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日本TI、小型化・高性能を実現した業界初の1GHzDSPの出荷を開始

公開日 2004/01/20 17:57
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TIによる業界初の1GHz DSPチップ
●日本テキサス・インスツルメンツ(株)が、高性能と低価格を実現する「90nm(ナノメートル) プロセス・テクノロジー」を採用した1GHz動作のDSPを世界で初めて開発し、サンプル出荷の開始を発表した。

テキサス・インスツルメンツ社は革新的なデザイン方式と製造プロセスによる90nmテクノロジーにより、1GHzというこれまでよりさらに高速で小型のチップの製造を実現した。90nmテクノロジーは既存の720MHz DSPの製造にも採用されていた。同社ではこの技術をさらに洗練させた。その結果、チップ上のトランジスタの間隔をより隣接させ、動作速度の向上が実現されたという。同時にアプリケーションの処理効率を向上させるオンチップ・メモリ密度の高集積化も可能になる。またチップ・サイズの小型化、製造コストの削減、ウェハ1枚あたりのチップ収量の約50%近い増加を併せて達成することにより、既存の720 MHz動作C64xデバイスの価格を約50%以上削減できる。これによって、DSP、メモリ、周辺回路、RISCプロセッサ、アナログ構成回路などの通信効率が向上し、システム・オン・チップ・アーキテクチャの集積化が容易になるという。

同社では今回「TMS320C6414T」、「TMS320CC6415T」、「TMS320CC6416T」と3つの新たな1GHz DSPを発表するに至った。これらのチップはビデオおよびイメージングなどのアプリケーションにおいては8ビット・データで8 GigaMAC(1ギガMAC=1秒間に10億回の積和演算)の性能を、また音声およびオーディオなどのアプリケーションにおいては16ビット・データで4 GigaMACの性能を備えるという。これにより、ワイヤレス基地局、IPベース・ビデオ、高速ブロードバンド・ネットワーキング、医学診断、レーダをはじめとする既存のリアルタイム・アプリケーションにおいて帯域幅やチャネル容量の増加が可能なほか、アダプティブ・アンテナ・アレー、スマートカー、人工視覚などの全く新しい分野のアプリケーションも実現できるという。新しい1GHz DSPは現在サンプル出荷を開始している。「C6414T」の10,000個受注時の単価は推奨価格189ドルより設定され、2004年第4四半期から量産開始を予定している。

(Phile-web編集部)

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