HOME > ニュース > ソニーの新デジタルビデオフォーマット、MICROMV(マイクロエムヴィ)とは

ソニーの新デジタルビデオフォーマット、MICROMV(マイクロエムヴィ)とは

公開日 2001/08/20 21:50
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
写真左は、DVCとMICROMV方式のカセットの大きさの違い。写真右はMICROMVを採用したIP7。リモコン並みに小さい!?
●MICROMV(マイクロエムヴィ)方式を新開発・発表した。簡単には「DVフォーマット並みの高画質を維持しつつ、約3倍の高密度記録を実現したMPEG2」である。記録する媒体はひとまわり小型化したミニDVCカセットである。

MICROMV(マイクロエムヴィ)方式は、より小型・高温室でネットワークとの親和性の高い映像機器を実現するために開発された。画像圧縮技術に転送レート12MbpsのMPEG2方式を採用し、DVと同等の高画質を維持しながら、新規技術開発により、DV方式比約3倍の高密度記録・再生を実現している。

画像と音声データをひとつのエリアで効率よく記録する。その特徴は2つある。ひとつは「短波長化」である。最短記録波長0.29μmを実現。これにより同じ長さのトラックに、より多くのデータ記録が可能にった。これをサポートしたのは、VTR用高出力MRヘッド(Magneto-Resistive Head)の開発である。パソコンのHDD等でも採用されているMRヘッドは、MR素子にセンス電流を流すことで、磁力によって素子の抵抗値が変化するのをキャッチし、短波長で微細になった信号を高感度で読み取ることができる。

ふたつ目は「狭トラック化」である。トラックピッチ5μmを実現。同じ長さのテープに、より多くのトラックを記録できる技術を開発した。従来のVTRでは、1回のスキャンでトラックを確実に捕らえなければならなかったため、記録するトラックは一定以上が必要であった。MICROMV方式では5μmのトラック幅への記録再生のため、「ダブルスキャン方式再生」を採用した。ダブルスキャン方式ではトラックに記録された1つのデータを2回再生し、最適な再生データを選択している。

また、MICROMV方式では、信頼性を高めるためのエラー訂正データ、利便性を高めるためのサーチデータなども高密度に記録し、あらゆる面から高い完成度を実現している。

採用された第1号機は、別記事でレポートしたとおりDCR-IP7である。(AV REVIEW編集部)

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE