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エイデン 代表取締役社長 岡嶋昇一氏インタビュー <後編>

2001/12/31
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エイデン 代表取締役社長 岡嶋昇一氏
●お客様の顔が見えないと商売は次へとつながらない
 ―― 現状を見る限りでは、消費マインドの冷え込みもあり、決して容易な環境にはありません。しかし、近未来的な見地に立て見れば、明るい材料も少なくないと思います。
 
岡嶋 まずひとつが、放送のデジタル化ですね。2003年には地上波にまで広がり、その動きに合わせて、画面の大型化・高画質化が着実に進んでいくと思われます。家庭において、良質なコンテンツを、双方向で楽しむことができる環境が整えられていきます。
また一方では、パソコン関係でブロードバンド化が進展していきます。実際、放送のデジタル化とブロードバンドをどう棲み分けて行くのか、どう融合させて行くのかがはっきりしませんが、今までにない情報量を瞬時に送ったり、受けたりできる新しい楽しみ方が増えていくことだけは確かです。楽しい時代になることは間違いなく、それに伴うビジネスチャンスももちろん見逃せません。
 
―― eコマースも、ひとつの商品を購入する窓口として、今以上に重要なポジションに位置付けられますね。
 
岡嶋 ブロードバンドになると、良質なデータを大量に送れるようになりますからね。そこがポイントになります。今現在は、商品をひとつ説明するにしても静止画を送るしかない。ここが動画になることで、いろいろな手法が可能になります。eコマースは変わってきますね。携帯電話では、いつでも、どこでも、どんな状況でも情報が入手できるようになります。eコマースは確実にひとつ上のステップに上がって行くのではないでしょうか。
 
―― 現在の市場に目を向けると、プラズマをはじめ、ホームシアター関連の商品が大変元気がありますね。
 
岡嶋 売ったらそれでお終いではなく、久々に、システムインテグレートして楽しめる商品が出てきました。今までは、テレビは売ったらそこでお終い。後は買い替えまで待つしかありませんでした。しかしこれからは、お客様が迫力のある、臨場感のある映像と音を楽しむための提案をどんどん行っていけます。お客様はもちろんですが、ホームシアターは我々販売店にとっても、とても楽しい商品だと思いますね。
テレビの売上構成比でみると、当社では液晶が6%、プラズマも6%まで拡大しています。年末商戦はもちろん、冬季五輪やサッカーのW杯も視野に入れて、年明けも引き続き力の入る商品です。価格が下がって来たとは言え、まだまだ高価ですが、それゆえ、お客様も2回、3回とお店に足を運ばれます。そういう意味では、久々に、お客様といろいろな会話のできる商品が登場したことにもなると思います。
プラズマを購入されるお客様を見ていると、価格だけでは片付けられない面があります。すなわち、販売する側からの技術的な背景や楽しみ方の提案などを総合的に求められているんです。ですから、プラズマのビジネスで優位に立つためにも、販売員のレベルアップがさらに求められようになります。
 
―― キーワードは地域密着ということになりそうですね。
 
岡嶋 お客様の顔が見えないと、次につながりませんからね。とりわけホームシアターは商品に広がりがありますから、次々に提案して行かなければいけない。お客様も店の社員の顔がわかり、我々もお客様の顔がわかる。そういう形で取り組んでいけばお客様と末永いよい関係がつくれる、ホームシアターとは、そういう商品であり、ビジネスであると思います。
 
―― 最後に業界に向けてのメッセージをお願いします。
 
岡嶋 2001年はアゲインストの風が吹いた一年でしたが、2002年は努力いかんで2001年よりはよくなると確信しています。3月まではまだ逆風が吹きますが、逆風が終われば必ず凪になります。
厳しい競争が続いていますが、2002年はいろいろな意味で落ち着いてくるでしょう。その中で足元をきちんと見据え、自分たちの器量を考え、次の時代に対応できる準備を怠りなくやっていくことが大切だと思います。

Shouichi Okajima
1950年11月22日生まれ。74年成蹊大学法学部を卒業後、75年4月にエイデン入社。81年取締役、87年常務取締役、88年代表取締役、91年代表取締役副社長を経て、93年5月に代表取締役社長に就任。また、2001年4月よりNEBA会長をつとめる。趣味はゴルフ

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