセスのSOI(シリコン・オン・インシュレーター)技術を用いて試作したもので、21mm2のチップ面積に2億3400万個のトランジスターを搭載している。

Cellはマルチコア/マルチプロセッサー・アーキテクチャーの採用と超高速のデータ転送能力により、様々なケースで最新のPC用プロセッサの10倍以上の性能を実現している。これにより、次世代のコンピューターエンタテインメントやリッチメディア・アプリケーション用途で必須となる膨大なリアルタイム処理において飛躍的な性能向上を実現する。併せて、Cellプロセッサは既存のオペレーティングシステム(OS)に加え、コンピュータエンタテインメント・システムやデジタル家電に不可欠なリアルタイムOS、また特定用途に使われるゲストOSなど、複数のOSを同時にサポート・実行することが可能だ。今後、Cellについて4社は「超高性能のブロードバンドプロセッサーとして、産業向けのアプリケーションから次世代のデジタル家電に至るまで幅広い応用が期待される」ものであるとしている。

Cellプロセッサーの生産は、米国ニューヨーク州イーストフィッシュキルにあるIBMの300mmウエハー対応の半導体製造拠点で開始し、続いてソニーグループが長崎県諫早市に保有する半導体製造拠点でも年内に生産が開始される予定だ。

(Phile-web編集部)

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