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<山之内 正のCES2005レポート>BD、HD DVD両陣営がプレスコンファレンスを開催

公開日 2005/01/08 15:18
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HD DVDのプレスコンファレンス

BDAのプレスコンファレンス
●次世代DVDの動向がいま大きな注目を集めている。ソニー、松下など先行しているブルーレイディスク(BD)陣営に対し、東芝、NECなどが規格化を推進したHD DVDグループは2005年中にハードウェアとソフトウェアを発売することを表明し、2つの方式が競い合うことは確実になった。昨年末にはハリウッドのメジャー映画カンパニーとの提携をめぐって熾烈な戦いが繰り広げられ、映画ソフト市場の規模から判断してほぼ互角の力関係を築くに至った。

互角とはいっても、総合的に見ると、ハードウェア、メディア、ソフトウェアのいずれも未発売のHD DVDに対し、録画機をすでに発売しているBDが一歩先行していることは明らかである。そこで焦点になるのが、プレーヤーの発売スケジュールと、HD DVD陣営が次にどんな手を打ってくるかということだが、CESにおいて、ある程度その内容が明らかになった。

1月6日(現地時間)にHD DVD陣営がプレス発表を行う1時間前、BD協議会のプレスコンファレンスが行われたが、こちらはVivendi Universal Games、Electoronic Arts、Sun Microsystemsが同協議会に新たに参加したという報告以外に特に大きなニュースは用意されておらず、容量の余裕、セキュリティの高さ、技術的先進性など既知のBDのメリットを再確認するにとどまった。プレーヤー、パッケージメディアなどの発売スケジュールは参加企業それぞれ異なるが、大半は2005年内を目指すという答えが返ってくる。プレーヤーのプロトタイプは各メーカーのブースですでに紹介済みだが、今回のCESではフィリップスが新たに試作品を公開している。

一方のHD DVDはコンベンションセンターから離れて高級ホテルのベラッジオで発表会を開催したが、こちらは主要メーカーと映画会社のメンバーを揃えて、BD陣営よりも具体的な内容の発表を行った。ハードウェアについては、東芝、サンヨー、トムソン、NECなどが2005年第四四半期にプレーヤーまたはPC用ドライブを発売する。ソフトはパラマウント20タイトル、ワーナーホームビデオ50タイトル、ユニバーサル16タイトルが年内に出揃い、DVDで既発売の人気作品に加えて、新作も公開されたばかりの新作も数多く用意されている。

ディスクの生産については、メモリーテックがすでに既存のDVD生産ラインとコンパチブルな量産体制を整えており、生産規模は年間5000万枚に達するという。DVDの生産ラインは数分でHD DVDの生産ラインに切り替えが可能で、HD DVDの生産コストは片面2層のDVDとほとんど変わらないという。

会場では発売予定タイトルの映像・音声が東芝のプレーヤー試作機で上映された。映像のなめらかな質感と階調の余裕はDVDとは一線を画しており、来場者に強い印象を与えた。

なお、マイクロソフトはBD、HD DVD両陣営の発表会に参加したが、具体的な製品や技術の詳細は明らかにしていない。

(山之内 正)

[ces2005]

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