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テレビでインターネットが見られる「Tナビ」を体験してきた! 〜Q&A全問紹介つき〜

2003/04/25
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<左>ネットワーク商品企画担当参事の久保田氏 <右>Enet事業本部の大野氏がリモコンを持ち実際のデモを行った
●松下電器産業(株)が先日発表した「Tナビ」は、テレビからインターネットに接続し、独自の情報コンテンツを閲覧できる新サービス。5月15日より開始される。BS・110度CSデジタルハイビジョンテレビ「TH-36D30T」「TH-32D30T」は、このサービスに対応している。

本日、その「TH-36D30T」「TH-32D30T」を使い、実際のTナビサービスを体験できるプレスセミナーが開催されたので報告しよう。説明を行ったのは、ネットワーク商品企画担当参事の久保田氏とEnet事業本部の大野氏だ。

久保田氏は、ブロードバンドの進展が、「Tナビ」開発のきっかけだったと説明。ノートパソコン程度の処理能力をテレビが持つようになったこともあり、これらのリソースを活用し、テレビを使った生活情報ネットワークサービスを提供しようと考えたのだという。

Tナビを閲覧するには、対応テレビと常時接続環境があればOK。テレビを視聴中でも、リモコンのTナビボタンを押すだけで「Tナビ」ポータルにジャンプする。サービスでは、テレビ/ニュース、エンターテインメント(映画、コンサート情報)、旅/レジャー、ぐるめ/レシピ、くらし/宅配、ショッピング等、生活情報を網羅した。

Tナビテレビには、HTML/BMLブラウザとイーサネット端子を装備。32/36型の大型テレビなので、家庭のリビングルームでの使用を想定している。ファミリーユーザーが楽しめる情報をそろえ、安心・安全に楽しめるものを用意した。ページのサイズは800×450ピクセルで、画面から3mから5m離れた位置で見ることを前提に、大きめの文字を使用して視認性を高めている。

セミナーのあと追加取材をしたところ、通常のインターネットサイトも、URLを直接入力することで、基本的に閲覧可能とのこと。ただしFLASHやストリーミング動画などの再生には対応せず、レイアウトも崩れたりする可能性があるという。また、HTMLブラウザは、バグフィックスやセキュリティ強化程度のことならば衛星からのファームウェア書き換えで対応できるが、抜本的なバージョンアップは行えない仕様という。さらに、Tナビサイトをプリントアウトする際のプリンターについても、現在検討中とのことだ。将来的にはimodeのようなネットサービスを目標としており、業界標準とすべく、他メーカーに対しても積極的に提案をしていく予定という。

以下、セミナーの最後に行われた質疑応答の模様をお伝えする。

Q1:HTML/BML対応ブラウザーは専用か
A1:専用です。

Q2:通常のウェブサイトを見ることはできるか?
A2:お薦めはしていないが、URLをリモコン入力することができる。

Q3:Tナビ機能を搭載したことによる価格アップはどの程度か
A3:今回の2機種のベースモデルとなっているD30シリーズは、発売開始時には、今回の2機種より1万円ほど高かった。実際には店頭で確認してもらうのが一番だが、それほど高くはないつもりだ

Q4:情報メディア研究会のような業界標準との係わりはあるのか?
A4:研究会が先般発足した折に、ARIBなどで決まっていない通信の仕様を決めていくことになり、HTMLブラウザについても現在検討中である。だから、今回のHTMLブラウザは独自仕様ということになる。

Q5:Tナビのサービスの中には課金ビジネスがあるか?
A5:無料で楽しめるサービスと位置付けているが、個別のサービスの中には、ECのような有料のサービスも登場するのではないか。ポータルはあくまでも無料である。

Q6:他社はサービスを使えるのか
A6:現時点は松下だけだが、今後、他メーカーからテレビが出る場合は、ぜひ使っていただきたい。働きかけを積極的に行う。

Q7:イーピーとの関係は
A7:epは衛星からのデータを蓄積する会員向けのサービスだが、Tナビは無料であり、今後は当社のデジタルテレビの標準機能として入れていきたい。共

Q8:Tナビのサービスを使って映像コンテンツの配信の可能性はあるのか。VODはできるのか
A8:ストリーミング配信をデコードするにはCPUパワーが要るので、ハードウェア的には受けられる状態でない。技術的には機能を加えることはできるが、もっとデジタルテレビの機能を価格の負担なく上げなければならない。また、帯域の問題もある。FTTHが普及する段階にならなければならないのではないか?

Q9:半分にHTML、半分にテレビというような2画面表示はできるか
A9:テレビの2画面機能を将来的に入れることはできるが、今回は解像度の関係で、800×450のフルスクリーンのサービスに限定させていただいた。小さい文字だと現状は難しいので、市場判断にお任せしたい。

Q10:文字情報だけでも流すことはできないだろうか
A10:そういったサービスはデータ放送事業者が行うべきなのではないかと考えている。それをする時期ではない。

Q11:HTMLブラウザのキャッシュ容量はどの程度か
A11:キャッシュメモリーのサイズを公表する予定はないが、パソコンのように大きなサイズではない。

Q12:SDメモリーカードにWebコンテンツを保存できないか
A12:カラオケのデータをSDにダウンロードできるなどのサービスがあるが、ウェブコンテンツ自体をデータとして保存する機能は備えていない。ただし、これは当然出てくる要求であると認識しており、テレビ情報化研究会などで標準仕様を検討したい。

Q13:モジュラー回線なしで、ブロードバンド経由でBSデジタルのサービスをフォローできるか
A13:残念ながら通信方式が違うのでできない。これも、ARIB等で標準化すべき問題だと捉えている。標準化仕様が固まれば、ぜひ対応させたい。

(Phile-web編集部)

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